劇場公開日 2021年10月15日

「人権<王権<<<神権 の時代の話が今に通じる不穏さ。」最後の決闘裁判 kumiko21さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0人権<王権<<<神権 の時代の話が今に通じる不穏さ。

2021年10月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

年代、男女で解釈が違うのだとしたらその差を認めざるを得ないのだろうが。
姦淫では懐妊しない、喜びの頂点を感じないと懐妊しない、など、男の勝手な論理があたかも「科学的に証明されている」と裁判所で飛び交う吐き気のする中世社会なのだが。なぜだろう、現在社会に生きる私にも既視感が。
「我慢して過ごした年代の女性」である私はマルグリットのことをひたすら「強い女性だな。結婚相手も自由に選べない時代ではあったけど、本当に夫のことを信じて愛しているんだな(、、、残念ながら後に失望するけど)」と感じた。
一方、ル・グリは自らが発した一言が自身の運命を決定づけたことを最期まで理解し得なかったのではないだろうか。
辛いシーンもあったけど、第3章の大作を飽きることなく見れたのは、もちろん壮大な映像、美術、音響、そして憑依したかのような役者たちの力量だ。映画館で観るべき作品。

Kumiko21