劇場公開日 2022年11月18日

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「マグリッドの複製禁止」ある男 AKIRAさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0マグリッドの複製禁止

2023年1月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

知的

冒頭の印象的な絵画、調べるとジュルレアリズムの画家、マグリッドの複製禁止という絵画らしい。
顔の見えない、判別不能な男、まさしくある男からのオープニング。
好む好まざるに関わらず、持って生まれた自らの出自、それを武器に人生をのし上がっていく人もいれば、それを消し去りたい人も多くいるのだろう。
妻夫木聡さん演じる弁護士も消し去りたい1人。
自らを仕事、結婚含めた武装、そして帰化という合法的な手段で消し去る努力をしてきた人。
きっと、これまでは無意識に実行してきたのだろう。
しかし、窪田さん演じる偽大介が出自を消し去り、自分個人としては充実したわずか4年を羨ましく感じる。
社会的とか、金銭的とかでなく。
武装解除できるのは、バーでのみ。マグリッドの複製禁止に勇気づけられて。

演者は皆さん、素晴らしかったです。

AKIRA
NOBUさんのコメント
2023年1月9日

今晩は。
 確かに、今作は”ルネ・マグリット”の”不許複製”が巧く使われていましたね。
 窪田正孝さん演じる”男”が、最初は空虚な表情を湛えていたのが、文房具屋さんで出会った安藤サクラさんが演じる里枝と出会って、表情が豊かになって行く姿は印象的でしたね。
 その後のストーリー展開も、原作のエッセンスを上手く活かした作品でした。では、又。返信は不要ですよ。

NOBU