ブルー・バイユーのレビュー・感想・評価
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辛いお話・・泣かされる・・・。 アメリカ社会のDV、モラハラ、差別...
辛いお話・・泣かされる・・・。
アメリカ社会のDV、モラハラ、差別、格差の深刻さ・・か・・。
アジア系で貧しいと、アメリカではこんな感じなのかしらん・・。
子役の演技力が凄い・・。演技にみえない恐るべし才能・・。
あの方が実は根は悪い人じゃなかったので救われた・・・。
話は違うが、アリシア・ビガンダーのちょっとハスキーな声の質が好きなんですが。
あの声質って日本人の女性にはいない・。言語の発音の違いなのか・・。
白人種の女性にはよくあるのですが・・体の作りの違いなのかなにゃ・・。
I’m so tired.
力のある、ひじょうに見応えのある作品です。
でも、とても疲れた。観ていて、しんどかった。
主人公のアントニオたちが直面する過酷な現実の数々に、ため息を吐きたくなりました。目の荒いサンドペーパーでこころと体をこすられているような感じがしました。
最初はアントニオにまったく共感できなかった。
派手なタトゥーを入れていることや窃盗犯ということもあって。
自分とはだいぶかけ離れた価値観の持ち主だなと。
けれど、物語の半ばに至らないぐらいから、彼と、その家族にも自然と感情移入することができました。
終盤にはエースにまでも。
今回その名をはじめて知りましたが、見事な演技を見せてくれた主演のジャスティン・チョンは、本作の監督と脚本も務めているということで、かなり才能のある人ですね。今後の活躍に期待したいです。
それにしても、いい作品なんだけど、重い……。
なんか最近、映画を観ながら「アメリカに生まれなくてよかったな」と、思うことがよくあります。アメリカの人には悪いけど。
強制送還に怯えて
とても考えさせられ辛かった。
(そしてラストは子役ちゃんの迫真の演技に泣かされました)
ルイジアナ州ニューオリンズ。
3歳で韓国からアメリカに養子に出されたアントニオ。
アントニオ(ジャスティン・チョン=主演兼監督)は、妻のキャシー
(アリシア・ヴィキャンドル)と義理の娘ジェシーの3人で、
貧しいながら幸せな日々を送っていた。
ところが、ふとしたキッカケで不法滞在者扱いをされ、
元の国(韓国)へ強制送還措置が命じられる。
アメリカでは2000年頃まで、養子に市民権を与える制度がなかった。
そのため2000年以前に養子としてアメリカに渡った子供たちには
市民権が与えられておらず、
2000年以降に適切な手続きをする必要があった。
しかし多くの養父母はその手続きを行わなかったため
市民権のないまま成長。
裁判で、居住実態があると主張したくとも5000ドル以上の
裁判費用がかかる。
法律のはざまに落とされ、アメリカ国籍のない人は、
今日もどこかで強制送還されている。
国に帰ったところで住む家もない。
言葉も喋れない。
自分にはなんの落ち度もないその悲劇を、
アントニオという男の場合を例に、
問題視した作品です。
義理の娘のジェシーは実父の影に怯えているが、
アントニオとはとっても仲がいい。
ルイジアナのブルー・バイユー(湿地になっている青い入江)で、ジェシーに、
「絶対に置いてきぼりにしない」
と約束する姿はその後を知っているだけに辛い。
ブルー・バイユーとはアントニオに微かに記憶のある韓国の河
でもある。
アントニオが覚えているのは、母親が自分を落とそうとしたか、
誤って落ちたか、必死でもがいている記憶があるのだ。
美しい映像の中に「痛み」のある作品だった。
2本立て1本目。天下の悪法。 何十年もその地で暮らしてきた人を国外...
2本立て1本目。天下の悪法。
何十年もその地で暮らしてきた人を国外退去にしてしまう。そんなバカな…
・主人公 家族愛はあるが昔は小悪党
・妻 家族が全ての超良妻。歌まで上手い(笑)
・娘 おしゃま。なんとも愛らしい。いい子役。
・警官1 妻の元旦那。悪いやつかと思いきや。
・警官2 これぞアメリカの警官。悪い奴。
そんな法、すぐ改良すればいいのに。政治家なんてどこの国でも同じ。自分の利益にならないことには関心なし。未だ道は見えないらしい。エンディングの多くの被害者に胸が痛い。社会なんて、理不尽なことだらけ。自分にも何が起こるか分からない。怖い。
家族映画の秀作
これは今年一番の拾い物かも知れない。
本作には親に見捨てられた子どもが2人出てくる。
主人公アントニオ(ジャスティン・チョン、なんと脚本監督も務める)は韓国系の移民。幼少期に国際養子縁組でアメリカに来た。
妻のキャシー(アリシア・ヴィキャンデル)には前夫エース(マーク・オブライエン)とのあいだの子どもジェシー(シドニー・コワルスキ)がいるが、キャシーのお腹の中にはアントニオとの子どもを宿しており、臨月を迎えようとしていた。
ジェシーは実父エースに見捨てられたことが心の傷になっている。
アントニオはジェシーをよく可愛がっているが、ジェシーは下の子が産まれるたら、アントニオが自分のことには構わなくなるのではないかと不安を抱えている。
一方、アントニオは2度までも親に見捨てられている。
1度目は韓国の生母。アントニオを育てられない事情があったのだろう。一度は彼を溺死させようとしたが、思いとどまり、彼をアメリカに養子に出した。
だが、アントニオのアメリカの生育環境は過酷だった。いくつかの家族をたらい回しにされた挙げ句、たどり着いた家の養父はDV男だった。養母(つまり妻)も養子のアントニオも虐待し、養母は彼を守らなかった(おそらく養子のアントニオまで守る余裕がなかったのだろう)。
親に捨てられた者同士ゆえ、アントニオは、ジェシーの哀しみに共鳴できてしまう。同じ経験があるからこそ、アントニオはどうしても、自分が原因でジェシーに哀しみを味あわせたくないという強い思いを持ってしまうのだ。
エンドロールに次々と現実にあったケースが映し出されるように、本作のテーマは国際養子縁組の制度上の問題を取り上げている。
国際養子縁組でアメリカに来た子どもは、養親が手続きをしない限り、アメリカの永住権を得られない。たとえ、アメリカ人と結婚しても、である。
養子でアメリカに来るのだから、その時点では当然、まだ幼い子どもだ。本人に手続きすることは事実上、不可能である。
ゆえに大人になるまで、自分にはアメリカの永住権がないことを知らないケースも多いだろう。
渡米したのが幼少期であればあるほど、本人に出身国の記憶は薄く、アメリカの地に馴染み、アメリカ人として育っているのだが。
この映画の主人公アントニオは、スーパーでキャシーと口論になったところを、たまたまキャシーの前夫のエースが通りがかり、そして悪いことにエースの仕事が警官だったことから、さらに最悪なのは彼の同僚がレイシスト(人種差別主義者)だったことから騒ぎが大きくなり、不法滞在者であることが判明してしまう。
ここから、徐々に国際養子縁組の制度の問題が観る側にも明らかになっていく。なんと、アントニオは強制国外退去をしなければならなくなるのだ。
なんともひどい話ではあるが、この映画が優れているところは、声高に制度について責めるのではなく、あくまでも家族のストーリーとして仕上げている点にある。
この映画には、さらに多くの家族が登場する。
ふとしたことで知り合うベトナム人女性パーカーと両親のこと。
キャシーと彼女の母親。
キャシーの態度から、どうやらエースは彼女とひどい別れ方をしたらしいのだが、エースは、いまではそのことを悔いていて(ヨリを戻したい、ということではなく)、特に娘のジェシーに対しては償いの念を持っている。
離婚、養子、連れ子、虐待、ひとり親と、実にバラエティに富んだ家族が登場するのも極めて現代的と言える。
物語の主軸となるジェシーとアントニオの関係に、アントニオと実母、養親の関係を重ね合わせ、対比させているのも巧い。
こうして、家族のテーマを重層的に描くことで、国際養子縁組の問題を取り上げた映画なのに、「遠い国の制度のお話」にならない。本作のメッセージには、観る者が移民じゃなくても、感情移入できる普遍性がある。
だからラスト、空港でのジェシーの「Don’t go!(行かないで!)」の叫びに涙が止まらないのだ。
ラストは決してハッピーエンドではないが、現実的ではある。
そして見方によっては、永住権の問題は解決しないが、家族の問題は、ほぼ解決に向かったとも言える。終始、重い雰囲気の作品だが、ラストには希望を感じられた。
アントニオの行動には犯罪行為もあって、必ずしも観る者の共感は得られないかも知れない。
だが、この映画の登場人物が直面するのは個人の努力ではどうしようもないような、国や制度の大きな力である。国や制度に翻弄されたときに表れてしまう人間の愚かさ、弱さとともに、素晴らしさ、強さも描かれているのはリアリティを感じられる。
善いことやってたら奇跡が起こって上手くいく、なんて映画みたいなことはそうそうないわけだし、それでも、個人が拠り所に出来るのは家族や親しい友人なのだろうから。
ストーリーは、アントニオの国外退去の危機に向かうタイムリミットものサスペンスとして組み立てられており、飽きさせない。
途中のエピソードも、脚本的にも演出的にも効果的だ。
繰り返される水のイメージ。
アントニオ一家の暮らす家の前は川。アントニオが、学校をサボらせてジェシーを連れ出した場所も池。アントニオがパーカーと語り合うのも川べりである。
タイトルの「ブルー・バイユー」も「青い入江」を歌ったジャズのスタンダード・ソングのタイトルから。
生母に水に沈められたアントニオ。一方、パーカーの母親はベトナムを脱出時の船が遭難して命を落とした。片方は意思を持って殺そうとし、片方は事故による死、という対比も鮮やか。
また、新しく生まれてくるアントニオとキャシー夫婦の子どもに対して、癌で死にかけているパーカーと、生と死の対比も見られる。
そして何度も登場するアントニオの頭上に大きな橋が映るシーン。橋は国境にかかるものとして描かれていると思うのだが、常に大きくて遠い存在として映し出されており、アントニオは一度も渡ることはない。
役者たちの演技は、脇を固めた助演たちも含めて手堅い。中でも子役のシドニー・コワルスキは絶品だった。
アリシア・ヴィキャンデルの歌のうまさにも驚いた。
どこに行きたい?ここにいたい
これぞドラマ。例えばヤン・イクチュンが『息もできない』を作ったように生まれるべくして生まれた必然の傑作。光の射す方へと背中を向けて、手前はピントが合わないみたいに曇って、時にカメラのレンズにはゴミが付いた黒い線が入っていてもそのまま押し通して ---
例えばスパイク・リーの『25時』を思い出して、また例えばウォン・カーウァイが社会派映画を撮ったようなスタイリッシュでスリリングな瞬間もある。ジャスティン・チョンの描く市民権を持たない養子問題。ここアメリカで物心ついたときからずっと20年、30年と生きてきたのに、突然縁もゆかりもないとまでは言わないまでも勝手の異なるよく分からない、記憶は遠く家もない"祖国"へと国外追放される人々が直面する現実の問題を、思わず感情移入・同情せずにはいられないドラマに昇華して、見事な映画として描き切る。
行かないと…主演2人がとにかくいいから夢中になってしまう。青い入江の象徴する記憶の影響と行方に、胸引き裂かれる思いだった ---
もしかしたらプロとか見る人が見たら多少クサいところなんかもあるのかもしれないけど、これがすごくすごく大切に作られた作品だなというのがひしひしと伝わってきて否定できない熱量をまとっていた。長回しでの動きのある画作りと、まるで写真や絵画のような静的画作りのバランス感覚。そして絶対的感性がタイトル通りの世界・空気感や雰囲気を嘘偽りなく、真摯に演出していた。粒子感のある映像の質感や少し横の詰まった画角に、音楽もよく合ったムーディーな現地的空気と異国情緒っぽさが絶妙に混在し溶け合っていた(ex. ジャズ←移民・奴隷)。
度々映る、《橋》という象徴的存在。笑って泣いて鳥肌の立つような愛しい瞬間が、また胸掴まれ苦しくなる時間が、丁寧な描写でしっかりとあった ---
今尚後をたたない最低な暴力イカれ警官どもの意味不明な短絡的キレ・ポイント(スイッチ)や逆恨み原理も、"まったく分からない"という意味で、よく分かる。嫌味なしで本当に"いい顔"した主人公の、光が指して輝くつぶらな瞳。人種のるつぼとしての多様性や難民。世界の中心として進歩的な国であるはずの好きなところで暮らす権利も、今や揺らいでいて窮地に陥っている。だが強い、ここで生きてる。"『トワイライト』(出演)の"という前置詞には違和感を覚えるけど致し方ない。むしろ振り幅があっていいくらいだと思うことにしよう。映画館での公開前から気になりつつ何故か見に行かなかった本作、やっぱり公開当時に見に行けばよかったなとしみじみ思う。
ICE
Jessie stays here.
ここはセラピーじゃないぞ
HONEST MONEY
【"青い入り江で観た儚き夢と、厳しい現実。”アメリカ養子縁組制度の瑕疵に対応していない、アメリカ司法、移民制度への怒りと、保守的なホワイトアメリカで生きるアジア系移民の怒りと哀しみを描いた作品。】
ー 今作で、監督・脚本・主演を務めた韓国系米国人のジャスティン・チョンの哀しき過去を背負って、米国に養子縁組で来たアントニオを演じる姿が、素晴らしい。
今作は、彼がエンドロールでも流れたアメリカ養子縁組制度の瑕疵をほったらかしにして、多くの家族を引き裂いたアメリカ司法制度、移民制度への怒りと、保守的な、ホワイトアメリカで生きるアジア系移民の遣る瀬無さと哀しみを描いた作品である。
◆感想 <Caution!内容に触れています。>
・全身タトゥのアントニオの哀しき過去を想起させる、劇中、屡描かれる、若き韓国女性の哀しき表情。
・アントニオの子を身籠ったシングルマザーキャシー(アリシア・ヴィキャンデル)と娘ジェニーとアントニオは貧しいながらも、楽しき生活を送っている。生意気ジェニーはアントニオに良く懐き、アントニオも実の子の様に可愛がっている。
- 元夫、白人警官のエースが頻繁に”娘に合わせろ”と迫って来るが、ジェニーは影に隠れてしまう。エースの相棒の太った白人警官デニーは明らかにレイシストである。-
・その幸せに突然降って湧いたアントニオにエースの相棒の太った白人警官デニーに絡まれた事で、明らかになった30年以上前の養父母による手続きの不備が発覚。国外追放命令を受け、二度とアメリカに戻れない危機が訪れる。
・金策に走り回るアントニオの前に現れたベトナム移民の女性パーカー。睡蓮のタトゥを手首に入れて貰う。
- ”睡蓮は、根が無いようだけれど、逞しいの。”
余命僅かなパーカーとアントニオ一家の交流。
アリシア・ヴィキャンデルが歌う”ブルー・バイユー”は沁みたなあ。-
・幼き日、養父母に盥回しにされたアントニオはバイクを盗んで裁判費用を作るも、生きていた養母を法廷に呼ぶ事を激しく拒否する。(養父から、虐待されていたのに、養母から守られなかった・・。)
・そして、劇中屡描かれる、若き韓国女性が幼きアントニオに行おうとしたことと、彼が自暴自棄になりバイクで、水中に飛び込むシーンの哀しきながらも美しきシンクロニシティである。
<ラストのアントニオの強制出国のシーンは切なすぎる。涙が出た。
そして、エースが実は、心優しき、良い男であったことも、嬉しき驚きであった。
再び書くが、今作は、彼がエンドロールでも流れたアメリカ養子縁組制度の瑕疵をほったらかしにして、多くの家族を引き裂いたアメリカ司法制度、移民制度への怒りと、保守的なホワイトアメリカで生きるアジア系移民の、遣る瀬無さと哀しみを描いた作品である。>
<2022年4月10日 刈谷日劇にて鑑賞>
深くて、切なくて…とても愛しくて
棘が抜けてない…
鑑賞して何日か経ったのに心の棘が未だに抜けない…
アメリカの社会問題を映し出す太くて重いヒューマンドラマ…何とかならないのっ!と
スクリーンに叫びたい程、この愛・深き家族に
手を差し伸べたかった…
足を引きずる様なモヤモヤ感の中でも
劇中、少しかすれた声でアリシア・ビカンダーが歌うスロージャズの夫を想う憂いさが心に残った
ラストはコンタクトがズレる程の濁流涙😂
義理の娘がこのパパを選んだ事が正解である未来を願います🤲
全てが捨てたものでもないが楽観的になるのはなかなか厳しい
素晴らしい養父母もいるが、養子への家庭内暴力の話もよく聞く。法的手続レベルでも起きることがあるとは知らなかった。海外から子供を養子として迎えた時に、親がきちんと養子縁組の手続きをしないと子供は不法滞在者になる。物心ついた時から合衆国で育ったのに、ある日自分や結婚相手が不法滞在者と言われて退去を求められる。
観てる最中ずっと、これどうにかならないの?!と頭をグルグルした。どうにもならないし、転がってほしくない方向にも行く。その間主人公は今まで考えないようにしていた自分の出身地について思いを馳せるようになるし、また制御不能な運命について考えるようになる。
システムは彼を苦しめるけど、彼を愛する人たちが強いし希望をもらえる。多少は。
Blue Bayou
ポスターの写真が渡辺篤史に似ているなぁと思って、観に行きました。
そうしましたら、最後にまつ毛がたくさん濡れてしまいました。
ブルー・バイユー(Blue Bayou)はディズニーランドにも同名のレストランがあるようですが、もともとはミシシッピー下流のデルタ地帯の入り江のことで、1963年の歌の題名にもあり、劇中でも歌われます。リンダ・ロンシュタットが1977年にカバーしました。
監督のジャスティン・チョンはアメリカのカルフォルニア州オレンジ郡生まれ。両親は韓国出身。父親は俳優ののちに履き物屋を経営。ジャスティンも服装会社を経営しています。奥さんはサッシャ・エゴロワさん。彼よりもずっと背の高いモデルさん。肌は透き通るように真っ白。たぶん東欧系です。羨ましいな~
奥さんが美人モデルなんで、星ひとつ減らしました。
なかなか理解しづらいのは、アメリカ人女性と結婚しているのにどうしてアメリカ国籍がないのか?
日本だと中国人女性が日本の国籍を取るためにブローカーからお金もらって結婚させられる男がいますよね。それにアメリカ人の養子になった時点でアメリカ戸籍が作られるんじゃないの?養親のせいで、足りなかった手続きって何よ?
実の親が外国出身で就労VISAが切れていてだと生まれた子供も不法滞在者扱いなんですかね?アメリカって、アメリカで生まれたら子供はアメリカ国籍になるんじゃないかと思っていました。
移民関税執行局(ICE)、国土安全保障省のやり方にも人種差別を感じますけど、9・11を境に市民権の有無を強化した施策がなされたのでしょうね。
養子や孤児を扱った映画はとても多くて、そのあざとさにうんざりすることもありますが、実例をもとに新たな問題提起をしてきたことは評価したいと思います。
脚本もとても良くできていると思いました。
キャシー役のアリシア・ビカンダーは名だたる映画でいくつも受賞しているスウェーデンの女優さん。ガイリッチー監督のコードネーム U.N.C.L.E.のドイツの博士の娘役やジョー・ライト監督のアンナ・カレーニナなどに出演。娘のジェシー役の子役もめちゃくちゃ上手い。ジャスティン・チェンがキャストを丁寧に選んだとのこと。いい役者さんたちにとても恵まれた映画と言えましょう。最低な警官役だって、演技巧者のエモリー・コーエンだもん。
パーカー役のベトナム人の女優さんがとてもステキな方でした。フランス育ち。「漂うごとく」というベトナム映画で見たはずなんですが、全然覚えていませんでした。バイク2人乗りのシーン(ウィッグが飛んでいく)や湖畔の語らいのシーンがせつなかった。
アントニオがバイクで湖に突っ込んで、そのまま溺れ死んじゃう方が不幸な生い立ちに孤独で哀れな死に方で、絶望感半端なく、うんと泣けたかもしれません。冒頭のシーンと対になるし。
でも、最後の空港の強制出国シーンは娘のジェシーちゃんや警官の実父の演技がすごくよくて、やっぱり泣いちゃいました。
制度の落とし穴で苦しむ人たち
日本で養子縁組の制度はあまり浸透していない。周りに養子縁組をした人がいてもわかりづらいからそう感じているだけの可能性もある。アメリカでは国際養子縁組も盛んで、それがまたドラマを生んだりする。出身をいじられたり、母国の生みの親との関係性とか。
ところが本作では韓国出身のアントニオがアジア人として虐待されるシーンがない。当たり前に生活し、家族を養おうとがんばってる姿が描かれる。そして訪れる理不尽な扱い。アメリカの警察の暗部を見せられた感じで嫌な気分になる。
養子縁組していても市民権が与えられていない人がいるという事実に驚いてしまった。制度の落とし穴的なものだが、30年以上暮らしてきてそれはない。納得いかないよな。
でも、アントニオがとった行動も納得いかない。同情の余地はあるが、そんなことしちゃダメだ。でも、彼の苦しみや悲しみは十分に伝わった。彼らの今後を想像するとゾッとする。そして、こんな仕打ちを受けた人たちが他にもたくさんいることにも驚いた。
もう泣くしかなかった
これはアメリカ🇺🇸の移民政策に物申す逸品。
何より感情を揺さぶる秀作だ。
3歳の時に養子としてアメリカにやってきた韓国🇰🇷生まれの主人公。里親による虐待、貧困、それがもとで行った窃盗など、いいことなかったみたい。
シングルマザーと結婚し、娘と三人、ようやく幸せになれたのに。
ラストのスライディング&ハグ。
凄まじい激情。
もう泣くしかなかった。
肩を震わせ激しく嗚咽を漏らした。
ハンカチ携帯必須案件
それほど期待せず鑑賞したが、思った以上によかった。
ラストは涙せずにいられない(涙が止められない)。子役の演技がまたイイ。
1945〜1998(だったかな?)の養子縁組には問題があると言われ強制送還されても…人生の折り返し地点で強制送還される身は…
それは報いか?
【ネタバレ有り‼️】
主人公が迎えた結末は、彼が辿ってきた人生の報い?
普通に考えたら、そうだろう
冒頭のまっとうな所に再就職出来ないのは、前科があるから
身重の嫁に金を用意する手段に窃盗を選ぶのも、浅はかな考え
“もっと、まっとうな道があるだろ?”
“コツコツ真面目にやればいいのに”
だが、どう頑張っても「これしか無いんだ」としか考えれない人がいることに思い至るまで、世の考えは多様性に富んでいない
特に、“1日の余暇に映画でも見ようか”という日本の人には
この映画のレビューからも断片的にうかがい知れる背景だ
窃盗を“必要悪”と言いたいのでは無い
ただ、そこまで追い詰められた主人公に「言葉も分からない、家もない“故郷”に送り返される事が当然の報いとは酷すぎる」
監督が盛りだくさんしすぎてJazzノスタルジック織り込んだり、子役の号泣演技に書き消されがちだが、映画の結末の主人公は自分がしたこと以上の報いを強制されている
では、誰が報いを受けるべきなのか?
それを映画は問うている
決して、子を手放した母でも(作中で織り込まれる韓国語の歌声は<私の赤ちゃん 私の赤ちゃん>という意味)、養子にしたが酷い行いをした親を個別に責めているわけではない
それでもアメリカで生きてきた、そんな人が強制送還されることが妥当かを訴えている
私は、そう思う
※全然関係無いけど、アリシア・ヴィキャンデルは歌が上手すぎる🎵
愛するからこそ別々の船に乗る。
アメリカの養子縁組、移民問題を描いた力作。韓国で生まれ3才で養子に出されてから30年以上「アメリカ人」として生きてきたアントニオ。ある騒動をきっかけに国外追放を命じられ強制送還の危機に立たされてしまう。アメリカの国際養子縁組に隠された制度の落とし穴とは。自分は一体何者なのか。
脚本、監督、そして主演も務めたジャスティン・チョンは敢えていばらの道を選んだ。確かな家族への愛を見せる一方で、まるでそれに相反するかのような行動をとるアントニオ。とても同情などできない。不可抗力による強制送還という不条理を描くならもっと共感できる主人公の方がアプローチとしては説得力がある。でもそうしなかった。この闇こそがアメリカだと言わんばかりに。
はびこる人種差別に抗う時、正しさだけでは解決しないこともきっと多い。「家もない」「知り合いもいない」そんな国に追放される恐怖は誰が受け止めてくれるのだろう。確かに言えることは、それはアメリカではないということ。
ラスト5分は涙で息が止まりそうでした。2人の娘が成長してゆく過程で頼るべき父親は傍にいるだろうか。エンドロールで知る現実の一端。これが今現在進行で起きている事だと思い知らされる。
ジェシーがパーカーを見て「パパと似ている」と言った。その言葉がなんだか忘れられない。
不整合な社会の犠牲者
あー、そーいう社会的背景があったんですね。本作で初めて知りました。相変わらず僕は不勉強です。昨今、日本の難民認定について問題として取り上げられることが増えてきましたから別の意味でも興味深いテーマです。ですから、事実を知ることができたのは有意義でした。
ただ、それだけだったなーって感じです。なんやかんやと色々アリアリで、面白いように裏目が続きすぎて、それらが「んな馬鹿な」って思っちゃう展開の結果で・・・。まぁドラマティックにしないと・・・だから仕方ないんだけど、それはわかるけど。。。ラスト「それだすなよ!?」って感じで引いてしまいました。僕は明快なお涙ちょーだい展開アレルギーなんですよねー?てか、このお涙頂戴展開って、この重要なテーマを安易な感動ポルノの材料にされているだけに見えなくなっちゃうんですよね。
安易な心変わりとか、明快な悪者とか、家族のことを大事にしている割に短絡的すぎる行動とか・・・なんだろなー、そんな単純なことなん?って思ってしまった。作り手が難民、移民の方々を色眼鏡で見てないか?って思ってしまいました。 残念。
2022年ベストムービー!⭐️⭐️⭐️⭐️✨
最後は、ジェシーちゃんにスッカリ泣かされてしまいました!
(ラストは、来るのか?来るのか?来ないのか?と思っていたら、やっぱり来ました(笑)監督の演出に見事にハマって、もう号泣ですわ。
*映画は、アメリカ国内における、養子縁組制度と国外への永久退去の問題を取り扱った作品でした。
*なかなか複雑な生育歴のある主人公アントニオですが、義理の娘との絆が、観ている側には分かりやすく、感情移入しやすかったです。
*劇中、ベトナム移民(難民?)のパーティーで、アントニオの嫁キャッシーが歌う"Blue Bayou"…ロイ・オービソン作のこの歌、個人的にはリンダ・ロンシュタットの歌声が馴染みがあります。対訳が字幕で出るんですが、まるでアントニオの心情を歌うかのようで、涙誘われる場面でした。
*アメリカの映画には時々、こういったシリアスな問題を扱ったドラマにも、絵に描いたようなありえないぐらい馬鹿な警官が出て来ます…権力を傘に暴力を振るいまくるみたいな…。今の日本の刑事ドラマ等では、もう出て来ないと思うんですよね、こういう警官は…。逆にリアリティが無さ過ぎて。でも、アメリカでは、こういう警官の暴力が日々ニュースになるぐらいですから、それなりにリアリティがあるんでしょうね。やっぱり恐ろしい国です、アメリカは…。
*この寒い冬、暖かい涙を流したい貴方(貴女)にオススメします!
全64件中、21~40件目を表示