劇場公開日 2022年5月6日

  • 予告編を見る

死刑にいたる病のレビュー・感想・評価

全557件中、1~20件目を表示

4.0分からない、を分からなければ

2022年5月10日
iPhoneアプリから投稿

 爽やかな上天気の日に、あえてこんな暗い映画なんて…と思っていたら、意外にも大入り。8、9割の席が埋まっていた。周りに気兼ねするかも…と気後れしたのは最初だけ。あっという間に深い沼に沈められ、他の人の気配どころか、底なしの孤独感。ぽつんと一人でスクリーンに対峙しているような錯覚に陥った。
 うさん臭いと思いながらも、ずるずると連続殺人の謎に引き込まれていく大学生•雅也。鬱々とした日常から逃れる憂さ晴らしのはずが、「自分だけが知っている」かもしれない真実のかけら集めに、自らのめり込んでいく。
 そんな彼と対照的なのが、白石組の常連•音尾琢真が演じる、かつてのボランティア仲間だ。中盤のワンシーンのみながら、強い印象を残す。本作では唯一、カラッとした明るさ(軽薄ともいう)の持ち主だが、榛村の本質をいち早く見抜いた人物でもある。彼と雅也との決定的な違いは、榛村の不可解さとの付き合い方ではないか。雅也は、不可解さを抱えきれず、「分かる」ことを急ぎすぎたのかもしれない。
 とにかく、阿部サダヲ演じるパン屋•榛村は怖い。事前の予想(覚悟)を、軽々と飛び越える狂気に満ちている。黒みの多い目は、何を考えているのか分からない。黙ってそこにいるだけで、得体の知れないオーラが漂っている。けれども、皆なぜか彼をやり過ごせない。彼の所業を知れば知るほど、初めは小洒落ていると思えた服装や店の作り、柔らかな物腰が、ぞっとするものに反転する。一体何を見聞きしていたのかと、自分の感覚に自信が持てなくなるほどに。
 彼を取り巻くキャスティングの意外性に加え、拘置所の面会室でのやり取りに、毎回息を呑んだ。アクリル板に反射する互いの顔が、初めは向き合い、次第に重なり合っていったかと思いきや、すっと指先が触れ合う。気付くと、そっと肩を抱かれている。透明な板に仕切られ、安全な遠い対岸にいたはずが、いともたやすく繋がってしまう。そんな危うさが、視覚的に描かれ秀逸だった。
「あなたが決めて」、「君はすごい」、「あなただけ」、「私にはわかる」、桜の花びら、きれいな手指…。冒頭から折り込まれていた恐るべき伏線に、最後は息を呑む。観終えてからも、日常の中で映画の言葉や物事に再度触れたとき、あの世界が、自分の住む世界と地続きなのだと、思い知らされる。こうやって本作について幾たびも思い返していること自体、すでに榛原に支配されつつある証なのかもしれない。

コメントする (0件)
共感した! 11件)
cma

3.0サイコな怖さよりゴア描写の痛々しさが悪目立ち

2022年5月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 3件)
共感した! 35件)
ニコ

3.5白石和彌は止まらない。

2022年6月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 24件)
高橋直樹

4.0灯里役・宮崎優を世に出す衝撃作

2022年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

怖い

興奮

全体的に好キャスティングが光る。シリアルキラー・榛村を演じる阿部サダヲは、大人計画入団時に提出した履歴書の写真で顔色が悪かったことから芸名が「死体写真」になりかけたという逸話がよく知られるが、常に死んだような目をしていることもそんな印象に影響しただろう。穏やかな物腰と細やかな気配りで狙った相手の心を支配するという人物設定に、あの眼差しが説得力を与えている。

榛村に取り込まれそうになりながらも抗おうとする大学生・雅也を演じた岡田健史も、阿部とのコントラストが絶妙だ。長髪の謎の男は誰が演じているのかわからないまま、エンドロールで岩田剛典の名を見て「ああ、あの男か」とようやく気づいた。それほど見事にスターオーラを消している。

そして、雅也と同じ大学に通う灯里を演じた宮崎優。初めのうちこそ彼女の目立たず内にこもった感じが、映画の中で“映えていない”ように感じたが、次第に秘めていたものが表に出てきて、あの地味目な見かけも実は伏線だったかと驚愕させられた。過去の出演作「任侠学園」「うみべの女の子」を観たのに印象に残っていないが、本作での演技は映画関係者と観客の心にしっかりと刻まれるだろう。宮崎優を世に出す一本でもある。

コメントする (0件)
共感した! 72件)
高森 郁哉

3.5阿部サダヲの“遊び”を心まで堪能する作品

2022年3月29日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

あまり穏やかではないタイトルだが、何をかいわんや…。色々な意味を示唆している。
それにしても、今作は阿部サダヲが白石組という盤石の態勢下で、存分に個性を発揮し、演じる喜びを体全体から解き放っている。
対峙する岡田健史も素晴らしいが、それ以上に目を引いたのは宮崎優。
今後要注目と言い切れるほどのパフォーマンスを披露し、良いシーンが随所にある。

コメントする (0件)
共感した! 39件)
大塚史貴

3.5見応えのある作品だけど、胸糞悪い話だ

2025年4月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

マインドコントロールに長けたシリアルキラー
といってしまえば、カッコいいけど
精神はただの弱いものいじめと、命の尊さをわからない人にあらざる物です
能力があっても、獣なんですよ
社会に害する物は排除対象
賞賛すべきでは無い
そこはしっかりと心に留めておかないといけない

マインドコントロール時の光の無い眼はさすが阿部サダヲだ
恐ろしい
ただ、拷問のシーンでは狂気のオーラが無い
この男は不能なのかな?
性的欲求より、拷問の方が快感に感じる人間はいるだろう
たが、残虐な行為には、性的欲求が付随する
場合によっては、残虐行為が性的興奮を増長させる
しかし
彼にはそれがない
この事が犯罪者をヒーロー扱いさせてしまうことになる
実際、彼のことを悪い人と思わないと言わせていましたね
あれを言わせた以上、作品の中で彼を人非人であることを証明しないといけない

この作品において、彼をヒーローたらしめないためにも、性的暴行を描くべきだったと思う
いかに、醜悪であるかをみせて、彼をおとしめてこそ社会的意義があると思う

マインドコントロールの能力や頭脳ゲームに終始する限り、悪もまたヒーローに祭り上げられる
”羊たちの沈黙”シリーズもそうですよね

映画は原作以上に、犯人のの心理を補足して分かりやすくしているようです
それは評価できる
ただ、結末にオリジナルの追加シーンを入れたのは賛否両論あるかな
まあ、ホラー映画の最後のどんでん返しのような軽い気持ちでやったんなら、監督権限でいいでしょう
そうでなければ、原作とは変わってしまう

気になったのは、最後の面会で、今日は時間をいくら使ってもいいと言われた事
もしかして、翌日に死刑がおこなわれるのかな?って思いました
たしか、本人には当日までわからないはずだけど
職員にもマインドコントロールをしているようなので、教えてもらったのかな

宮﨑優という女優は初めて見ました
古い言い方ですが、エッチな感じがとてもいい

コメントする (0件)
共感した! 0件)
nakaji

4.0それでも僕はやってない(23人殺ってる)

2025年3月8日
iPhoneアプリから投稿

僕はこだわりの殺人鬼!

被害者と信頼関係を築いてから、
懇切丁寧に殺すのだ!
「なぜ?どうして!?」と、困惑する姿がたまらんのじゃー!

調子乗ってたら警察に捕まったわ
やっちまったわー
警察に罪を立件されたけれども待ってれ!
違うって!他の殺人は確かに僕だけど、
その殺人は僕じゃないってば!!
その1件だけは違うんだってば!!!
そんな雑な殺人を僕がするわけないじゃないですかー!ヤダー!!

近所の顔見知りの大学生君に頼んで真犯人を探してもらおう!!
頼むぞ学生君!
僕の無実(別に無実ではない)を証明してくれーー!!
------------------------

あらすじからして面白い

内容も面白かった

バイオレンス映画好きな人に勧められたから、
おそらくバイオレンスなだけのクソ映画なんだろうなぁと、思ってたけど内容面白かった。

冤罪を扱った作品は数あれど殺人鬼が
「その殺人は俺じゃないよっ」てのは、なかなか見ないシチュエーションかも。

前半数分のエグい表現を我慢すれば、普通のミステリーだったわ。

単純に真犯人気になるものね。

阿部サダヲってやっぱ演技上手いな、狂人が普通の人として暮らしてる演技上手いな。
深い闇を感じる目の演技マジよかった!

演者の演技みんな良かった

日本映画のわりにテンポいい作品なので非常に見やすくて好感が持てました。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
魔星

3.5何かが足りない印象です

2025年1月7日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
和哉

4.5暗闇を彷徨うような想像できない展開

2024年12月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

知的

難しい

連続殺人犯のサイコパスを阿部サダヲに抜擢した人は誰?素晴らしい仕事ぶりと拍手をしたい。とにかくこの男に主人公を含め多くの登場人物、ならびに観客までも振り回されることになる。

序盤からエグい拷問シーンから始まり、なぜ主人公が殺人犯の頼みを聞いてるのか?という疑問だらけから話はスタート。物語が進んだと思いきや、今度は家族を巻き込んだ展開に…
何が正しくて間違っているのか、謎が謎を呼び、とにかく物語がどのように着陸するのか全くわからなくなる。
まるで暗闇を彷徨うかの如く、主人公の鬱屈した感情を晴らすシーンも重なり、気持ちが重くなりながらも目が離せなくなる。

阿部サダヲの面会シーンなんかは、相手の心に入り込む様をとてもうまく表現していた。加えてラストでは頭を抱えてしまった…

とんでもない邦画サスペンスだなと感じました。高評価。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
こたー

0.5微妙

2024年11月26日
iPhoneアプリから投稿

爪が甘くて怖くなかった

コメントする (0件)
共感した! 0件)
こうえん

4.5とても好きな作品

2024年11月23日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

興奮

冒頭からラスト前まではイマイチ理解できずに、話がどんどん進んでいく印象。
でもなぜか、飽きずに見れるのが不思議。

どんどん、阿部サダヲ演じるキャラクターに引き込まれていき、ラストでどんでん返しも最高。
タイトルの意味もスッキリする。

ジメジメとした雰囲気も良く、かといって陰湿過ぎず、俳優さん達の演技も素晴らしかったと思う。
できることなら記憶を消してもう一度見たい。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
mi

2.0気持ち悪い

2024年11月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

この作品を観て、30年前位に起きた宮崎勤事件を思い出した

何か観てて気持ち悪かった

それだけ、阿部サダヲさんの演技が上手いのでしょうけど

シアターで観なくて良かったです

コメントする (0件)
共感した! 2件)
premacy2010

4.0怪演

2024年10月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

知的

君みたいに普通の人間達は、どこかで特別な人間になりたいと思ってる

・阿部サダヲさんの怪演が光ってるなあという第一印象。でも謎に迫る雅也役の水上さんも、一定のトーンで役を演じている印象があり凄い

・原作を読んでないけど、タイトルの通り病が伝染していく表現が全体を通して感じられ、オチもしっくりきた。ただ、他の批評にもある通りこの先(映画終了後)、どうなっちゃうんだろうと鑑賞者側に考えさせる余地も与えている気がして、そこんところ考えて作られてるなあと思った。

・猟奇的な場面が最初から映されてちょっとウッとなったけど、だんだん慣れた。リアルでこういう人が世の中にいると思うとうかつに人を見た目で判断したらいけないよなあと思えてしまった。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
きかい

2.0怖かった、鳥肌が

2024年10月19日
iPhoneアプリから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
MTK

4.0久々に面白いと思えた邦画〜こっち側に来たらもう戻れないよ…

2024年9月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

怖い

2022年公開、配給はKlock Worx(クロックワークス)。櫛木理宇による同名の長編サスペンス小説を原作としている。

監督:白石和彌
脚本:高田亮

監督の白石和彌は『日本で一番悪い奴ら』、『孤狼の血』などハードタッチなクライムサスペンスを得意としている。

【榛村大和】:阿部サダヲ
【筧井雅也】:岡田健史
【金山一輝】:岩田剛典
【加納灯里】:宮﨑優
【筧井衿子】:中山美穂

1.犯行シーンの残虐さ
R12となっていたので油断した。
R18で良いと思う。

2.岡田健史がイケメンすぎる件
原作によると筧井雅也は、陰キャである。
イケメンすぎると陰キャが負けてしまう。

3.面白い展開&緊迫感のある映像と音

4.その他
書こうかどうか迷いましたが、
雅也の母親の衿子役は、別の女優さんが良かったかも。

久々に面白いと思えた邦画でした。
ゆえに、☆4.0

コメントする 1件)
共感した! 17件)
Haihai

4.0阿部サダ

2024年9月28日
スマートフォンから投稿

怖い

興奮

難しい

めっちゃハマり役

コメントする (0件)
共感した! 2件)
four7777

3.5久々エグい

2024年9月28日
スマートフォンから投稿

怖い

興奮

知的

阿部サダヲはやっぱり凄いなと思った。
ゾクゾクさせて頂きましたw
内容的にもここまでのエグさがあると思ってなかったので感心した。
あの同級生の女の子も何だこの子と思って怖さがあったけど、最後謎が解けた。
恐ろしいですね‥
実際にも平気で痛めつけれたり、好きだから壊したいという思考の人はいるからね。ほんと病。過去の残忍な事件とかでも、いつからこういう思考になり始めたのか、本当に周りの環境等が関係するものなのかって考えた事もある。
だけど本当の事件なら病では済まされない。
そんなことを色々思ったりする映画でした。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
あじま

2.0殺害方法が残忍過ぎて

2024年9月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 3件)
あさみ

3.5惹き込まれるが

2024年9月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

興奮

ストーリーの求心力が強く、130分と少し長めではありながらほぼ最後まで飽きることなく観ることが出来た。原作とは多々異なる点はあるが、サスペンスとしてみるなら映画のほうが好みかもしれない。ただ、とあるキャラクターのいかにも一癖ありますよ感があまり物語の空気とあっておらず、早々にミスリードと感じてしまった。また犯人の弁護士が大和の狂気性を説くシーンがあったが、それもミスリード感を強く感じた。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
colossusコロッサス
PR U-NEXTで本編を観る