死刑にいたる病のレビュー・感想・評価
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無駄なようで無駄じゃないシーン
邦画の、というかやたらと恋愛絡めないと死んでしまう病かと思ったら、きちんと意味があったというシーンばかりでそれは原作が良いのだろう。ただ主人公の行動原理が今ひとつ理解、いや、納得出来なかった。なぜそこまでやろうとしてるのか、なぜそこまでやれる人物が都合良く居たのか?もしかしたら榛原にはこの話と並行して他の人物にもこういう行動させていてそのうちの一つを見せられているだけかもしれない。高知能犯罪者に感化されていくというのは割と探せばある題材で羊たちの沈黙とか有名だけど、この作品も魅力的かつ心理に長けた高性能な人物を連続殺人鬼という才能の無駄遣いの極致みたいなところに置くことに世界の無情さを感じられるのかもしれない。
なんてことはあんまり思えない、むしろこれくらい高性能な人間でないと連続殺人鬼として成立してしない。二、三人殺して終わり。
鑑賞動機:あらすじ7割、白石監督3割
個人的に好きなミステリは「信用できない語り手」ものと「操り」もの。途中まではかなり良かった。ただ始末の付け方はちょっと力技すぎてエレガントさに欠ける、という説明しようのない感想になってしまう。なんかこうもうちょっと上手く(観客の思考も)操ってほしかった。
直球ゴアと面会室の演出の数々は好き。インパクトが一番あったのは、自宅のシーンで植木がずらっと並んでるところ。
圧巻だった
私自身があまりグロいのが苦手なので、榛村の殺人の仕方が残虐すぎて、目を背けてしまうほど、そこを乗り越えれば、とても見応えのある映画。
1つ1つ計画をし、殺人を重ねていくが、1つの事件だけ、自分のものではないと雅也に犯人探しを依頼するのだか、物語が2転3転し、いつの間にか雅也と同じダークサイドに陥っていく。
それは自分が殺人鬼の息子ということ、でもそうじゃないけど、その時はやはりそう思う。
誰が犯人なのか。やっぱり金山なのか、だとしたら面白くない。
そう見せてくる演出なのか、意外と記憶がなくなってしまってて、雅也だったりするのかと…頭の中をフル回転。
後半の榛村と雅也の1対1の真犯人についてのシーンはまさに圧巻だった。
榛村に攻めるように食い入るような目と
榛村の不気味な表情がスクリーンの枠と同化していく。
すべては最初から仕込まれていて、これも榛村の完璧な計画の中の1つだったのかと感じた。
ただラストのあの女の子のあの発言とあの手紙の束は?それに関しては種明かしがなかったので、もやったので、つい調べてしまったくらい沼った。
ラスト30秒
冒頭、阿部サダヲさん演じる大和のルーティーンでいかにも優しそうな笑顔のまま人をいたぶり殺害していくその怖さを見せて上々の掴み。
そこから物語が進むにつれて岡田さん演じる筧井や他の登場人物の怪しさ恐ろしさも何となく感じはじめる。
この時、大和自体の恐ろしさが少し薄まる。
さらに筧井と大和に関する衝撃の疑惑からの感動的なシーンで、大和に対する警戒心が更に薄れた。
この運び方が上手い。
途中、大和に手懐けられてる刑務官を見て「いやいや早速大和の手口に引っかかってるよ」なんて思っていた自分が正に大和、ひいては監督の手口に引っかかっていたのだ。
このことに後々気づいた時身震いがした。
この運び方の上手さによって筧井が大和に真相を伝える時の阿部サダヲさんの怖さが冒頭の比じゃなかった。
そしてラスト30秒。
真相が明らかになってハッピーエンドではなくてもバッドエンドではなく、このまま終わっていくのかと緊張が緩和した時にその衝撃の30秒はやってきた。
その衝撃でいきなりプツッと物語が途切れるその後味の悪さは正にイヤミス。
しかもラストの衝撃展開も後からよく考えてみれば冒頭からセリフの端々にその伏線は張られていてよく練られてるなと。
このラストでゾクゾク度がグンと上がった。
そして役者陣は皆さん素晴らしい演技で特に宮崎優さんは必見。
もちろん岡田さんも、阿部さんもすごかった。
面白かった
映像で見て良かったというのが率直な感想
サイコパスの人心掌握の上手さ、魅力的とされる部分が
よく伝わってきた。
ターゲットを賢くて真面目な子達に絞って狙った理由も
直接的な描写は無かったが、なぜなのかも分かったし
執着の意味・方法も相手によって使い分けてて
短い時間での伏線の数も回収も凄かった。
「選べない、決めて欲しい」
しかも、これ伝染病かよ。
最後のいるのかな…
最後のヒロインの子も殺人鬼と接触してました。そして、完全に洗脳されています。って必要あるのかな?
彼(殺人鬼)の思想や考えは、あなたの知らないところにも伝播している。っていう恐怖感のため?
途中で女の子の額の汗、耳をかみにかける動作をすごく艶っぽく写していたシーンを見て、
あれ?え?この子もなん?って思いました。
主人公がもしかしたら、殺人鬼の息子かもしれないと、自分を特別に感じて自信が付く描写の直後だったのでピキーンときました。
血を舐める=好きな人の一部を取り込みたい
ってところでもう始まっていたのかもしれないけど。
それ以外にもところどころ心理描写がとても分かりやすくて、"少し"考えながら観る自分にとって観やすくて面白かった。
主人公がバスの中で遺体の写真を何度も見返すシーンや遺体の写真を見ながら、ムシャムシャ焼きそば食べるシーンなんかも、主人公本人が自覚する前から、視聴者に感じてもらう描写が多々あってよかった。
気になるのが9/24件が立件されたってところ。
残りの15件は????そこがめちゃくちゃ知りたい。
刑事じゃなくて、素人が探偵役をする作品としてはなかなか面白くて、"罪の声"なんかが好きな人はいいかもしれない。
PG12〜U20という視聴巾限定映画
原作は未読だが、単なるグロ映画かもしれないと鑑賞を迷っていたが
息子(成人)のリクエストがあり、鑑賞しました。
阿部サダヲさんの役者としての今までの経験は「この映画に出るためのものだった」と思う程に迫真な演技は実に素晴らしかった。
また主人公の味方である母親役の中山美穂さんも"良きお母さん"役をこなし、申し分なし
撮影や音響も堅実な仕上がり。
目を覆いたくなる数々のエグイシーンがある事を覚悟はしていたが、
本作は被害者の声がリアルに入ってくるので悪寒が絶えない。
これは 映画を観る人によって、良くも悪くもなる。
僕は後者 席を立つ寸前級
本作は殺人鬼が堀の中なので、猟奇的殺人鬼が主人公達に忍び寄る恐怖はないが、
思わせぶりな両親や 幼馴染の女の子 ふつうじゃない岩田剛典さんが登場し、主人公を囲む。
拘置所の守衛の態度が、映画が進むにつれて、主人公の影響を受けてくることが見て取れる。
これだけの要素を持ち、原作があるので、それなりに良い作品になる筈なのだが、
何か足りない。
答えは無かったけれど、「24件中の9件」の意味をずっと考えながら、鑑賞してしまいました。
立件できなかった 残り15件の記録を読みたくなった。
リアリティない進行が多々有るが、
最初の手紙の段階で「殺人鬼の子供」である事が、書いてあれば、諸問題に対応できた筈だ。
原作では"擬 追手"的なキャラクターに成っていたと予想される
幼馴染の女の子 は映画にすると
単なる"変わった子"
岩田さん演じる男も狂気さがみえず、
単なる悩めるメンタル弱い人であり、
主人公と同様の手紙をもらった"操られている男"である"事が容易に想像できる。
うまくまとまってはいるが、
何か"食べたりないサイコパス映画"
素人探偵ものなら、昨年公開された「罪の声」の方が心に響くものとリアリティがあって良かった。
またこれから公開される「流浪の月」にも期待したい。
顔見知りから知人へ、そして虐殺と洗脳
孤狼の血を最近2作品見てこれも気になっていた。
阿部サダヲの猟奇的な表情、拘置所の中にいるだけなのに塀の外の人物たちを手紙や面会だけで洗脳して思い通りに動かしていく。
Fランク大学に通う大学生、そのF大学に通う中学からの知人女性、幼少から洗脳して自分で決断ができなくなったトラウマを抱えるSEサラリーマン。みんな殺人者の掌で泳がされているようにも見えた。
殺人の目的が分からないなどのレビューもあったが、虐待を受けた幼少期からのゆがんだ成長がそうさせたのだ、と想像させ、それでしか人を信頼しコミュニケーションを取ることができない悲しい殺人者なのだと受け取った。
拘置所で殺人者と面会者の顔が合わさってゆくシーンが何回かあったが、その不気味さ猟奇さ、そしてお互いがお互いを投影しているようで、身震いしそうだった。
この作品もしばらく脳裏に焼き付いてしまいそうだ。
全く関係なさそうなことを調べました
劇中主人公の家の玄関正面の書が一瞬映りました。
讃美歌162番
あまつみつかいよ、イエス御名の
ちからをあおぎて、主とあがめよ
と書かれていたような気がしました。あるいは讃美歌164番だったか。時間にすれば1秒?もう一度観ればはっきり確認できるのですが、再び観るのは生理的にも精神的にも辛い映画なので無理です。もし観たとしたなら阿部サダヲ演じる残酷な大量殺人を犯した死刑囚に取り込まれてしまうような気がします。
この讃美歌162番の聖書箇所は次のようなものであるらしいです。
詩篇24章第1節
地とそこに満もの
世界とそこに住むものは、主のもの
詩篇89番2章
主の慈しみをとこしえにわたしは歌います。
わたしの口は代々に
あなたにまことを告げ知らせます。
黙示録19章16節
この方の衣と腿のあたりには、「王の王、主の主」という名が記されていた。
もうこれを調べている時点で阿部サダヲに取り込まれているのかもしれません。飾られていた書が本当に讃美歌162番なのかどうかわからないのに。そこに深い意味があったかどうかも定かではありません。クリスチャンらしい人は一人も登場しませんから単にロケ用に借りた家に元々飾ってあっただけなのかもしれません。
映画の登場人物のほぼ全員が阿部サダヲに自由に操られていたというのがオチといえばオチ。ただ映画として明快に示されたかというと今ひとつはっきりとしない部分もありました。残酷な表現や描写が多く正視できない場面が多かったです。迂闊なことに三代目 J Soul Brothersの岩田剛典がどこに出ていたのか最後まで気がつきませんでした。
沼に落ちていく
とにかく阿部サダヲをこの役に抜擢した時点で勝負あり。
人当たりがよくすぐに人の懐に入る気のいい隣人のような一面と、狂気性に満ちた異常な連続殺人鬼としての2面性を見事に演じ分けている。
彼がそこにいるだけで場に尋常ならざる緊張感とピンと張り詰めた緊迫感が生まれ、見ているだけで胃がキリキリするような感情に追い込まれていく。そしてその真っ黒な目に我々観客すら吸い込まれてしまう。
勿論その他俳優陣の演技も隙がなく、白石監督独特のディレクションや演出力、トーンを落とした画やじっくりと人物を這い回るようなカメラワークなども光っていたが、作品の中心にいる阿部サダヲの持つ惹きつける力が全体を見事に引き締めている。
今作と同じ白石作品で言えば孤狼の血の役所広司のようにこの人の存在だけで成り立ってしまうと言えてしまうほど。
さながら語りかける病原菌のように人間の理性を貪り懐柔してしまう恐ろしい根幹に説得力を持たせ、観客すら飲み込むような表現力で映画が終わったあとにまでまとわり付く この嫌な感情。
それが反転して快感にも形を変えうる味わいを生み出していた。
最早現代の邦画界で白石和彌ほど人間の暗部をえぐり出せる監督はいないんじゃないかという気がしている。
はなびら?
原作がミステリー小説ということもあり、殺人の動機ややり口などの展開は面白く、あっという間の128分だった。
しかし、シリアルキラー(サイコパス)の2面性や異常性・殺人鬼としての葛藤とそれに取り込まれかける単なる大学生の対比構造に、そこまで惹かれるものはなかった印象。
殺人をせずには生きられないシリアルキラーの、内なる罪悪感(のようなもの)との葛藤は、演出や阿部サダヲさんの演技も通り一遍なもので、新しさが感じられなかった。目はすごかったです!
段々と追い込まれ、自身の中に入り込み鬱屈していく岡田健史さんの演技はとても良かったが、ラストシーンで涙する部分の流れに違和感があった。
また、亡くなった胎児を燃やすシーンだが、胎児を映す必要があったのか。なかなか受け入れることができなかった。
よくできたホラー・ミステリー
連続殺人犯が、しかし自分が犯していない一件があると主人公に告げ、主人公が真犯人を暴くためにがんばると、実はすべての人物が連続殺人犯の掌の上にいたという話。
よくできたお話で面白い。
この頃は、登場人物に感情移入する話より、「実は、こうでした」と事情がうまく説明される作品に人気が集まるなと思いました。
白石和彌監督向きではない映画かも……
ネタバレです。
とにかく鑑賞した方はわかると思うのですがミスリードを何度も誘う映画です。
花びらが本当は爪だったり、阿部サダヲさんを岡田健史さんの父親にミスリードさせるような中山美穂さんのへんなセリフだったり、岩田剛典さんを殺人犯にミスリードさせたりと。
なんだか原作批判ではないけど日本で24人も殺人って可能なのか?とか疑問に思ったり、本当に冤罪でもう一人殺人犯がいた方が面白かった内容になるのでは?と思ってしまった。
あと岩田剛典さんはミスキャストだと思う。ほとんどセリフないし、長髪で顔は隠れてるし、痣で特殊メイクしてるし……柄本佑さんか柄本時生さんとかの方が向いてたような……
岡田健史さんの父親役の人も母親役は中山美穂さんなのだから、あれだけ出演シーンも多くてセリフもあるのだからもっと有名な俳優さんを使って欲しかった。益岡徹さんとか光石研さんとか向いてたかも。
やっぱりヤクザと汚職刑事が出なくて暴力シーンが少ない映画は白石和彌監督だとちょっと物足りなさを感じました。
ラストの落ちはそっちを描くのかーと思いました。
自分はてっきり岡田健史さんが闇堕ちして彼女を殺して爪を剥がすのかと予想して外れました。
_φ(・_・ガラスに重なる顔、、、、
死刑囚と主人公とのガラス越しの対峙、ガラスに重なる顔、触れそうで触れられない指先、精神侵食しようとする死刑囚、それを振り払らおうとする主人公。素晴らしい。
ただ、、、、途中、時間を確認してしまった、、、2時間映画なのに長く感じた。
なぜ?
んーーーん、ああやって人を拷問して殺戮に何かしらの意味を持とうとする殺人鬼っているんだろうけど、、、、、どうもそれが作り話を超えないというか。人を殺すってもっと衝動的であり金とか欲の産物であろうと思うのだが。どこかリアルが欠けているというか、、、。ラストはちょい驚き、サイコパスがどこまでも獲物を逃さない執念を感じ、ヒヤッ
っとしました。
『凶悪』のリリーフランキーと本作のアベサダオどっちが怖いってなった時迷わずリリーフランキーが怖いと思います。なぜなら確実に近くにいそうだから。
謎が謎を呼ぶ、怒涛の展開と回収。上半期で1番面白かった!
めっちゃ面白かった
2時間吸いつけられるように、コーヒー飲むのも忘れて見入ってしまった。
阿部サダヲ演じる連続殺人犯(サイコパス)榛村は、24人の17歳~18歳の頭の良さそうな真面目な高校生を残忍な手口で殺した。そして捕まり死刑宣告を受けた。しかし、最後の事件は自分のものではないと主張し岡田健史演じる青年雅也に手紙を出す。
と、ここまでにいくつかの謎が生まれる。
1、なぜ雅也は父親に疎まれているのか
2、なぜ母親(中山美穂)は自分で決められないのか
3、なぜ榛村は雅也に手紙を出したのか
4、初めに出てくる髪の長い男は(岩田剛典、絶対分からない)何なのか
5、中学で同級生という灯里(宮崎優、声も演技はたどたどしいがそこが役柄と合っていた)の存在。
6、最初に出てくる榛村が花びら状のものを用水路にばらまいでいる。これは何か?
謎ばかりだけど、話はどんどん進む。
サイコパスの犯罪者が他人を操る話は、「羊たちの沈黙」以降沢山あるが、なんと言っても殺人犯榛村自身が拘置所にいることで、逆に緊迫感が増すように感じる。しかも、レクター博士のように危険人物扱いはされていないところが不思議だ。
途中で増える謎
7、榛村は雅也の父親なのか?
8、榛村と母の関係は?
9、最後の事件の犯人は誰なのか?
10.、榛村はなぜ連続殺人をしたのか?
11、榛村の真の動機とは?
分からないことだらけで、目が離せない。
金子と雅也が再会するところで、事件は動く。
最後の雅也と榛村の対決は圧巻!全ての謎が回収され、真の背景と目的が明らかになる。この辺はぜひご自身の目でご確認を。
さらに蛇足のようなリア充じみた話がついてくるが、ここでもびっくりさせられる。
とにかく、全ての言葉のやり取りや画面から目が離せない。「刮目して」ご鑑賞いただきたい。
私は今のところ上半期1番と思うし、見て損のない映画だと思います。
よく出来た映画でした
阿部さんと岡田くんの演技がとても良かった。
正常な判断が出来ると思っている危うさを感じました。
最後は原作の方がより怖いと思いますが、映画としてはこちらで良いのかと思いました。
ひとつ気になったところは、金山が被害者を指さすところのロケーション。
もう少し見通しがきくところの方が、金山が被害者を認識していたのかそうでなかったのかの怖さがプラスされたとは思います。(原作どうだったかな?)
不意打ちのグロ
穏やかな映画ではない事は想像がついていた。予告編でもサイコパスと謳っていたし。
穏やかなパン屋でのやりとりから一変、急に拷問シーンで思わず目を逸らす。そんなグロ描写は聞いてない。
予告編では引きずられる所しか使われてなかったよ。
登場人物は基本的にボソボソ覇気がない。だから余計に榛村の語り口調が不気味。阿部サダヲさんは
ハマり役だと思った。
小柄で童顔、そして最も特徴的な猫目。
拘置所の職員すら味方に手名付けてしまうくらいだから、闇を抱えた人なら簡単に引きずり込まれるだろうな。
予告編でも衝撃のラストと言っていたが、まんまとしてやられた。
あの子の違和感はそういう事だったのか。
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