「病とは」死刑にいたる病 ゆいさんの映画レビュー(感想・評価)
病とは
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死刑にいたる病、というタイトルから自分ではどうにもならない衝動、性癖というものがあって、その病が死刑という結果に繋がっている、ということなのだろうと予想していた。
性癖のようなものは誰しもにあると思うし、それが人に言える類のものか、言えないことか、法に触れるか触れないかというだけの違いがあるのだと思う。
この映画に出てくる榛村が抱えている衝動は人を殺害したいという欲望かと思っていたが、見ているうちに裏切られ、絶望した人の顔が見たいのだろうと思うようになった。
だからわざわざ人間関係を時間をかけて作って、裏切るという行為を繰り返していたのだろう。
榛村が、なぜわざわざ捕まるような真似をしたのかが謎だったが、人を殺害する方法で快楽を得ることに飽きて、心理的に痛ぶることに重点を置きたくなったのかも知れないと思った。
留置所にいるという圧倒的に弱い立場に陥ることで主人公を油断させ、あたかも困っているかのように装い、主人公の鬱屈とした人生につけ込み、操り、そして主人公を裏切ることをただ自分の快楽のためにやっているのだと、そう感じた。
最後の最後で、主人公と付き合い始めたであろう彼女の発言を聞いた時は思わず「そこまでやりやがるかくそ野郎」という気持ちで天を仰ぎたくなった。
血舐めた時に気付けよ、自分、とも思った笑
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