流浪の月のレビュー・感想・評価
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なんとなく内容を知って見に行きました
悲しく暗い内容なんだけど、子供の頃のさらさ、文の優しさなどで、そこまで暗くはなかったかなー。
どーしょーもない彼氏、関係ない周囲の人とか、つらかったなー。
テンポも良くて、風景もよくて、二時間半あっという間でしたね。
日本の映画!? 人物描写が凄まじく…。
唾ローション
高評価がずらり。私にはそれほどの作品とは思えない。
本屋大賞を受賞した小説の映画化である。立ち読みで原作を読んでみたら、冒頭の一文がつまらなくて購入を断念した。だから、原作どおりなのか、脚色を加えているのかわからない。
孤独と性がテーマだ。広瀬すずは家庭環境と義理の兄?による性的いたずらが原因で、性に対して嫌悪感を持ち、自分の居場所が無くなってしまった。これは理解できる。
松坂桃季の孤独は何だろうかと思っていたら、他の投稿レビューでそういう病気があることを知った。病気が原因だなんて、私には夢オチに等しくガッカリした。恥ずかしいのは解るが、治療してもらえよと言いたい。
同性愛が当たり前になった今、セックスを忌棄する人がいてもおかしくない。男と女がいれば、セックスがするものだという先入観がかえって怖い。ロリータコンプレックスも、例えば私に娘があってその子が幼い頃に死んだとしよう。亡くなった娘を想って、小さい女の子に執着してもおかしくない。勿論、性的なものは介在しない。
15年前の女子誘拐事件など、世間はすぐに忘れているに違いない。身代金誘拐事件或いは身代金誘拐殺人事件なら別だけど。
原作批判のようになってしまったが、これを3時間近く付き合わされるのは、苦痛であった。丁寧さもほどほどにして、2時間くらいに編集してほしい。
感心。感動。そして深い反省。
正直に言おう。不遜な話だが、最近の俺は広瀬さん(すず)の将来を少し危惧していた。(いや、実際に書くと顔が真っ赤になるな。思っていた以上に不遜なコメントだわ)
「海街ダイアリー」「怒り」「三度目の殺人」…いつでもどこでも広瀬さんは見事な演技をみせてくれた。妹でも少女でも娘でも、それはいずれの映画でもそれぞれキーとなる難しい役どころだったが、広瀬さんは映画の流れを停滞させないどころか明らかに増幅する素晴らしさに満ち溢れていた。一方、主演では、「ちはやふる」「チアダン」と、爽やかにエネルギーに溢れて周囲を変えていく主人公をこの上なく魅力的に演じてみせてきた。
広瀬さん、凄い。しかし、最近ふと感じた。広瀬さん、この後どこへ行くのだろう。少女を完璧に演じる広瀬さん。でもいずれその季節は過ぎ去る。というか過ぎ去ろうとしている。あまりに早くから輝き続けていた広瀬さんだから、考えたこともなかった「この後」…
そこへ本作! いやあ、見事なまでに、俺は阿保だ、なんも見えとらん、と思い知らされました。広瀬さん、やっぱ凄い、凄い、凄い!!!
「被害者」に位置付けられた彼女には、暖かくはあるが、自分の想いと正反対な言葉や視線が、かけられ続けてきたであろう。
そんな十数年を経た後の彼女。当時の原因となった辛い記憶に夜な夜なうなされ目を覚ます。その奥に壮絶な贖罪の気持ちを秘め、それでいて周囲とは(彼氏を含め)平静に達観しているかのように付き合い続ける。
抑えに抑えた表現。感情も必要最小限で。想いがほとばしるシーンですら、じっと耐えるかのように。
対となるのが、更紗と文が二人で足漕ぎボートに乗るシーン。この映画で唯一、広瀬さんがその明るい笑顔をふんだんにふりまくシーン。ここと全編との対比が鮮烈で、この映画の重さをまた際立たせる。これが本当の更紗なんだと、普段更紗が被らずにはいられない殻の厚さを、観ている俺たちに気づかせるシーン。上手い。
松坂さんもまた同じ。最小限のセリフ、最小限の動き。それは、この映画の全体をしっかり包むトーン。
実はものすごい怒りのエネルギー。それが、静かに静かに。噴火する前に地下でグツグツ音を立てているほどだが、まだ地表はひんやりとすらしている。そんな絵が、エンドロールを観ている俺の頭の中に描かれる。
こんな映画を成り立たせてくれた広瀬さん、松坂さん、俺、堪能しました。ありがとう!! そして、広瀬さん、冒頭のたわごとを心配してた愚かな俺を許してください。深く深く反省してます。
月。太陽ではなく、月。陽ではなく陰。陰ではあるが影(罪・病気)ではない、あくまで光(個性)の一つ。であるのに、世間はそれを「気持ち悪い」と許さない。それは文(松坂さんの役)の母親すらも。本人すら見る病気だと思い込んでいる。
精神的な意味まで含めて居場所がなかった、そして今でもない二人が、流れ流れてでも寄り添いあうことは素晴らしい。だが、彼らの居場所を奪うのは他でもない。この映画を観ている俺が、俺たちが、観終わった瞬間から戻ってしまう、常識という皮を被った偏見だ。本来の自分で考えようという努力をせず、世人の声に盲目的に従ってしまう俺なのだ。それをこんな静かに、それだけに深く深く抉ってくる原作者、李監督、凄い。その怒り、伝わりました。参りました。
そして、白鳥さん(玉季)。よかった。松坂さん、広瀬さん、白鳥さんの年齢差があってこそ成り立つこの映画。その奇跡にも乾杯、です。
追伸0
小松さん(菜奈)が中島監督に鍛え上げられたように、広瀬さん(すず)は李監督に鍛え上げられるんだね。全ての女優が、監督達に鍛え上げられたらいいのに、と日々無理な希望を感じる俺です。
追伸1
更紗にだけは知られたくなかった… 知ってほしかった。…俺、知ってる。それって、恋だよ。
追伸2
150分あったのか、気がつかなかった。
追伸3
横浜さん、多部さん(未華子)、柄本さんと周囲も見事でした。特に、多部さんをほぼ終盤の泣き顔だけのために使う贅沢さに、この映画に込められた想いを感じる。
追伸4
「大河への道」、「ハケンアニメ」と観て本作を観た。今週は凄い週だなと思いながら観たが、本作を観る前は昨日とは逆順だったかなと思っていたが杞憂だった。本作が四番バッターだった。それにしても凄い週だった。幸せだ。
追伸5
備忘録。日中の薄い月を水中から見上げた、あの日から…
文、見て。月。
更紗は更紗だけのものだ。誰にも好きにさせちゃいけない。
お尻、百叩きだな。
私、リョウくんが思ってるほど、可哀想な子じゃ、ないと思うよ。
原作、読み終わった。面白かった。というのは不謹慎な言葉だろうか。読めた。読まされた。
原作から
彼が本当に悪だったかどうかは、彼と彼女にしかわからない。(北極星)
最後に
病気だったのか。そこは、原作読むまでわからなかった。そういう病気があることも知らなかった。監督にとってもそこはどちらでもよかったのかも。この映画は、勝手な解釈、勝手な同情といったもので、周囲から孤立させられる人たちの立場に身を置いた、やはり怒りの映画だったのだと思う。
そう、事実は真実とは違う。「…誰も、なんも、知らないくせに」
李相日らしいと思った
パトラッシュ(この手の話は)もう疲れたよ・・・
原作を超えた素晴らしい作品
その悪意と善意の知ったかぶりが二人を深く深く傷つける
こういったちょっと暗い感じの役は松坂桃李がハマりますね。減量もした...
話題性はあるけど・・・。
自分のことを人に伝えたい人ばかりではない、という事
何故ちゃんと説明しない?何故否定しない?
作品観賞中、何度かそう感じたシーンがあった。但し、自分だったら・・・とは容易に考えられない、心にあまりに深い傷と闇を抱えた二人だから想像が追い付かない。死ぬほど知られたく無いこと、というよう事をフミは言っていた。敢えて説明しなくても2人は互いが抱えているその闇の存在を理解し、そっと思いやる事が出来た。事実を明らかにし適切な判断を下す、というのがいつも正義とは限らないのかもしれない。他人に避難されても、大切な人の心を守りたい、そんな切ないシーンが幾つかあった。自分にはそんな選択が出来るかはわからないが、そういう人もいるのかもしれない、と考えさせられた作品だった。
観たあとの嫌悪感
反対の意見、お叱りの反応に
なることを覚悟で投稿します。
役者がうまい、画像が綺麗。
いい映画なんでしょう。
でも、見終わった後の、
嫌悪感が今まで見てきた映画の中で
最大値。
広瀬すずの役者の成長を
見させられてるような、
プロモーション映画の要素が
激しくてまずは辟易。
多様性への理解、多角的視点を
問いたいのは充分理解しました。
しかし、映画を見終わったあと、
何も楽しい、幸せな気持ちになりません。
深淵なことが理解できない人と
いわれても、
やはり映画を観に行った観客としては、
少しでも幸せや楽しい気持ち
心を温かくする要素がほしいのですが、
この作品は全編に辛い要素ばかりで。
観ていて悲しく辛い気持ちにばかり
なり、見終わったあとの暗くなる気持ち。
ただ一言、見なければよかったとしか
思えませんでした。
映画自体は、綺麗にできた作品だと
思いますが、今日一日、憂鬱に。
邦画ってこういう志向なの?
だったら近づかないようにしようと
思ってしまうぐらい
嫌悪感のある作品でした。
個人の感想です。
映画としてはよくできてるので、
年末のショーレースで
主演女優、男優賞をとれる
作品だと思います。
点数つけられないほど、、です
あの公園で雨が降らなかったら…
池袋グランドシネマサンシャインにて鑑賞。
偶然に出会った青年と少女の長年にわたる物語であるが、150分にわたって心揺さぶられる李相日監督の力作。
まずオープニング場面が素晴らしい撮影。…ブランコに乗る少女の「揺れ」に同期して揺れるカメラが素晴らしい。
その後は、過去と現在が交互に描かれていき、居場所のない少女が公演で傘を差しのべてくれた青年(松坂桃李)から「ウチに来る?」→少女「行きたい」という形で青年と少女のささやかな幸せ時間が続く。
しかし、世間はこれを「少女誘拐事件」として報道しており、警察に二人は引き裂かれる。
15年後、事件を背負いながら生きてきた二人(松坂桃李と広瀬すず)が偶然再会する。
そして様々な出来事が起こっていく物語。
この映画で「たいしたものだ!」と思ったのは、広瀬すずの同棲男(横浜流星)との激しいディープキス場面。コロナ禍になってから、これほどのディープキスは映画で観ていない気がする。素晴らしい役者根性。
また、ちょっと下世話な話になるが、広瀬すずは彼に乳揉みされるあたりも「大人っぽくなってきた感」あり…(笑)
印象的なセリフは沢山あったが、広瀬すずの「湖の時、手をつないでいたのを覚えてる?あの感触をずっと頼りにして生きてきた」なるセリフは、一人の女性の人生を背負う言葉として素晴らしい。
劇中の過去パートで青年が少女に見せている映画がチラッと映るが、『東京ゴッドファーザーズ』(or『パプリカ』)だった。李監督の今敏監督へのリスペクトが感じられた。
李相日監督の映画は、『69 Sixteen Nine(2004)』・『フラガール』・『悪人』・『許されざる者』・『怒り』など…付き合いの長い映画監督の一人であるが、本作は「眼を見張らされるショットが多かった」気がする。
交差点を映した俯瞰ショット、DV受けた広瀬すずが街中を彷徨う移動ショットなどなど。
個人的には、「あの時、あの公園で雨が降らなかったら、どうなっていたのだろう?」と思わせられる「偶然」をきっかけに、見事で重厚、また現代における様々な問題(ネット上の誹謗中傷、DVなど)も描いた映画。
実に見応えのある作品だったが、(ネタバレは避けるが)オチがちょっと惜しい…(^^;
それでも全体的には、かなり頑張った佳作だと言ってよいと思う。
<映倫No.123108>
やはり重厚感ある作品
李監督の作品は『悪人』『怒り』と観てきたので
それなりに重たい話なんだろうと予告の時から思っていましたが…
やはり李作品❗️👏👏
人にはそれぞれ色んな過去があるけれど
150分と長いストーリーの中を文と更紗の人には言えない過去が行き来して…
追いかけていく中で、何度となく胸が詰まり泣かされる場面があった。
桃李くんの寂しげな雰囲気やセリフの間が余計そうさせた感じもあったのは、その過去をラストに知ったから余計に泣けた😭
子供の頃の更紗役の白鳥玉季ちゃんの目の演技や他の演技も素晴らしくて…👏👏
そのまんま すずちゃんの更紗役に自然と繋がっていていく感じも出ていた
広瀬すずちゃんも『ちゃん』づけが出来なくなったほどに素敵な女優さんのお芝居でした。
横浜流星くんは、あまり興味のない方でしたが(推しの作品重視なもので💦)狂気な感じが出ていて、素敵な役者さんなんだと感じました。
コーヒーを淹れる桃李くんの所作や中性的なか細い雰囲気も役になりきれていて…
『孤狼の血2』を演じた同一人物とは思えない程でした。素晴らしい👏👏👏
世の中には自分が当たり前、と思っていても、他人にとっては全く当たり...
世の中には自分が当たり前、と思っていても、他人にとっては全く当たり前ではない、
むしろ受け入れられない、という事がある。
人はみんなが同じ方向を向いてれば、それが当たり前と思ってしまいがちだが、
例えば少しのコンプレックスやトラウマなんかで、それが全く違った方向に向いてしまう人もいる。
多分、それは少なくないはず。
この物語はそんなものを心の奥深くに抱いた人たちの悲しくも切ない物語だった。
李相日監督が『怒り』で用いたような、「こういう話、進めば進むほど良い方向に行かないだろうな」と言った感じが随所に出ていて、ちょっとダークな撮影技術もそれを醸し出していた。
広瀬すず演じる更紗と、松坂桃李演じる文のいびつな友情を越えた愛がメインストリームだが、
実は横浜流星の役どころがこの作品の肝なのではないか。
横浜流星演じる亮という男もまた、偏ったパーソナリティがあり、支配欲のようなものが本能的にあり、それで恋人を支配下に置こうとする。この点を考察すると、更紗はやはり幼少期の悲惨な環境から、こういう男性を引き寄せてしまう何かがあるのでは、考えてしまう。
映画なので、綺麗に描いてはいるが、実際に事件なんかが起きても、伝わってくるのは上辺、もしくは社会的に是認されるように伝えているだけで(要は悪は悪としておく)、このようなストックホルムシンドロームを少し変換したような関係は世の中にあるはず。多くはないだろうけど。
2時間半、あっという間とは思えなかったが、重苦しい空気が続いたので、逆に緊張感が途切れず観れた。
熱量の凄い映画
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