劇場公開日 2021年10月15日

「親友のなれの果て」最後の決闘裁判 しゅなさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5親友のなれの果て

2021年11月4日
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98年のグッドウィルハンティング以来のマット・デイモン、ベン・アフレック親友コンビの脚本となれば見ないという選択肢はない。
ましてや私は『偶然の恋人』を偶然見て以来のベン・アフレックファン。
殆ど前知識なく喜び勇んで劇場へ出かけて行きました。

ベンの役柄はこれまでのキャリアに無いほどやな奴だったけど、中世のフランスが舞台の史実に基づく物語は見応えたっぷり。

チャプター1はジャンの視点…
と、いう事は他の視点からも展開するんだな、と冒頭からワクワクさせられる。

無骨で不器用で戦う事で王に忠誠を尽くすが報われない、生き方が下手な男には世にも美しい妻がいた。

かたや語学や数学に長け、領主の寵愛を受けて出世していく世渡り上手なモテ男。

かつては戦友で親友だった二人の男が一人の女性を巡って決闘で命を懸けて戦う事になる。

女性が名誉を守る為に声を上げる事は許されなかった時代。
彼女もまた命を懸けて裁判に挑む。

審判は神が下すのだ。
人間が裁くことが出来ないからと、勝った方には地位と名誉を。負けた方は殺されてから丸裸にされて逆さ吊りにされる。
こんな残酷な審判を委ねられる神サマも迷惑だよなー。

ただこの話、真実の愛のために戦ったのなら美しい純愛の物語だったのだけど…

決闘シーンは大迫力で見応え十分。
競技場に響き渡る「殺せ!殺せ!」のシュプレヒコールに群衆心理の恐怖を感じながら、
マットの出演作は数々見てきたけれど、こんなに
「マット、頑張れ!」と心の中で叫んだ事は無かった。

作品の面白さは流石のリドリー・スコットだし、
脚本も素晴らしかった。
再びベンとマットの親友コンビにオスカーを取って欲しい。

しゅな