最後の決闘裁判のレビュー・感想・評価
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やっぱりハズレ無し。さすがリドリースコット
三者三様の考え方・感じ方。
フェミが観たら白目で卒倒しそうです!
宣伝が足りなくてもったいない!!
真実は人の数だけある。
いや、これは素晴らしい作品
いや、素晴らしい、これは良い映画だ
14世紀の君主制時代、男性貴族が全てを牛耳る百年戦争只中の中世フランス、特権階級以外の人権なんてあってないようなもんだし、ましてや女性の尊厳なんて
そんな中で声をあげた聡明な女性の実話
こういう一つ一つが積み重なってやがて革命が起こり、そして民主主義が形作られていったんだろう、先人の文字通り血と涙の上に、今の自由は成り立っているのだ
何も事前知識なく観たのがまた良かった
一方側の価値観でどーんと押し切るってのが大方のハリウッド作品だけど本作は、ある事象がそれぞれの目にどれだけ違って映るかを丁寧に絶妙に掘り下げてくる
あと、洋画の邦題って、なんだかおかしなことになることが多いけど、"The Last Duel" っていう原題に裁判って言葉を添えたのは実に上手いと思う
フランスの話で英語ってのがちょっとひっかかったけども、俳優の皆さんの技量みてるとこりゃ替えが効かない
最後の最後まで
神様に性行為の真偽を決めさすな
700年前のフランスが舞台
中世真っ只中で、女は夫の付属品という価値しかなく、男にヤられて当然という時代に、性行為に合意が無かったと初めて声を上げたお話
黒澤明の羅生門のオマージュだそうで、羅生門は知らないんだけどとても見応えがあった。
旦那と、奥様と、間男の3視点から描かれていて、同じシーンでも3人それぞれ全く違うものを見て感じてるから面白い。
700年経った今でも性犯罪に関しては判断が難しく、有罪率99.9%の刑事事件でも、これ関しては60%にまで落ちる
密室で証人がいないし当人の証言に頼るしか無いから。
それが700年前ですよ?証言どころか、合意の真偽を神様に問うってもうとち狂ってる。
決闘して負けたら姦淫罪で奥様は死刑です。
勝ち負けも神次第というところで
この事件はいまだに未解決で、だから結末も私たちの想像次第であり、こうあって欲しいという願望の下の結末だから、未解決ということを分かった上で見たほうがいいかもね
それにしても女の扱いが残酷すぎるぜ中世
人権<王権<<<神権 の時代の話が今に通じる不穏さ。
年代、男女で解釈が違うのだとしたらその差を認めざるを得ないのだろうが。
姦淫では懐妊しない、喜びの頂点を感じないと懐妊しない、など、男の勝手な論理があたかも「科学的に証明されている」と裁判所で飛び交う吐き気のする中世社会なのだが。なぜだろう、現在社会に生きる私にも既視感が。
「我慢して過ごした年代の女性」である私はマルグリットのことをひたすら「強い女性だな。結婚相手も自由に選べない時代ではあったけど、本当に夫のことを信じて愛しているんだな(、、、残念ながら後に失望するけど)」と感じた。
一方、ル・グリは自らが発した一言が自身の運命を決定づけたことを最期まで理解し得なかったのではないだろうか。
辛いシーンもあったけど、第3章の大作を飽きることなく見れたのは、もちろん壮大な映像、美術、音響、そして憑依したかのような役者たちの力量だ。映画館で観るべき作品。
ストーリー性、テーマ性、社会性、映像美、音楽どれも最高。
ストーリーは1300年から語り継がれてきているだけあって重厚です。
でもそれは、根幹であって、今回の作品においては脚本がスゴイ良いですね。
大きな一つの流れを3つの視点から描いていて、観客は同じ場面を観ることになるのだけれど、視点の違い、解釈の違いにより若干映像に違いが出てきたり、新しいシーンが追加されたりすることで、どんな新事実が登場するんだろうかと息をのむ展開が続く。
同じ話を3度続けるという下手をすると飽きられる(涼宮ハルヒのエンドレスエイトのよう)がそこをシーンの追加によって話が変わってきたり、視方が180度変えてしまう。
それにより、目を離すことができない緊張感が生まれています。
テーマ性、社会性は観る人によって感じ方が違うかもしれませんが、『女性の強さ』みたいなものに感じられました。
リドスコの映像美。最後の決闘のシーンもさることながらキューブリックのバリーリンドンを彷彿とさせるカットの見せ方もカッコいい。そこにメタルギアでお馴染みハリー・グレッグソンの音楽が良すぎて花を添える。いや、添えるってレベルではない。同じシーンでも音楽が違えば緊張感が変わるし、最初は流していたシーンでも音が変わるだけで、ん? ってなる。
観客を引き込むように配慮されていて素晴らしいです。
三つの視点ではあるものの、三人ともに若干の語りの違いがある。そのにはそれぞれの性格や立場などによっての違いで人間味の深さと物語の深さを何倍にもしてくれる。
視線の意味は観せる順番によっても見方が変わるし、言葉は言う方と受け止める方で、意味が違ってくる。
ジャンとマルグリット、ジャンとジャック、、マルグリットとジャック、この関係性をそれぞれの真実が語られる中で、演技という枠と音楽、そして時代背景なども含めて考えた時に見えてきて、物語全体が見えてくるようになっている。
本当に脚本が凄すぎます。
リドスコこんなに演技を撮る監督だったか…と驚かされました。まだまだ現役。まだまだ色々な作品を世に残して欲しいです。
間違いなくBlu-rayが発売されれば、購入です。
最高でした。
21年10月23日 初
21年10月28日 改訂
振り返ってみると
「エル・シド」を彷彿とさせてくれました。
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