「命のバトン、ビデオカメラとサクラ」余命10年 あささんの映画レビュー(感想・評価)
命のバトン、ビデオカメラとサクラ
こういう作品見るといつもこの言葉が頭をよぎる「生きてるだけで、丸儲け」
コロナ禍では自殺する若者や女性が増えていると聞く。かつての和くんのように自殺願望のある若者もいると。
数万人に1人という不治の病に冒され余命10年を宣告された女性の物語と聞くと、いかにも悲しくて、辛くて重いストーリーだと想像するだろう。もちろん、切なくて悲しくて、感涙必至どころか嗚咽を伴うほど泣ける作品ではある。ただし、その儚さの中にも圧倒的な美しさと優しさに包まれた作品である。
死を意識しながらも前向きに、絶望の中にも希望を見出し生きようとする主人公の姿と彼女を愛し支える周囲の人々に心打たれる。
両親、姉、恋人、友人、上司、担当医
それぞれがそれぞれの立場に思いを重ねて“自分ならどうするか、どんな言葉をかけるか”と考えてしまう。
親友役奈緒の表情や、主治医役の田中哲司、母役の原日出子、父役の松重豊の演技が秀逸すぎて、何度この演技に涙腺を刺激させられたことか。とりわけ姉役 黒木華の名演には圧倒される。ドライブ・マイ・カーの三浦透子や山中崇史、MEGUMIなども出演してるけどちょっとしか出演していない…なんて贅沢なのかしら。
キッチンでの小松菜奈と原日出子のシーンには、声出して泣いたほど。。
そして圧倒的な映像美
カメラアングルの絶妙なバランス
臨場感ある桜吹雪、夏の海と空、静かな雪景色…
私たちが“生きる”日々、四季折々の美しさを映し出し魅せてくれている。
大好きな藤井道人監督、大好きなRADWIMPSの歌、あぁ見てよかった。
私も藤井監督とRADWIMPSのファンなのです。小松菜奈も好きなので、なんて組み合わせの映画なのかと。本当に良い映画でした。久しぶりに友人に勧めたくなります。