「人間の面白い心理」死刑にいたる病 芥さんの映画レビュー(感想・評価)
人間の面白い心理
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阿部サダヲさんの五臓六腑に染み渡る怪演。素晴らしい以外の言葉が見つかりません。阿部サダヲさんの演技だけでこの映画は良作になってると言っても、過言では無いくらいでした。
ですが、少し邦画ならではの臭い演出が多々あったかなという印象を持ちました。例えばクライマックスの面会シーン。新事実や主人公の推理を披露するシーンでは、プロジェクター(?)を使っており、本作の肝の不気味さが欠けていました。陳腐な表現の仕方で少し気持ちが下がってしまいましたね。
良い所も勿論あり、それは冒頭の拷問シーンです。あういうシーンを邦画で表現しようとするとすぐクラシックを流したり、大袈裟な描写でグロテスクさを引き立てようとするのですが、この映画は少し洋画チックなモノを感じました。まず阿部サダヲさんが着ていたゴムエプロンが似合っていてゾクゾクしました。ただただ淡々と事を進める阿部サダヲさんの目には、人間以外の『ナニカ』を感じさせてくれました。不気味さ、不穏さ、奇妙さがピカイチでした。人間が心の根底に抱える苦痛、トラウマ、狂気の部分は、本当に興味深かったです。本当に阿部サダヲさんの怪演を見るだけで、見てよかったなと感じさせてくれました。
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