死刑にいたる病のレビュー・感想・評価
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「普通」に対する憎悪
過酷な環境で育ってきたであろう榛村(阿部サダヲ)は、きっと「普通」に憧れていて、なんで自分の周りには・自分にはこんな簡単な「普通」なんてものが手に入らないのか。愛し求めていたが手に入らず憎しみに変わり、その気持ちも振り切って絶望となり無感情になる。愛の反対と言われる無関心や憎しみやらで心が染まり、「普通」を持つ青春真っ只中の輝く少年少女をターゲットにして「痛み」という非日常で被害者から「普通」を削りとる実感を得て、生を感じ取り、自分のものにしていた気がする。その殺人が続いたことで榛村にとって連続殺人とその残虐な行為が「普通」となっていった。榛村がその「普通」に無意識か意識的にか気づいたがために、これではいけない俺もその普通の人間になってしまうという焦りから、これまでの殺人とは異なる殺人を犯した。ようにも見えた。
榛村は死産で生まれた赤ん坊の処理については、子供の幼稚さとその環境で生きていくための対応だったように見られるが、その描写や殺人シーン拷問シーンがなぜあれほどリアルにする必要があったのか。「ホラー映画」なのかとおもうくらい。「残虐な行為を(見た目)普通の人間が行う」という掛け合わせが不気味さを演出するのだと思いますが、死産の赤ん坊を処理するシーンは榛村の無感情さを見せるための演出かと思いますが、見てられないほどリアルな描写をされていた。
「死刑にいたる病」という「病」の意味は、病気の他に悪い癖。欠点。気がかり。苦労の種などがあった。タイトルは意外とシンプルなんだなと思いました。
原作だと違うのかな?
原作未読。主人公は頑張ってたけど、それ以外はうーん。
中山美穂、岩田はなんか浮いてる感。
サイコパスの阿部サダヲも違うかなぁ。この手の人を操るタイプのサイコパスって、現実は分からないけど、フィクションでは良くも悪くも魅力的な人間が多いけど、それが感じられなかったなぁ。って言うか、チェーン店なら兎も角、個人経営の店の常連が被害者って共通点有ったら、警察の容疑者リストに上がりそうだけど、捕まったのが捕まえていた被害者に逃げられたからって・・・・
殺人鬼に魅せられる
Paraviで鑑賞(レンタル)。
原作は未読。
本作の白眉は、阿部サダヲと岡田健史(現・水上恒司)の演技対決でしょう。榛原と雅也が東京拘置所の接見室で対峙するシーンの緊迫感溢れるやり取りは終始鳥肌モノでした。
仕切りのガラスに映る榛原の像が、ふたりが会う回数を重ねていくごとに次第に雅也と重なっていく演出も巧み。雅也が榛原に魅入られていることを暗示していて不安が募りました。
雅也も自信が湧いて来たのかだんだん人柄が変化していったし、それを表現した岡田健史の演技力がすごい。対して阿部サダヲの、底知れぬ怖さを滲み出す演技も絶品でした。
[余談]
阿部サダヲの目に吸い込まれそうになりました。標的を操縦する際の、なんの感情も読み取れない奈落みたいな目に。
不気味で怖いのに、何故か目が離せない。すっかり魅入られて、底無し穴に自ら足を踏み出してしまいそうになる。
術中にハマりそうになりました。危ない危ない。
※修正(2024/06/09)
阿部サダヲ、じゃない方が、、、
阿部サダヲさんは好きだしお芝居も素晴らしいのはもう言わずもがな。ですが、、
この役に関しては平凡なパン屋も似合わないし、人をマインドコントロールできるような魅力は感じられなかった。
素晴らしいね、という目は常に死んでたし
兄弟を切りつけ合う場面とかキャッキャ楽しんでる様子
二面性は全く無かった、、、
(他の人を出すのはアレだけど、思いつくのはスマホ落とした〜の成田くんとかのイメージか、小日向さん向いてそう)
岡田くん(水上?)も虐待を受けて自尊心が低い少年には全くみられなかった、、そもそも父親がいる実家に行きすぎ。
あとラストがめちゃくちゃ意味不明だった、、
全然繋がりも感じなくてビックリというか、
え?って感じ。
他にも「?」はたくさんあったけど割愛する。。
この映画でわーって思ったのは
映画ビンチェンソナタリの『ナッシング』と
カフカの『変身』が出たこと。
どちらも大好きな作品!!!
(だけどこの話と関連性は。。。?)
阿部定も驚くシリアルキラーを好演
本作の主人公は自閉的な大学生筧井雅也。
大学受験に失敗し、いわゆる
Fラン大学の法学部の学生として孤独な日々を過ごしていた。
そんな彼が帰省し、実家に届いた一通の手紙からこの物語は始まる。
送り主は中学生の頃、交流を深めた心優しきパン屋の店主榛村。
当時父親から暴力を受けていた雅也は、塾に行く前に立ち寄るそのパン屋で榛村と交流を深めていった。
しかし、その榛村という人物は24件の殺人事件の容疑者として起訴され、死刑判決を受けていた。
そんな中、面会室で再会する雅也と榛村。
榛村が冤罪だと主張する9件目の殺人事件を追う内に雅也は自分のルーツを探ることとなる。
結末は案の定バッドエンドというべきか。
榛村のその「DNA」は確かに受け継がれ、病はさらに感染していく。
事件の真相は解明されたが、「死刑に至る」その病原菌までは断ち切ることはできなかった。
今回のシリアルキラーを演じた阿部サダヲの淡々と人々を翻弄する「瞳」の演技はとてもリアリティを感じた。こういう人物は実際にいるのだと。
その病に操られるな
バイオレンス活劇『孤狼の血』が代表作になった白石和彌監督だが、最初に注目を集めたのはシリアスなサスペンス『凶悪』。白石監督のBESTに挙げる人も多い。
再び白石監督がシリアス・サスペンスの世界に還ってきた。
同名原作小説はあるものの、『凶悪』と通じる点も多い。
世間を戦慄させた連続殺人事件。その犯人である死刑囚からのコンタクト。
事件にのめり込んでいく内に、己の心の闇の中へ囚われていく…。
『凶悪』ではジャーナリストと強面ヤクザとインテリ主犯だったが、こちらは一人の青年と一人の人の良さそうな男。
何処にでも居そうなこの二人が、見る者を人の暗部へと誘う…。
榛村大和はパン屋の店主。性格は明るく優しく穏やか朗らかで、“いい人”を絵に描いたよう。
誰からも好かれ、親しまれていた。
が、彼の“本当の顔”に世間は驚愕。
7年間に実に24人の男女の命を奪った連続殺人鬼。
相手をただ殺すのではなく、いたぶって殺す。爪剥がしが特徴。
“獲物”にもこだわりがある。
男女問わず、高校生くらいの真面目そうな若者。中学生や成人には食指は動かない。
自然さを装って接近し、親交を深め、熟した所で惨殺。
殺害シーンはかなり痛々しく、グロい。温和そうな表情からポーカーフェイスで殺人をする様…。
人の二面性に恐怖。阿部サダヲが抑えた演技と柔和な雰囲気だからこそ、余計不気味…。
捕まらなかったらもっと殺してた。
またやり直せるなら、捕まらぬよう上手くやる。
殺しへの衝動は少年時代からあり、稀代のサイコキラーでサイコパス。
自分の罪や死刑判決も認め受け入れている。
しかし、一件だけ異議を訴えている。
ある日、大学生の筧井雅也の元へ榛村から送られた手紙。
面会もし、榛村から頼まれたのは、その一件だけは自分が犯人ではない事を証明して欲しい、というものだった…。
雅也は法学部に通っているとは言え、何故榛村は依頼を…?
見ず知らず…ではなかった。
中学生の頃、雅也は榛村のパン屋によく通っていた。好きなパン屋で、榛村の事も好いていた。
榛村も頭のいい雅也の事を可愛がっていた。
しかし榛村は、この時からすでに殺人を…。
それを知って改めて恐怖する雅也。まだ中学生だったので、榛村の“獲物”にならずに済んだ。
世間的には異常な連続殺人鬼だが、雅也にとっては親交あり、良くしてくれた人。
複雑な胸中だが、雅也は事件を調べる事に…。
調べ始めると、おかしな点に気付く。
榛村の獲物は一貫して高校生なのだが、この一件だけ成人の女性。
必ず相手の爪を剥がすのに、この女性だけ剥がしていない。
事件と事件の間も約3ヶ月空けるのに、前の事件から僅か1ヶ月。
榛村の“こだわり”の犯行手口に添っていない。
この一件だけ、他に犯人がいるのでは…?
その可能性を強めていく雅也。
たった一人でそこまで突き止めた雅也を称賛する榛村。「君は凄い」。
榛村との対話や事件に深く入り込んでいく内に、雅也は…。
真犯人として浮かび上がった一人の不審な男。
彼の元同僚や被害者女性。
昔の榛村を知る男から話を聞く。
虐待を受けていた子供たちを引き取っていた施設。榛村の育ての母。
その施設に思わぬ人物が。雅也の母。
しかも、榛村と雅也の母は親交があった。
榛村はひょっとして…?
事件の新展開や人間関係など引き込む面白さは勿論だが、ゾッとさせるのは…。
真犯人として浮かび上がった男・金山。子供の頃虐待を受けていた家庭環境で、兄弟で榛村と親交があった。
金山の性格は頭はいいが、悲惨な環境や恵まれぬ現状に鬱憤を抱えていた。
そんな彼に、榛村は甘い言葉を掛ける。
似ている…? 榛村と金山の関係が、榛村と自分の関係に。
雅也も父親から虐待を受けていた過去を持つ。
そんな彼に温もりと癒しを与えてくれたのは、榛村。
頭はいいが、理想とは程遠い大学生活に悶々とした日々。
そんな時榛村から頼まれた仕事に刺激を受け、成果を褒めちぎってくれる。
それは屈折した心に、どれほどの悦びか。
身も心も彼に従順していく。
心の暗部に陥り、自分の中の狂気が目覚めていく。
自分を見下す大学の連中に怒りを吐き捨て、横暴な奴にブチギレ、危うくその命を…。
榛村との親交で、雅也は変わった。何もかも内に潜める性格だったのが、明らかに内面が危うくなった。
弱い人間であれば、そのまま堕ちていってしまうだろう。
が、雅也は寸での所で踏み留まった。
榛村に事件の真相を打ち明ける。この事件の真相自体は結局は…なのだが、衝撃なのは榛村の相手の操りと狙った獲物は逃さない執念深さ。
雅也も金山も被害者女性も、榛村の元獲物なのだ。
だが、目を付けた時はまだ自分のこだわりに見合っていなかった。
時を経ても、彼らと“遊びたい”衝動は忘れない。
金山を操る。誰と遊んだらいいか…?
金山はたまたま被害者女性を選ぶが、実は榛村がそういうシチュエーションを作り上げた。
イレギュラーだったが、被害者女性をいたぶって殺す。
金山を罪悪感で苦しめる。
雅也もそう。手のひらで転がすようにして操って、己の心の闇の中に陥らせて…。
全ては、榛村に弄ばれていた…。
人を殺すのは、罪。重罪になれば、死刑。
ならば、相手を散々可愛がって弄び、操るのは…?
法は適用されないかもしれないが、これだって罪だ。重罪だ。
背筋が凍るほどの病んだ内面。
死刑にいたるほどの病だ。
先述通りの阿部サダヲの怪演。開幕シーン、花びらと思っていた“アレ”が実は…! 人が良さそうに見えて、終始目は笑っていない。コメディもシリアスもサイコパスも出来る役幅に感嘆させられるが、周りの面々も見事。
長髪で顔を隠し、暗い佇まいで最初全く気付かず、イケメンのイメージを払拭した岩田剛典。
だけどやはり、実質主役の岡田健史の巧さが光る。
彼演じる雅也は、開幕から屈折や鬱憤を溜め込んでいるのが分かる。いつそれが剥き出しになるのか…? 抑えた演技の中に、ハラハラさせる凄みを感じた。
それから、もう一人。
雅也とは大学の同級生で、地元が一緒。大学で孤立する雅也に声をちょくちょく掛け、やがて恋仲になる。
キュートな存在だったこの娘が、ラストまさかの…! 彼女も実は…!
序盤と、あの台詞を言い放つラストでは、180度印象が変わる。あるものを舐めるシーンもインパクト。
宮崎優。只者ではない新進女優がまた現れた。
『孤狼の血』ですっかりバイオレンス活劇が定着した白石監督だが、実は本作のような作品こそ本領発揮で、人の心の暗部の抉りに長ける。
決して見てて、後味いいものではない。
なのに、病にかかってしまったほど虜になる。
榛村が人の心を操るかのように、我々も白石監督の手腕に心掴まれる。
サイコ殺人鬼が面会人(ターゲット)を操る心理ミステリー
陰々滅々なストーリーで暗く救いがなく少しメゲる。
24人を殺して拘置所にいる殺人犯の榛村(阿部サダヲ)からの手紙を
受け取った大学生の筧井雅也(岡田健史)は、乞われるまま面会に訪れる。
榛村は立件された最期の9件目の殺人事件だけは冤罪だと言うのだった。
面会を重ねる度に、榛村にマインドコントロールされて、
積極的で生き生きした人格にに変わる雅也の様子。
そして雅也もまた殺人者スレスレの乱暴な殺意に苛まれて行く。
“マインドコントロール“
自分には無縁だとずうっと思っていた。
しかし最近の統一教会の報道で、普通の人が洗脳されて、我が子より教団が
大事になり献金を進んでやる仕組みが解明されて、
自分は単につけ込まれる隙のない人生をたまたま送っており、
周囲にもそんな危険な人物がいなかっただけなのではと、思うようになった。
雅也にとっては榛村から手紙を受け取ったこと。
中学生の頃、家が近所で榛村のベーカリーに通っていたこと。
その時優しく接してもらっていたこと・・・
などの接点があった。
そして雅也の母・襟子(中山美穂)と榛村との接点。
もしかして自分は殺人鬼・榛村の息子なのではないか?
謎は急に身近な怖れと重なり更にグレードアップして行く。
拘置所で裁判を待つ榛村。
勾留された榛村にたったひとつ残された能力と愉しみ。
それは手紙を書き狙ったターゲットを洗脳して思うがままに動かして、
時に殺人指示を与える。
「羊たちの沈黙」のレクター博士とクラリスの関係をふと思った。
クラリスの幼児期のトラウマに言及して精神を支配して行くレクター博士。
雅也の母親の秘密や虐待されたことに触れ、雅也の精神もまた支配して、
殺人者に仕立て上げたいのか?
阿部サダヲの柔らかな微笑み、丁寧語でフレンドリーな容姿。
「心の闇」を微笑んでいてもその《眼》は笑っていない。
残酷なシーンはかなりインパクトがあった。
榛村が冤罪主張する「根津かおる事件」。
命乞いするかおるの手首を切り離れるほど切り刻む。
その残虐さは心底ゾッとした。
徐々に殺人衝動を抑えられなくなる雅也。
根津かおるとの接点そして榛村とも接点のあった金山一樹(岩田剛典)。
岩ちゃんは雅也に殺されたのだろうか?
よく分からぬままフェイドアウトしてしまった。
岩田剛典でなくても良い役では?
(岩田の役の選択に最近疑問を感じる)
個人的には佐村弁護士役の赤ペン瀧川の演技に生身の息遣いを感じた。
そして最期の隠し玉。
幼なじみの加納灯里(宮崎優)
雅也にせっかく訪れた愛の予感もまた、榛村の支配下にあるのか?
映画は終わったけれど、謎が後を引くラストだった。
綺麗な爪。
多くの高校生を残酷に殺した死刑囚がかつて交流のあった青年に自分の犯していない事件を調べて欲しいと依頼し、その青年が翻弄されていく話。
この死刑囚榛村の性癖として爪が綺麗な人がターゲット。それもファッション的に綺麗と言うより、傷一つないけど少しでも手を使うことをしたら崩れてしまいそうな繊細な爪。だから、大人になる前の高校生の爪ってちょうど良かったんだろうな。男の子でも、まだゴツゴツしてないから。
主人公雅也も榛村と出会った少年の時は綺麗な爪だったものの、現在は完全にゴツゴツした手。それなのにターゲット?という疑念がラストで回収されてるのかなと思った。
榛村はかつてのターゲット予備軍達に手紙を書いてもう一度呼び寄せて今も爪が綺麗な子を本当のターゲット、もう綺麗じゃない人を自分の駒にしてたのかな?と思った。だから本当のターゲットは灯里で、雅也は榛村の駒として同じ行動をするように仕組まれた罠だったんかな。それがまさに「死刑にいたる病」と。
落ち着いたトーンの映画かと思いきやしっかり白石和彌節は健在で、ちゃんと重要なシーンで雨降ってたし、映像の見せ方にひとつも無駄なシーンがなくて綺麗だな〜。
あと、こういう面会シーンが多い作品は、反射するガラス面を使って魅せる大喜利を楽しむものと思っていて、今回も色んなレパートリーあって良かった。雅也と榛村の顔が完全一致するお決まりの見せ方に、そこに後ろの警察官(たぶん洗脳されてる)も重なったり、雅也の体にすっぽり榛村の体が納まっててそれが白い服だから榛村の体に雅也の顔みたいに見えたり。こんなこと見てると話に置いてかれそうになるんだけどね(笑)
欲望の行き着く先
囚人から届く手紙そして面会により呼び起こされる過去の記憶、語られる事件に興味を惹かれ、それを調べる事で起こる出来事を軸に描かれる。
思春期に囚人と面識のある青年の心の隙間に入り込む甘美で何処か心地良い言葉という毒に翻弄される青年に忍び寄る底なしの闇。その青年を通して描くことで観る者にも疑念を持たせる甘美な言葉とその裏腹に底知れぬ怖さを感じた。
日本という風土の中で連続殺人鬼をリアルに取り扱った作品として秀逸でした。
病
そこそこグロ耐性があると自負していたが冒頭の拷問シーンでは被害者たちのいい子な性格が相まって目を瞑りたくなった。PG12とは?確かにご想像にお任せします的な部分もあったが、相当苦しそうな悲鳴や懇願する声が響いて、必要以上にご想像してしまった。
前のカップルは爪を剥がすシーンで思い切り顔を背けていた。事件の残虐性はR18レベルだと思う。
ストーリー的にはなんとなく在り来りで予想できる。事件を知り模倣犯になるとか、実は血縁関係があるとかよくありますよね。ハイムラが否認した事件の真相を追っていくとわかる筧井とハイムラの関係。序盤〜中盤のスピード感やグロシーン交えた刺激は良かったが、後半失速した。もうわかってるよ…というような事の掛け合いを筧井とハイムラが行いますが、そこは見せ場なのでしょうが、大半の人は間延びしてしまったのでは。
最後のシーンは調べたところ映画のオリジナルで監督自身がご想像にお任せしますというようなことを仰っていました。個人的にはあのシーンも味の無いガムをくちゃくちゃと食べさせられているような感じがした。ハイムラとの面会が終了、エンドロールで十分な気が。彼女も実はハイムラにコントロールされて、筧井に近づいていた…という驚愕のオチだったようですが。
個人的にはグロシーンがあることで事件の残虐性が伝わりやすく物語に感情移入しやすかった。考察交えて色々と考えさせられるストーリーもなかなかよかったと思います。ただ、小説を読んでいないのであれですが被害者との接触から事件当日までが大分飛んでいるのと23人も誘拐殺人してしまえる非現実性が怖さを薄めました。優しそうなおじさんに話しかけられても注意したいと思います。
特に阿部サダヲさんには。
ベール
冒頭から感じていた紗幕ごしの感覚。
終幕まで見終えてなるほどと唸る。
彼は、全く本心を語らなかったのではなかろうか。いや、法廷でのみ本音を語っていたのだろうか。
サイコパスと区分すれば分かり易いのだろうが、その詳細までは全く理解が及ばない。
人の形態をしてはいるが、宇宙人とか異世界の住人と対面しているようだった。理解が及ばない存在として悪魔と呼称してもよいのだろう。DNAの細部が違うような感触…今作のアベサダヲをなんと形容してよいのか分からない。
人の通念の外側にいる存在。
物語としても混沌を極める。
話の主軸が主軸ではなく、それ自体が餌であり罠であり…シリアルキラーの遊びに付き合う事になる。
彼に善意を見出そうとするのは無駄のような気もする。のだが…犯行が発覚したのが被害者の逃亡だとして、自らのルールに反する殺人を犯したのには、どんな理由があるのだろうか?
24番目の殺人。
25番目の被害者が逃亡。
アザのある男を苦しめる為、逃した獲物を狩る、一石二鳥だとしても、その殺害方法は自身の趣向に準じても良かったはずだ。
…新たな遊びを思いついたって事なのかな?
今の方法に飽きてきて、いつかは捕まるだろうその日の為に仕込んだネタ。
まぁ、常人の考えが及ばない側の人なので、考えたとこりで答えに行き着くような気はしないのだけど。
色々と気持ちの悪い部分はあって…。
父と母のなり初めだったり、キリエさんって主人公のおばあちゃんなのかな、とか。なんか別人のように思えてたのだけれど、母親と養子縁組してたりするから祖母にあたるのだろうけれど、の割には、初めて見た人のような登場の仕方だったり。
彼女からの告白といい…最後の最後まで危うい作品だった。
主人公の男の子が、途中から松田優作さんに見えてきてた。
ディレクターズカット希望
全体的に良かったが、榛村の残虐性がぼんやりしていたので燻製小屋で行われた凶悪な儀式の一部始終と被害者の生前の日常を映したディレクターズカットやオムニバスがあれば見てみたい。
怖い。
そして分かりにくい。白石監督にしては珍しく人物描写が足りなかった。
一番肝心な榛村の生い立ち、それと“病”についてがほとんど描かれていない。白石監督だし、きっと犯罪心理の“病”を主軸にした作品だと思ったのだけど。
他の登場人物も全てが謎で、なので最後まで集中して観れたけど、謎のまま終わったのでただ表面的な怖さだけが残った。
そういう作品もありなのかもしれないけど、白石監督のいつもの丁寧な人物心理描写を観たかった。
恐ろしい
ホラー全く見れないけど気になってしまい見てきた。
ホラー苦手の自分からしては音からして怖くなっちゃった。最初は難しい話だなって思ったけど意味が理解出来た時恐ろしいと思った
桜だと思ってたのが爪だった時の衝撃がえぐすぎた。
「自分だけ」「他とは違う」
幼い頃に負った傷が癒えることはなく、他のだれかの信頼という言葉に
簡単に心を許してしまう。それが連続殺人犯でさえも、
主人公は抱えた傷を俳村に諭してもらうことにより、
父親以上の信頼を感じてしまう、やがて実は何も血の繋がりがなかったと
解るやいなや、俳村に縋りつこうとしてしまう。
結局のところ、俳村が殺してきた20数名、その他の児童に対して
何をしたのかといえばこれが全てで、これ以上はない。
怖いと思った手口がいつの間にか気づいたら自分にも という
ことなのであろう。
冒頭、色褪せた花びらをパラパラと撒いていたのかと思ったら実は被害者...
冒頭、色褪せた花びらをパラパラと撒いていたのかと思ったら実は被害者の爪だったとは。。。
拘置所での面会シーンは「凶悪」にも通じる感じがあり、途中まではゾクゾクできたんですけどね。
追いかけていた事件の結末がもう一つな感じがしてしまいました。
ただ、宮崎優さんの血を舐めるシーンと最後のシーンは結構なインパクトがありました。
今後に期待してしまう女優さん見つけた!って感じ。
高校生を連れ去って長い間拷問してっていうのはちょっと見ていて辛い内容でした。。。
花びらが舞っていたのかと…
狂っているが、頭のキレすぎるサダヲが怖かった😵💫
ラストシーンの主人公が謎を解いてからの、
彼女のバッグからA4用紙が出てきた日には
爪が花びらみたいだったなぁ…🥶
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