北風アウトサイダーのレビュー・感想・評価
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背景も知るといいかも
家族のドラマでもあり、在日の歴史でもあり。
見ていて、浅草にあった韓国料理屋を思い出しました。お店の雰囲気が映画の雰囲気そのままでした。
逃れられない繋がり、でもそこで懸命にいきる姿。
幸せになってほしいと思いながら、そうならない、切なさ。
令和でのあり方も描いてほしいです。
同じ日本に住んでいるのに。。。
ジーンときた場面が何度かありました。
多少ツッコミどころもありますが、監督と役者さんの思いが画面から溢れんばかりに伝わってくる作品です。
同じ人間なのに、同じ日本に住んでいるのに、在日朝鮮人という背景がこれ程生活に影響しているのか?私とは違うのか?と考えさせられました。
ちなみに7割が監督さんの実体験やら見聞だそうで、どこまでリアルに近いんでしょうか?自分の知らない世界です。
そして最後の場面。
なぜ次男ガンホではなく、長男ヨンギがやられたのか?意味が分かりませんでした。
しかし、物語を振り返ってみると、どうやら抗争が原因ではないようですね。改めてくだらない体制に憤りを感じました。
関わる友人を固定観念で決め付けるのではなく、もっと相手の事を知らなくてはいけない、と気付かされた素晴らしい作品です。
ピュアで心にグッとくる素晴らしい作品です
久しぶりに心を揺さぶられる作品と出会いました。
家族のあり方、大切な仲間のこと。映画を見ながら自分の生まれてから今までのことを思い返してみました。
感動と感謝の気持ちでいっぱいです。
もう一回観に行こうと思います。
ストレートという魔球
始まってから30分は異和感が拭えなかった。役者の演技が舞台俳優のそれなのである。曖昧あるいは微妙な表情はほとんどなく、20メートル先からも、どんな表情をしているのかがわかるような大袈裟な演技に感じられた。
しかし、そのストレートな演技が途中から気にならなくなる。おそらくそれは、登場人物の置かれている複雑な状況から生まれた外圧・風圧がストレートな感情表現に微妙な変化をもたらしているのだと思う。たとえば「お前、ええかげんせえよ!!」という単純な激怒表現が、「(朝鮮人として生きることの誇りも大事やけど、そのしんどさもわかるし、オモニに対する愛情もあるし、恨みもあるし、自分は偉そうなこと言えるほど立派に生きてるわけでもない、、、、けど)お前、ええかげんせえよ!!」という複雑な感情表現になるのである。役者の演技の質が変わるわけではないが、ストーリーが進むにつれ、各登場人物の境遇の複雑さに対する理解が進み、それが演技に多義性をもたらすのである。そうなると、セリフの一つひとつに含蓄を感じて、物語に感情移入できるようになる。
もしかしたら事情は逆かもしれない。生きる状況が生み出す様々な外圧や風圧が強いからこそ、それに負けないようにストレートな表現になるのかもしれない。だとしたら「大袈裟な演技」という評価は、単にこちらの無知から生まれた偏見なのかもしれない。在日の人々の置かれた複雑な状況を知ることで、はじめて日本人は在日の人々の言葉を偏見なく受け取ることができるようになるということだろうか。
ボーダレス時代の今、見ておきたい映画
時代は昭和、在日コリアンの心の葛藤を見て、ボーダレス時代の今ではあまり感じることの無くなったストーリーで、古き良き時代を改めて思い出させてもらいました。
今では在日○○人と言う感覚は余りなく、同じクラスのキムさん、同僚のパクさんという感じで国籍がどこの何人というものの見方は無くなっていると思いますが、映画の時代背景はまだまだ差別や感覚の違いが沢山あったのだなと、昭和の時代を思い出しました。
ストーリーが奥行きが深く、二時間半の映画と聞いて起きていられるか?初めは心配していたのですが、内容の構成が良く気が付いたらスクリーンの中に吸い込まれてしまい、最後まで楽しく見ることが出来ました。
本当はシリアスな内容だと思うのですが、和ませ役なのでしょうか?ショーパブのママさんとダンサーの豚足さんが、意外な存在感をもたらし、緊張を和ませてくれました。
また、この映画の私の中での名シーンは、清田さんとヨンギさんの友情あふれるシーンです。
清田さんは、男の中の男って感じで、表情も素晴らしくジーンとさせられました。
昭和の時代背景が印象的でしたが、30年後どうなっているのか? キム兄弟のオモニ食堂はどうなっているのか、先のストーリーに期待したいところです。
コロナ禍で久しぶりの映画館でしたが、行って良かったのは勿論の事、上映中にもう1回は行きたいと思ってます。
壁をつくっているのは。
大阪は生野区で暮らす在日朝鮮人家族やさぐれ家族の話。
兄妹が実母の様に慕いオモニと呼んでいた女性が亡くなり、オモニの営んでいた朝鮮料理屋を受け継いだ兄妹達のもとに、15年間行方不明だった長男が帰って来て巻き起こっていくストーリー。
葬儀にも現れず…って行方不明だったのだから知らせていないんじゃ?ヨンギの連れはどうやって知った?なんて疑問がありつつ始まって行き、ヤクザだなんだが絡んで行くけれど、スマホ使ってたりWi-Fiがあったりするし、とりあえず、これ現代劇ですよね?
自分が深ところは知らないからかも知れないが、20~30年ぐらい前の様な世界観とか価値観みたいに感じたけれど、どうなんでしょう?
東京と大阪の違いもるのかも知れないけれど、拉致がどうとかは間違いなく今更だし。
人種差別とか偏見云々が根底にあるところは判るけれど、ちょっと意識や思想が古臭い様な感じがするし、あまりにも小さなところで閉塞的に動いているし、当事者の方達じゃないと何でそんな思考に至るのかちゃんと理解は難しいのかなと。
そして、トイレの件はどういうこと?エピソードとしては衝撃的で悪くないけれど、何でそうなるのか理解不能だし、あまりにも何も拾われないし。
雰囲気は良かったけれど全体的にしっくり来ないところが多かった。
リアル フーテンの寅さん 大阪版
総連こうぇ~い
す ことないだろ!
"世界遺産撮影"で世界的に著名なSONYの秘蔵っ子撮影監督である貫井さんを、
あえて「カールツァイス社(ドイツ)が送り込んできた」というのが話題で、観ました。
限られた光源でのややこしそうな室内シーンが多い中、
特に著名な出演者が出演しているわけではないだけに、昭和ドキュメンタリーのような作風に
観ている者をぐっとスクリーンに引き込む力は前評判通り
特に映したい被写体を小道具越しに撮影していたりするのは普通のスチル写真の様。
世界からたったひとり 置いていかれて、怯える長男の姿は、まるでどしゃ降りの戦場に居るようで、とてもインパクトがあった。
家族みんながそっろったシーンや結婚式シーンでは"家族愛"が良く伝わりました。
"いかにも"セリフ回しと音はイマイチ
粗が見えてしまったので、とり箸(小道具)にもう少し気を配って欲しかった。
この映画はストーリー以上に、裏主役:長男さんを劇中で追うと、
この映画の神髄が見えてくる気がする。
ただ、長男さんの目から観た”景色の変化"を対比させたカットを前後半に入れてほしかった。
例えば, 淀んだ空 Vs 奇麗な夕日
それだけで、長男さんの気持ちの変化が 僕たちに伝わってくると思う。
幸せとは”感じるもの”だから、家族みんな一緒にいるのは昭和的で素晴らしいとは思うが
外で働いている男子がいるものの、
小さな店1店で家族持ち4兄弟が生活するのは難しいだろう。
どうしても 生活苦を差別等に結びつけてしまうかもしれないが、
残念ながら今の日本では大家族は生きていけない世の中に成ってしまっている事に
早く気が付かないと、この家族に春が訪れない気がした。
題材からして、スタッフ・出演者と3文字名前が羅列されるのとばかり思っていたが
エンドタイトルを観て、驚き
他の邦画よりも、日本人の割合が多かったのは意外でした。
同じように、世界的撮影監督:クリストファー・ドイルさんが撮影した「ある船頭の話」と見比べてみると面白いかもしれない。
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