「分人の一評価だよ」ある男 ソルトさんの映画レビュー(感想・評価)
分人の一評価だよ
小説は未見
平野啓一郎さんの書く社会時評は好きなので、観るべき作品とおもいました。
結果
各出演者は的確だし、石川監督の歯切れのいい展開はいいと思いました。
特に良かったのは子役はさておき、やっぱり安藤サクラさんでした。人生の一断面を演じるのに、その前日譚や愛する人の複雑な心境を思いやったラストのシーン等彼女無くしてはありえない演技構成で唸りました。
文頭にあるように原作は未見なので、谷口大祐(太賀くん)の入れ替わる前、入れ替わった後の人生がどうも消化不良で、もう一方のXに主題を絞った結果に主題はわかりやすいのですが、映画的なカタルシスが減じられたような気がします。
純文学の映画化であり、最後の弁護士のシーン等いくらでも深読みができる象徴的な表現は素晴らしいのですが・・
映画としてはどうなのだろう?
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