「あまり主張のない映画」最後の決闘裁判 すみれ7878さんの映画レビュー(感想・評価)
あまり主張のない映画
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14世紀のフランスで起きた騎士かルージュの妻マルグリットを騎士の旧友ル・グリがレイプしたという事件が発生。旧友と妻の言い分の違いのために決闘で決着をつけるという話。騎士、妻、旧友の三者からの視点での描写は14世紀フランスの社会事情を知るためには有用でしたが、肝心の事実があったかなかったかについてはほぼ不要で冗長です。個人的感想としては気持ちはどうあれ、妻がレイプされたというのはまぎれもない事実としか思えないです。
この映画、愛情深いなあ、善良だなと思える登場人物がいないのも残念なところで、どの登場人物にも共感できなかったです。解説には「人々はカルージュとル・グリ、どちらが裁かれるべきかをめぐり真っ二つに分かれる」と書いてありましたが、私が見たところでは人々は他人事として見ているにすぎません。正義もへったくれもなく娯楽のように決闘を楽しんでいるだけに見えました。
最後は妻のマルグリットが愛のない暮らしから息子との暮らしになって、その後もまあ長生きしたようで、彼女にとっては良かったかなというところですが、映画全体としては何が伝えたいのか、よくわからないなあと感じました。男はバカで女はしたたかとでも言いたかったのでしょうか。
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