「PG12〜U20という視聴巾限定映画」死刑にいたる病 YAS!さんの映画レビュー(感想・評価)
PG12〜U20という視聴巾限定映画
原作は未読だが、単なるグロ映画かもしれないと鑑賞を迷っていたが
息子(成人)のリクエストがあり、鑑賞しました。
阿部サダヲさんの役者としての今までの経験は「この映画に出るためのものだった」と思う程に迫真な演技は実に素晴らしかった。
また主人公の味方である母親役の中山美穂さんも"良きお母さん"役をこなし、申し分なし
撮影や音響も堅実な仕上がり。
目を覆いたくなる数々のエグイシーンがある事を覚悟はしていたが、
本作は被害者の声がリアルに入ってくるので悪寒が絶えない。
これは 映画を観る人によって、良くも悪くもなる。
僕は後者 席を立つ寸前級
本作は殺人鬼が堀の中なので、猟奇的殺人鬼が主人公達に忍び寄る恐怖はないが、
思わせぶりな両親や 幼馴染の女の子 ふつうじゃない岩田剛典さんが登場し、主人公を囲む。
拘置所の守衛の態度が、映画が進むにつれて、主人公の影響を受けてくることが見て取れる。
これだけの要素を持ち、原作があるので、それなりに良い作品になる筈なのだが、
何か足りない。
答えは無かったけれど、「24件中の9件」の意味をずっと考えながら、鑑賞してしまいました。
立件できなかった 残り15件の記録を読みたくなった。
リアリティない進行が多々有るが、
最初の手紙の段階で「殺人鬼の子供」である事が、書いてあれば、諸問題に対応できた筈だ。
原作では"擬 追手"的なキャラクターに成っていたと予想される
幼馴染の女の子 は映画にすると
単なる"変わった子"
岩田さん演じる男も狂気さがみえず、
単なる悩めるメンタル弱い人であり、
主人公と同様の手紙をもらった"操られている男"である"事が容易に想像できる。
うまくまとまってはいるが、
何か"食べたりないサイコパス映画"
素人探偵ものなら、昨年公開された「罪の声」の方が心に響くものとリアリティがあって良かった。
またこれから公開される「流浪の月」にも期待したい。