劇場公開日 2022年3月4日

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「最後まで生きてね…あらゆる才能が揃った本作をなによりも確かに生きている小松菜奈」余命10年 とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5最後まで生きてね…あらゆる才能が揃った本作をなによりも確かに生きている小松菜奈

2022年11月6日
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恋愛モノの名手・岡田惠和 ×『デイアンドナイト』『新聞記者』『ヤクザと家族』と"社会/世の中の生きづらさ"について描いてきた藤井道人監督が、今村圭佑の美しい撮影を相変わらず味方につけて四季と共に紡ぐ…。
命に向き合う小松菜奈の熱演が引っ張る、揺さぶられる。大好きな山田裕貴の友人役タケルに、茉莉の友人役の一人で小さめな役柄だけどまさかの三浦透子!(個人的に好きかは置いといて)RADWIMPSによる音楽や、豪華キャストといった"勝利の方程式"。あと脇キャラ井口キャスティングなんかも目配せか。にしても松重豊さんの父親役は最高すぎるし、原日出子さんのリアル母親感もよかったな。
なんか俺、怒らせるようなことした?"死にたい"って。これってあと何年、いつまで続くんだろう…って。生きたいのに生きられない人たちがいるのにそんな無神経なこと言って、ごめんなさい。ありがちかもしれないけど今を一生懸命に生きよう!日本メジャーの"泣ける"作品を"いい映画"お涙頂戴崇拝な、命を軽んじるような金勘定には怒りと吐き気を催す人間だけど、これは実話ベースな部分を感じたり、本作映画化にあたっても作り手の真摯なスタンスが垣間見れるようで好感を持てた。
最初の方、具体的には2016年とタイトル出る直前、四季折々モンタージュまでの坂口健太郎のヅラ感。日頃見慣れないけどあの感じも新鮮で無論イケメン。それと、玄さんの居酒屋"焼き鳥げん"の店内の色が、従来の藤井監督作品におけるそれ(具体的にはやたらと緑っぽい)で気持ち悪い。あんなところじゃ飯マズくなりそうだぞ。

とぽとぽ