余命10年のレビュー・感想・評価
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ファンタジーアニメ感強めの2時間実写版MV?
小説未読。(原作との違和感を感じず見たかったから)
藤井監督作品と知り、尚且つどんな恋愛映画を撮るのだろうと期待半分怖さ半分で見に行きました。
結果、んー。家族と居酒屋の店主に少し共感し泣きました。(泣ける映画が良作とは限らない)
が、しかし評価低め冷静に振り返ります。
まず、若者2人小松菜奈さん、坂口健太郎さんの人物描写が丁寧ではなく最後まで感情移入出来ず、特に主人公の行動の理解に苦しみました。(原作者の意図を尊重しているのなら話は別です)ある程度セーブしてるように見える。
その為、全体的に印象がかなり薄く分かりやすさ重視の台詞回し(ドラマ中心の脚本の方だからなのか?)が気になる。何か一つでも心に刺さる言葉欲しかったな。。何故あそこまでして頑なに自分の病気のことを周りに言わないのか、一緒にいたら周りは大体わかるだろうに、逆に気を遣わせていること、少しイライラもしました。(人物描写が薄いからそう感じてしまう)
唯一救いだったのは、藤井道人監督とカメラマンさんの絵作りと心情を汲んだ色合いの丁寧さ。圧倒的美しさ。
監督の作品は新聞記者に始まり、以降、ヤクザと、、Netflix版、他ドラマ含め見逃さず追っていますが、今回は映画的にあまり刺さりませんでした。予告が最高潮。5分くらいのMVを映画版に無理やり引き伸ばしたとでも言いますか。脚本の構成が単調で、予定調和ばかり。映像に脚本が追いついてない。というかマッチしていない。
余命を遡るとか、何か時間を組み替えるとかひと工夫あれば意外性があって良かったかなと個人的に思いました。
エンディングのRADWIMPSで良くも悪くも一気に映画の余韻を掻き消されます。この映画で歌を最大に押し出したかったのでしょう。原作者への敬意はあまり感じられませんでした。
方向性が行方不明になってしまう、ので着地出来ずすっきりしない終わりで、もやもや。
この作品は誰の視点で誰に感情移入するかで泣くか泣かないかはかなり分かれると思います。
私は姉の黒木華さんと居酒屋店主リリーフランキーさん、佇まい、味わい深さハマり役で◎海街ダイアリーのリリーさんを思い出しました。すごく良かった。
何度も見たくなる映画が好きな人には全くお勧めできません。ティーンの方々向け内容。
藤井監督の挑戦的シリアス映画に期待。
現時点ではこんな感想でした。見直して追記できたらなと思います。
温かい気持ちでエンドロールまで
『よい映画』の定義とは。
待ちに待った、藤井道人監督×小松菜奈様の作品でございます。
四季の映像と音楽が美しすぎて、泣きました。
『美しすぎて泣くってどういう感情?』と、客観的に思いながらも泣きました。
とにかく、ディテールが細かく丁寧に作られた作品。
作り手の心が伝わってきます。
こんなにパーフェクトな作品って、他にあるのだろうか。
『よい映画』の定義とは、エンドロールになっても観客が席を立たないことだと思っていて、まさしくこの映画がそうでした。
エンドロールでも、誰も席を立たなかった。
爽やかでみずみずしく、それでいて心がジンワリとする、あたたかい作品です🌸
捧げる作品
原作の印象として家族は一貫して温かい存在として描かれているんですね。
そして、原作の中に、
ごめんなさい。
誰より遅く生まれたのに、誰より早く死んでしまって。
って有るの。
茉莉の家族構成からすると少し違和感が有ったんだけど、原作者の小坂さんは四姉妹の末っ子みたいなんです。
ここを含めて原作の茉莉の家族に対する思いは、原作者自身の家族に対する思いなんでしょうね。
それでね、この映画の舞台挨拶で小坂さんの家族の手紙が読まれたのを動画で見たんです。
「家族の中で最後に生まれた私が、最初に死ぬなんて何故。と、言われて返す言葉も見付からないまま旅立たせてしまった、娘の最期の姿が目に焼き付いておりますが、この映画のおかげで笑顔の姿に変わりました」
と、メッセージが伝えられたの。
映画は原作以上に茉莉に小坂さんを重ねて描かれていると思うんです。
この映画が、小坂さんの愛する家族の力に少しでもなったのなら、それ以上の事は無いんじゃないかな。
だってこの映画は、小坂さんに捧ぐ映画なのだから。
感動シーン耐えられない
やっぱり小松菜奈さんの目力演技凄い❣️
「恋は雨上がりのように」からの小松菜奈さんのファン。それで監督が今イケイケの藤井道人氏とくれば、観るしかない。難病で余命10年の茉莉(小松菜奈)と生きる意味を失っていた同級生の和人(坂口健太郎)が出会い、恋に落ちて短いのか長いのか分からない10年を駆け足で生きる物語。相変わらず、小松菜奈さんの目力が凄い。涙を流す演技は俳優最高峰だと思う。
今回の作品は、10年という時の流れを2時間で表現するお手本のような仕上がりです。オリンピックが東京に決定。スカイツリーの完成。元号が変わるニュース。桜に象徴される季節の移り変わりなどが、10年というタイムリミットが近づいていることを意識させてくれます。茉莉は最初は出会わなければ良かったと思っていたが、この2人は出会ったからこそ濃密な10年を過ごせたのだと思う。映像が綺麗で撮り方が実に細かいのは、さすが藤井監督。是非脚本もやって欲しかったな。脇役の松重豊もいい父親を演じてたし、なんといってもリリー・フランキーがいい味出してました。なにやらせても馴染むんだよなあ〜この人。最後に、よく新型コロナの手前で止めてくれました。映画の中では皆んな観たくないと思う。無理くり入れた過去作でドン引きした者より。
ジャスミンの花のように可憐に咲いたのであった
小松菜奈は去年(2021年)公開の映画「ムーンライト・シャドウ」ではほどよく筋肉の付いた健康的でバランスのとれた素晴らしいプロポーションを披露していたが、本作品ではとても痩せて弱々しく見えた。減量したそうである。女優魂というよりも、役に入れ込んだからこその減量だろう。高林茉莉はそれほどの大役だった訳だ。
茉莉と書いて「まつり」と読む名前である。茉莉はジャスミンのことで、茉莉花とも書く。茉莉花茶(ジャスミン茶)として中華料理店で提供されるほど、香りの強い花であるが、見た目は清楚で可愛らしい。薔薇の字を名前にするのは重すぎて憚られるが、茉莉や茉莉花は名前にちょうどいい感じで、付けられた子供も苦にならない。いい名前だと思う。
映画「8年越しの花嫁」を思い出す。脚本も同じ岡田惠和さんだ。あちらは瀬々敬久監督でこちらは藤井道人監督。年月もよく似ているが、あちらはどん底からのスタートで、こちらは幸せな恋からのスタートである。どうなることかと観ていたが、流石に「新聞記者」の監督だ。物語の緩急とメリハリが実に上手い。そしてそれに応えた小松菜奈の演技が素晴らしい。
相手役の坂口健太郎も一生懸命な演技で好感が持てた。加えて脇役陣の名演が人生の機微を上手に伝えている。リリー・フランキーの思いやりのある短い台詞がなんとも味があった。人の優しさとはこうでなければいけない。松重豊のお父さんも同様に短い台詞やちょっとした仕種に娘への気持ちが溢れていた。この二人はもはや名人である。そこに奈緒と黒木華が絡めば鬼に金棒だ。いい作品にならないわけがない。
人間は他人の死を死ぬことができない。死は常に孤独に迎えるものである。そして親しい人間の死は、常に悲しい。中島みゆきの「雪」の歌詞に次の一節がある。
手をさしのべればいつも
そこにいてくれた人が
手をさしのべても消える
まるで淡すぎる雪のようです
小松菜奈が演じた高林茉莉は、淡い雪のようでもあり、舞い散る桜の花びらのようでもある。そして付けられた名前にたがわず、ジャスミンの花のように可憐に咲いたのであった。
涙が止まらない〜
悔いなき人生
余命10年という言葉を聞くと僕は「短い」と今まで感じていた。
というか余命という言葉を聞くと反射的に短いと思っていたかもしれない。
だがこの映画を観ると10年という数字が残酷に思えてしまう。
短くもなく長くもなく実に中途半端だ。
さらにこの数字は10年確実に生きれますという保証ではない、もしかしたら明日死ぬかもしれないし1年後死ぬかもしれないただ10年以上は確実に生きれませんよ。こんな事を言われて怖くないわけはない。
怖くないわけないよなぁと思いながらあるシーンを見ていて思い涙した。
藤井監督と脚本の岡田さんはゆっくりと時間をかけて茉莉と和人の出会いを描く。
それぞれが背負ってた苦しさ、お互いに心惹かれる瞬間、距離感の変化これらが実に緻密に丁寧に的確に描かれていく。
俳優さんの演技も皆さん素晴らしかった。
沙苗とタケルの結末は「現実だとそんなもんだよなぁ」と妙なリアリティを出していたり。
某チ○ちゃんよりよっぽど「ボーっと生きてたらダメだな」と思えた。
ただ、見守る。。だけ。
違う俳優さんでつくってほしかったかな…
安っぽくない・・☆
予告編で、タイトルを見ただけで、良くあるお涙映画か・・とスルーしていた作品だったが、
「情熱大陸」の藤井道人の特集で彼がメガホンをとり、脚本に岡田恵和の名前が
あがっていたので、鑑賞することに。
やはり、今のっている監督の作品だけあって、とても良かった。
小松菜奈が理不尽な病気に向き合う姿も坂口健太郎の不器用さも良いが、
脇を固める俳優がそれぞれに素晴らしい雰囲気を出す。
特に男性陣、父親役の松重豊、焼き鳥屋店主のそのままのようなリリー・フランキー、
主治医役の田中哲司。
病気の家族を抱える父、母、姉の葛藤が胸に迫ってくる。
小松菜奈が、処方される大量の薬を飲む順番にケースに収めていくシーンが
何ともいえなく悲しい。
泣けと言わんばかりになりそうな物語を、へんな美談にもせずに淡々と
描きながら、美しい映像で紡いでいくところが素晴らしかった。
この手の映画で、見て良かったと思える数少ない作品。
初めて泣きました。
20代という人生の輝くべきときを死と隣り合わせで過ごした原作者の想いを、感性豊かにくみ取り、繊細に表現した作品
まず、何度も繰り返される満開の桜のシーンが、
藤井道人監督の原作者を優しく見守る眼差しのように感じられ、印象的だった。
圧倒的な美しさで咲きほこる桜の力強さと、
はらはらと風に散るはかなさが、茉莉に重なる。
そして、茉莉の時間が止まっても、
桜は春がくると同じように満開に咲き、時を刻み続ける…
主演の小松菜奈と坂口健太郎もよかった。
最初、二十代の女の子がこんなにも達観したように
過酷な運命を受け入れられるものかと思ったが、
終盤、こらえきれず「死にたくない」と母親に泣きじゃくって押し殺してきた感情をぶつけるシーンには、泣いた。
小松菜奈の繊細な演技は素晴らしかった。
坂口健太郎も10年という時間とともに人間として成長してゆく和人をうまく表現していた。
RADWIMPSの野田洋次郎も、彼の鋭い感受性で、見事にこのストーリーを1つの曲として表現していた。
エンディングが沁みたー
余命を知らずに生きることを許された者たちは、だからこそ、1日1日を大切に生きる責任があるのかもしれない。
美しい映画だった。
二人の人生の差異が化学反応を生む名作!
この二人のポジションが全く違います。ヒロインは生きたくても10年しか生きられません。坂口は人生に生きることを放棄したいと自殺未遂をします。逆の境涯がぶつかり合って、人間らしい化学変化を起こしていきます。まさに成長物語の典型です。ヒロインは20歳で100万人に一人しかかからない難病に見舞われます。過去映画の「10万の一」に似たシェチューションです。そして余命10年ですから、その悲壮感はズシリと迫ってきました。それでも、私たちの人生を考えれば、健康であっても若い人は余命60年と言えるし、高齢者だったら余命20年かもしれません。ですので、作品を見る方は、自分に置き換えられる部分もあると感じました。ただ、10年は人生を凝縮しているという意味では、より濃密で美しいのかもしれません。いつも思うのは早死にする人は、80年生きる人よりメンタルが強く生まれているということです。でなければ、早死の人生に耐えられるわけがありません。スタートは鮮やかな桜が見える病室から始まり、ラストも桜のシーンでエンドします。まさに桜の艶やかさを、人生とクロスさせているような気がしました。登場する役者さんたち、全員が見事に顔だけで演技しているのが、この映画の見どころでしょう。一番泣けたのは、ヒロインが「生きたい。もっと生きたい」と叫ぶシーンです。小松の真骨頂でした。
全332件中、241~260件目を表示