劇場公開日 2022年11月18日

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「「問題提起」の仕方」ある男 TWDeraさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0「問題提起」の仕方

2022年11月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「死んだ夫は、実は(その身元とは)全くの別人だった」
ミステリーでは「実は別人」という設定、割とよくある「古典的手法」だと思います。
本作の予告を初めて観たとき、ふと思い出した作品(恐らく、私だけじゃないと思いますが)が『噓を愛する女(18)』です。ただ、『噓を愛する女』は前半のシリアスさに対し、解決していく過程では全くテイストが変わってコメディ要素が強くなり、観終わって正直「つまらない上に下手くそだな」と思った記憶があります。内容はほぼ覚えてませんけど。
では、果たして本作『ある男』はどうなのか?
まず、鑑賞前は「比べるまでもあるまい」と思っていました。その理由は何をおいても「石川慶監督への期待感、いや信頼感と言ってもいい」と監督を信じていたからです。しかし、、鑑賞しながら既に、その期待を下回っている印象を誤魔化すことも出来ず、観終わって今「残念ながら、あまり良くなかった」と感じています。
まず脚本も今一歩な感じですが、何より今回は「ミステリー」を意識的に強調するあまり、石川監督の編集がかなり「裏目に出ている」ような気がします。まぁ、今までの作品を振り返っても、割と「手数の多い」方だと思いますが、特に今回はこの作品の世界観に対し、やや「しつこい」と感じました。
そして、登場人物たちの行動の裏にある心理としての「差別」について、その「問題提起」の仕方がやや強引な割に中途半端で、妙に悪目立ちな感じもするし、反ってそれが「登場人物たちに対する行動原理」に対する言い訳がましい印象として残ります。
それにしても、「実は別人」という設定は「ギミック」として使われても「チート感」否めないし、どうやったらこのアイディアを旨く使えるんでしょうかね?
まぁそう考えれば、本作は健闘しているとも言えるのかもしれません。と言うことで、ギリ星3つかな。

TWDera