劇場公開日 2022年3月4日

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「ファンタジーアニメ感強めの2時間実写版MV?」余命10年 アオイアオさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0ファンタジーアニメ感強めの2時間実写版MV?

2022年3月9日
iPhoneアプリから投稿

小説未読。(原作との違和感を感じず見たかったから)

藤井監督作品と知り、尚且つどんな恋愛映画を撮るのだろうと期待半分怖さ半分で見に行きました。

結果、んー。家族と居酒屋の店主に少し共感し泣きました。(泣ける映画が良作とは限らない)

が、しかし評価低め冷静に振り返ります。

まず、若者2人小松菜奈さん、坂口健太郎さんの人物描写が丁寧ではなく最後まで感情移入出来ず、特に主人公の行動の理解に苦しみました。(原作者の意図を尊重しているのなら話は別です)ある程度セーブしてるように見える。
その為、全体的に印象がかなり薄く分かりやすさ重視の台詞回し(ドラマ中心の脚本の方だからなのか?)が気になる。何か一つでも心に刺さる言葉欲しかったな。。何故あそこまでして頑なに自分の病気のことを周りに言わないのか、一緒にいたら周りは大体わかるだろうに、逆に気を遣わせていること、少しイライラもしました。(人物描写が薄いからそう感じてしまう)

唯一救いだったのは、藤井道人監督とカメラマンさんの絵作りと心情を汲んだ色合いの丁寧さ。圧倒的美しさ。
監督の作品は新聞記者に始まり、以降、ヤクザと、、Netflix版、他ドラマ含め見逃さず追っていますが、今回は映画的にあまり刺さりませんでした。予告が最高潮。5分くらいのMVを映画版に無理やり引き伸ばしたとでも言いますか。脚本の構成が単調で、予定調和ばかり。映像に脚本が追いついてない。というかマッチしていない。

余命を遡るとか、何か時間を組み替えるとかひと工夫あれば意外性があって良かったかなと個人的に思いました。

エンディングのRADWIMPSで良くも悪くも一気に映画の余韻を掻き消されます。この映画で歌を最大に押し出したかったのでしょう。原作者への敬意はあまり感じられませんでした。

方向性が行方不明になってしまう、ので着地出来ずすっきりしない終わりで、もやもや。

この作品は誰の視点で誰に感情移入するかで泣くか泣かないかはかなり分かれると思います。

私は姉の黒木華さんと居酒屋店主リリーフランキーさん、佇まい、味わい深さハマり役で◎海街ダイアリーのリリーさんを思い出しました。すごく良かった。

何度も見たくなる映画が好きな人には全くお勧めできません。ティーンの方々向け内容。

藤井監督の挑戦的シリアス映画に期待。

現時点ではこんな感想でした。見直して追記できたらなと思います。

アオイアオ