劇場公開日 2021年10月16日

  • 予告編を見る

「趣味の悪い遊びでしたね」プリテンダーズ 東鳩さんの映画レビュー(感想・評価)

1.5趣味の悪い遊びでしたね

2021年10月19日
PCから投稿

前ならえを拒否してるファーストシーンからイヤな予感してたんですが、的中でしたね
主人公が幼稚すぎて、ちょっと観てられませんでした

他人と同じことを強制されたくない、私は私、だから社会に反抗する、世界を変えてやる、というのはテーマとして別に珍しくもないので分かるんですけど、主人公を女子高生にしたのがいただけません
これではただの反抗期です
反抗期なんて誰にでもあるから珍しくもないし、大抵の人にとっては黒歴史そのものです
そんな恥ずかしいもの、恥ずかしい行為を延々とみせられるこちらはしんどい、しんどすぎます

90分ぐらいになったら親友のお説教で改心しますが、他人のお説教で改心するならその前に父親や教師の説教でも改心すればいいじゃないですか?
なぜ父親や教師の説教ではダメで、親友の説教なら改心するんですか?
このシーンをご都合という言葉以外で説明できるなら説明してほしいです
他人の説教で改心するっていうのが実に古臭いドラマ的な手法ですよね
ドキュメンタリータッチでリアルに拘ってるんでしょうけど、根本的な脚本が嘘臭いので白けました
リアルで他人に説教されて改心する人を見たことがないですよ
みんな上下関係や世間体を気にして表面上は改心したふりをするだけです
根本的には変わりません
にも関わらず、親友の説教で改心する主人公
ダサいなぁと思いました
せめて村上虹郎の逆ドッキリで酷い目にあったから、された側の気持ちを知ったから改心するとか
その方がまだ理解出来ます
実際は順番が逆、改心後に逆ドッキリだし、まぁ村上虹郎の逆ドッキリ自体、だいぶ蛇足ですけどね
蛇足の理由は、エンドロール後に同じような逆ドッキリが明かされるからです
ポジティブとネガティブの違いはありますが、逆ドッキリ自体はほぼ同じ種類の展開だし、同じ事をするぶん尺も無駄だし、同じ展開がさっきあったから、また逆ドッキリがあることが推測できて驚きが減ってます

同じ逆ドッキリがあることが象徴的ですが、構成もすごく下手です
ドッキリにかけた人たちへの謝罪やそれ以外でも、似たようなシーンが何度も繰り返されるし、同じシーン内でも会話がダラダラ続いて見ていてしんどいです
もっと脂肪を削ぎ落とした会話と編集にしてください
無駄が多すぎます
オシャレなカットも過剰でうっとうしいです
例えば洗車シーンの会話
導入で洗車器の泡をオシャレに撮る必要がないです
ドッキリの協力者と考えの相違が明らかになる、が必要な情報なら泡遊びはカットしてください
泡遊びをオシャレに描きたいなら、会話をカットして音楽でも流していてください

そもそもなんですが、
主人公設定とストーリーラインが大間違いなんですよね
応援できる主人公に次々と苦難を与えて、最後にはハッピーエンドなら分かるんですが
この映画は応援できない性格ブスな主人公が親友の説教で改心してハッピーエンドなんで、見ていてまったく共感できない応援できない状態で2時間が過ぎていくんですよ
それとほぼテーマに近い、「他人と同じことを強制されたくない、私は私」という主人公の訴え
その割には独り善がり反抗期JKがYouTubeで世界を変えようとして渋谷のスクランブル交差点で改心するという設定やロケーションがすごく在り来たりだなと
あとゾンビ
インディーズ映画って渋谷でロケしなきゃいけない決まりがあるんですか?
ゾンビ出さなきゃ逮捕されるんですか?
JKがYouTubeやるって、そんな子が多すぎてすごく没個性だと思いますけど
まるでテーマと真逆です
誰に強要されているわけでもないのに、その辺の映画に勝手に前ならえして、同じような在り来たり設定とロケーションにしているセンスがやばいです

東鳩