最後の決闘裁判のレビュー・感想・評価
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御年83歳のリドリー・スコットの業。参りました
個人評価:4.7
エンターテイメントと作品性を一つの作品に共存させられる稀有な監督リドリー・スコット。スピルバーグですら、片方ずつしかなし得ない凄技。
本作の作品性の高さと、鬼気迫るアクションの迫力。まさに魂が震えた。
プライド、尊厳、信念、そして生。何を優先させるべきなのか。訴えかけられる。
馬、土地、妻。当時の男どもの所有物としての価値観が、法律も含め痛々しく物語に絡み付く。
また3つの視点による、それぞれの主観の構成。これが素晴らしい。3人がどのシーンを重要視してるのか、また重要と思わなかったのか。3度同じ真実を見せられる事で、より細部が浮き彫りになる。
そして最後の決闘への盛り上がりの積み重ね。見る側も、あたかも関係者かの様に固唾を飲んで決闘を見守る。
御年83歳のリドリー・スコットの業。参りました。
今と何も変わらない
テーマを絞る事は時間制限のある映画と相性がいい
よく出来た作品は観客を飽きさせないし時間が短く感じるものだ
ちょうどテーマを絞ったという点では同じ”CUBE 一度入ったら、最後”という駄作を観たばかりなので監督の上手い演出に心を奪われた
CUBEの監督が誰か知らないが、まさに月とスッポン
リドリー・スコットなんだから当たり前ですけどね
CUBEは人物の背景なんか入れながら、回収もせず中途半端に終わらせといて、テーマを絞っているからいらないとでもいうのかな
背景の無かった人物がいわくありってすぐわかるしね
インディーズ作品を大手がリメイクしてあれでは失態としかいえない
この作品は、決闘というテーマに絞りながら、とても広がりのある物語になっている
中世ヨーロッパの騎士の戦いを観せられるだけで昂る
日本の時代劇とはまた違ってワクワクしますね
切れ味の日本刀とは違う、骨まで砕く剣や斧
隙間無く身体を覆うチェーンメイル
馬とランスを使った決闘は子供の頃の憧れでした
一撃で弱い方が落馬するシーンをマンガでもよく見たけど、実際はグダグダの突きあいになるんですね
リアリティがありました
かと思えば
今も変わらぬ処世術
媚びへつらうのが苦手な人間が出世できないのは社会人なら身をもって知っているはず
まあ、これも才能の一つ
実力です
そして
男性主導社会での女性の憤りと反逆
ラストシーンの高揚と安堵と疎外感
女性が権利を主張する闘いを始めるのはまだまだ先の異世界は観客をゾワゾワさせるのに十分です
レイプ裁判は被害者が貶(おとし)められる典型
弁護する側はどんな小さな事もほじくり返して有利に事を運ぼうとする
デートレイプも含め被害者が訴えやすい制度が必要なのに、未だに進歩が無いのは怒りしか無い
今回だって良く訴えが受け入れられたものだ
家に入れた時点で合意とみなされる場合は今だってよくあるんだから
男の思い込みも相手の気持ちを考えないのは今も変わらない
そして主題である決闘
勝者が正義なんてショッキングなようですが
これは強者が正義って事です
ある意味、競争社会では当たり前
原点なだけじゃないでしょうか
妻を殺害した疑いをかけられた有名スポーツ選手は契約料の高額な弁護士をたくさん雇って無罪になった
金という力がものを言ったんですね
最近では権力という力があれば
法も警察も手出しできない事を証明した人が日本にもいましたね
今も何も変わっていない
実際の殺し合いが残酷に見えるだけ
牛や鶏を殺すのは残酷だけれど、肉にしてしまえばなんともないんですよ
な
俳優も豪華だ
エミリー・ブラントン似のジョディ・カマーは初見ですが、意志の強そうな美人です
華があります
これから注目ですね
言わずもがなのマット・デイモンとベン・アフレックにスターウォーズのアダム・ドライバー
でも対決する二人に身長差がありすぎる
マット・デイモンってこんな小男だったっけ?と調べたら178cmもある
アダム・ドライバーが大きいんだ
189cm
ちなみにハリーポッター君は165cmだから
上半身だけのショットなら画面から消えてしまうだろうね
と、つまらん話題も含め刺激的な映画でした
ネタバレ
ちなみに、子供は白髪とみせかけて下に黒髪がはやしてどんでん返しを狙っていますマダラだからわからないというのは生物学てきにはありえない。黒髪があるんだから・・・
3人の視点を通して
事の真相を観客に考えさせる作りに脱帽です。
これぞ映画です。
中世のヨーロッパで「実際に起きた」とされている出来事ですが、言ってみれば昔話ではあります。
一方で描かれているテーマは非常に今日的であります。
それぞれの立場•視点を通して、一連の出来事を3回反復して観せられるわけですが、当事者それぞれ微妙かつ決定的に見方が違うわけです。
男性社会の構造的問題の煽りをモロに受けることとなる被害者の詰んだ状況、その切実さが、この構成により見事に浮き上がっています。
クライマックスの壮絶な決闘を終えて、一応の決着がつきますが観客としては釈然としないわけです。
そこで馬上で見せる「3人目」の表情が素晴らしい。
けしてハッピーエンドではない。
巨匠と脚本と名優達のアンサンブル、そして中世フランスのどんよりとした空気感や匂いまで伝わってくるかのような美術も素晴らしいです。
ただ宣伝に苦慮したのか、予告やポスター等を見てもあまり映画館に足を運びたくなるような期待感は伝わってこなかった。
今年公開の映画のなかでも上位レベルの作品であるのに。
決闘裁判は本当にあったんだ
良い映画
中世ヨーロッパの時代の、何とも野蛮な支配者たちとその妻の物語。
映画は、同じ時系列のストーリーが、3人の主人公のそれぞれの視点で、三者三様に語られる全3部構成の物語となっています。
それぞれの物語は、"真実"という言葉で言い換えられていますが、それはつまり、3人それぞれの"主観=視点"で描かれたストーリーでもあるわけです。そして、場合によっては、都合の良いストーリーでもあるわけです。
その分かりやすい場面は、マット・デイモン演じる騎士の妻マルグリットがレイプされる場面、またはレイプされた後の顛末を描いた場面でしょうね。
騎士道なんて言うとかっこいいですが、そんな見栄や虚勢に振り回されて人格や尊厳を踏み躙られ、多くの命が無駄となった愚かな時代があった…あるいは、今も同じだと言うことをこの作品は言いたいのかも知れませんね。
タイトルには似合わない話
不要な男らしさと女性らしさ
前評判通りの凄い作品。
史実に基づき描き出された物語の中に愛はなく、あるのは自分のことしか考えず、プライドを最優先し、時代に迎合するものばかり。青みを帯びて終始暗いトーンも相まって、とても冷たくよりどころの無さを感じます。
三者それぞれの視点から同じ出来事を映す三つのパートで構成されていますが、描写には少しずつ違いがあり、それぞれの思い込みや妄想、自己肯定感が反映され、とても繊細に描き分けられているのが素晴らしい。
被害者であるマルグリッドのパートが真実に最も近いものであるはずなのに、結局のところ真実がどうだったかではなく、それぞれの守りたいもの・譲れないものをかけた決闘裁判になっていて、時代の異常さや抗えなさ、女性の立場を見せつけられた印象です。
人間関係や時代背景、心理描写はもちろん、クライマックスの決闘シーンは緊迫感溢れる迫力のアクションでしたし、一つ一つの美術や衣装も素晴らしく、全編通してとにかく見応えのある凄い作品でした。
みんな平等に悪い
「誰が一番悪いのか」と言えばみんな平等に悪いです。全員完全な悪ではないんです。善も悪も持ち合わせているけど、つい自分に都合よく考えてしまう。ごく普通の人々ばかりです。そこに他人の悪意や煽りも加わり、こじれまくった末の決闘裁判だったんだなと思いました。自分は現実の世界を生きているけど、物事は常に俯瞰して見るようにしようと思いました。
とは言え嫌悪感という点ではル・グリがピカイチです。日本にもこういう犯罪者がいましたよ。そいつは乱暴の後で被害者に「連絡して」と名刺を渡して逮捕されました。相手も喜んでいるはずと思っていたわけですよね。ル・グリの場合はさらに酷くて、「人妻との恋に懊悩する自分」に陶酔しているようにも感じました。こういう男は女性からするとものすごく怖いし気持ち悪いです。あんな行為で相手が愛を感じると思うのか?どうしてそこまで都合よく思い込めるのか?何が悪いのかもわかってない気がします。
それからマルグリットへのセカンドレイプや女性達からの無理解が怒りを通り越して悲しいです。「あなたも感じてたでしょ?」「ハンサムだと褒めてたそうですね。まんざらでもなかったでしょ?」とか無理です。私だったら戦えず泣き寝入りしています。彼女はあの時代のこの人々の中で本当によく戦いました。
他には中世の騎士階級の生活が垣間見えて興味深いです。普段着はすごく地味。というか着古しでぼろぼろに見えます。戦いのない時は使用人と肩を並べて働いてたり金策に悩んだり。召使いも馬車で一度に運べるくらいしかおらず、優雅な生活とは程遠い。中小農業経営者なんですね。
けんかをやめて
羅生門方式で三者三様の目線で語られる作品でしたが、アメリカ映画らし...
長さを感じさせない
自己中男は滅びればいい
この映画はとりあえず何を置いてもこれだけは言いたい。
自己中残念男は滅びればいい!!!
すみません、こんな壮大な史実に基づくお話の様なのですが1番初めに来た感想がこれでした。
ジャンもルグリも滅べ。
三人三様の真実を辿っていくという手法が、それぞれの視点や捉え方が違っており大変興味深いパターンでした。
ただ、一ついいたいのは、観ている中でルグリ視点でもマルグリットちゃん視点でもまごう事なきレイプだったよ。
ルグリの妄想ヤバくね?
ルグリはあれか?その時すでに頭ヤバかったのか??
ジャンはジャンで妻に対しての扱いや想いよりプライドがなによりも大事だし、ルグリは不遇な身分からの頑張り屋さん出世と思いきやただの妄想野郎だし、一口に言えばこの時代の女性は相当軽視されていたということなんでしょうね。
ジャンの母親も結構残念だったしな。
残念母からの残念息子もこの時代ならではなのかな?
ジャンに対しては、万が一自分が負けたら妻は生きたまま火炙りにされるになぜそんな無謀なことをするのか?
ルグリに対しては、頭おかしくなるくらい好きな女なのに、自分が勝ったら火炙りにされるのにその勝負うけるのか?
結論 自己中残念男は滅びればいい
でした。
ピエールもクソだけど、ベンアフレックとは気づかなかった。
ベンさんナイス演技です!
そして、マグリットちゃん可愛かった。
三者の視点で描かれる三人の人物。
一つの事件について、三者の視点で描かれた作品。
それぞれにとって重要な点、印象的な点を切り取ることで、真実とはそれぞれにあるという一つのテーマ。
もう一つのテーマは女性の社会的進出やmetoo 問題を彷彿とさせる描写。
2つのテーマが合わさることで、加害者と被害者とでは理解し合えない壁があることを強く感じました。
ラストでマルグリットが見せる表情。決闘に勝利し、生き長らえたが、彼女が負った傷が無くなる訳ではないという、事件の真実の先にある本当の真実。
個人的に、この作品を一番評価しているのは、女性問題を取り扱ったことよりも、3人の巧みな演技力です。
3人の人物がそれぞれの視点から描かれているため、それぞれに「夫から見た妻」「友人からみた妻」「妻自身」というように、1人を演じているようで、実は3人のキャラクターを演じています。その微妙な演技の使い分けが実に素晴らしかったです。
私も、友人や家族、恋人など、関わった人の数だけ「私」が存在しているんだろうなあ、とそんなことを感じた次第です。四畳半神話大系とかモテキでも扱われているテーマですね。
良作でした。観れてよかったです。
飽きない
完成された極上のエンタメ
壮絶なNTR
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