「白石監督好きなんだけど、邦画として普通のサイコサスペンスでした。」死刑にいたる病 kwmdさんの映画レビュー(感想・評価)
白石監督好きなんだけど、邦画として普通のサイコサスペンスでした。
レイトショーなのにも関わらす、ほぼ満席でした。
白石監督の作品が好きなので、喜ばしい限りです。
最初の1/4までは、どんどん酷い話になるのかなと期待しましたが、そのまま平坦に終わってしまいました。
白石作品に期待するのは、グロ描写ではなく、暴力描写です。
また、我々誰もが持っている暴力性に気づかせて暮れることです。
R指定されないように抑えているのでしょうか?
(もちろん、監督には期待されているものではない、新ことをどんどんやって、良い意味で裏切って欲しいです。)
原作は読んでいませんが、近いのはトマス・ハリスの『羊たちの沈黙』じゃなくて、『レッドドラゴン』でしょう。
『レッドドラゴン』は電話越しに、遠隔地で話が進んでいるはずなのに、後半にかけてどんどん恐怖が増していきます。
本作は緊迫感が感じられませんでした。容疑者捕まってるし、怪しい人たちは主人公よりは弱そうだし、走れば逃げれそうだし、銃も無い。
凶器は文房具とヤットコ位しか出てこない。すでに終わった事件の感想をみんなで言い合っているようです。
岡田健史さん、よくやってました。
阿部サダヲさん、『彼女がその名を知らない鳥たち』ではウザいダメ男役が最高でした。
今回は、普通に良い人に見える人がシリアルキラーと言う役所ですが、普通すぎで本当は何にもしていないのに、異常な承認欲求を満たすために嘘ついているのかと思ってしまいました。
サイコパスなんだから、一見普通なんだけど、どこかに不自然な言動があって、この人気持ち悪いと思わせないと。まあ、これは脚本の問題かもしれませんが。
岩田剛典さん。誰が演じているのかわかりませんでしたが、ミスキャストでは?
無理におどおどしているように見えます。結構、難しい演技が要求うされていますよ。
あと、原作の問題ですが、痣を隠して髪伸ばすって何だよ。太田母斑なら、気にせず露出して生きている人は山ほど居るし、小さい時からコツコツレーザー治療ができるし、カバーマークで綺麗に隠すこともできますよ。最初のころは普通に公園で遊んでたじゃないの。ちゃんとリサーチしたのかな?
面会室の映像は、どこまでが現実かわからなくなるようにしてあったので、全編この調子にすればもっと良かったと思います。
総合すると、邦画で見られる普通程度(偉そうで済みません)の作品でした。