「ラスト30秒」死刑にいたる病 よっちゃんイカさんの映画レビュー(感想・評価)
ラスト30秒
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冒頭、阿部サダヲさん演じる大和のルーティーンでいかにも優しそうな笑顔のまま人をいたぶり殺害していくその怖さを見せて上々の掴み。
そこから物語が進むにつれて岡田さん演じる筧井や他の登場人物の怪しさ恐ろしさも何となく感じはじめる。
この時、大和自体の恐ろしさが少し薄まる。
さらに筧井と大和に関する衝撃の疑惑からの感動的なシーンで、大和に対する警戒心が更に薄れた。
この運び方が上手い。
途中、大和に手懐けられてる刑務官を見て「いやいや早速大和の手口に引っかかってるよ」なんて思っていた自分が正に大和、ひいては監督の手口に引っかかっていたのだ。
このことに後々気づいた時身震いがした。
この運び方の上手さによって筧井が大和に真相を伝える時の阿部サダヲさんの怖さが冒頭の比じゃなかった。
そしてラスト30秒。
真相が明らかになってハッピーエンドではなくてもバッドエンドではなく、このまま終わっていくのかと緊張が緩和した時にその衝撃の30秒はやってきた。
その衝撃でいきなりプツッと物語が途切れるその後味の悪さは正にイヤミス。
しかもラストの衝撃展開も後からよく考えてみれば冒頭からセリフの端々にその伏線は張られていてよく練られてるなと。
このラストでゾクゾク度がグンと上がった。
そして役者陣は皆さん素晴らしい演技で特に宮崎優さんは必見。
もちろん岡田さんも、阿部さんもすごかった。
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