流浪の月のレビュー・感想・評価
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テーマが重くて受け入れるのに時間がかかる
原作は見てないけど、面白そうだったので観に行きました。
ストーリーとしては面白かったが、最後が衝撃の展開でビックリした。人に言えないトラウマを持った2人がお互い惹かれ合うべくして惹かれあい、それが社会の常識との葛藤しながらもお互いの気持ちを確かめ合い、最後は文の秘密を共有することで、2人とも本当に心から結ばれ救われたのかなと思った。
広瀬すずの文とそれ以外に見せる表情の違いがよかった。しかし所々広瀬アリスに見えてしまい、やっぱり広瀬すずは小悪魔、奔放な役柄の方が可愛いし輝く気がした。湖での白鳥ボートのシーンの広瀬すずはイキイキして可愛かった。
濃厚なキスシーンやベッドシーンは結構攻めてて、映画館で見るにはちょっと気恥ずかしいくらいだった。
あと子役の子が上手いので惹きつけられた。友達の子どもの方もいい味出してたね。
結局は文はロリコンではなく、ただ帰りたくないという少女に同じにおいを感じて、連れてきたという感じと考える方が自然かなと思った。
現実的に考えれば、そういう病気なら出来損ないとかで片付けずに治療とかすればいいのではとか、もうネットで素性がバレていながら文に子どもを預けてバイトに行くとかは普通はありえないかなと思ったり、少年院なら実名報道はされてなさそうなのでそんなにすぐにバレないのでは?と思ったりしたが、まぁそれを差し引いても役者やストーリー、映像など良く、色々考えさせられる見応えのある映画だった。
すべてはその一点に凝集されて
階段を上がったカフェ、その焦点の向こうにボンヤリ浮き立つシルエットだけで彼だ!と気づく
前半から中盤は泣けるくらい良い絵が撮れている演出上の不確定要素にも応援されているようだった。しかも静けさが心地好くなんだか微笑ましく作品の雰囲気に浸っていたが、
後半はこれでもかこれでもかと苦味を足してきて情緒的な、ほど良い塩梅が完全に崩れ、この状況とその過程の根元までが露になりかなり攻めこまれました。
慣れた方がいろいろと楽でしょ
最近映画を見る時、台詞を気にすることが増えました。
前半、サラサが話す「慣れた方がいろいろと楽でしょ」を聞いた時、サラサを表す一言だと感じました。
その瞬間にこの物語に入り込めた気がします。
根底にあるテーマは、私の解釈では、『人の気持ちは、自分以外には、絶対にわからない』ということな気がします。
全然関係ありませんが、最近岩松了さんの「青空は後悔の証し」という舞台を見て、そこでも同じような印象を受けたためかもしれません。
閑話休題。
この映画でも、サラサやフミの気持ちなどないがしろにして、周囲は勝手に自分の解釈で物事を片付けたり、カテゴライズ化してしまう表現が印象的でした。
登場人物が極端に少なく、メインの俳優以外の刑事やスマホ片手に他人をバカにする学生などに、まったくフォーカスがあたらない、ほぼシルエットで見せているのもそれゆえなのかなと思いました。
後半でまとまりなく飛ぶ鳥たちの実景がこの映画を象徴していた気がします。
それから、フミがサラサの時はただ見送るしかなく、リカが警察に連れていかれる時は気持ちを爆発させる、ああいう心理描写の変化が丁寧に描かれていてグッときました。
最後に内田也哉子さんの佇まいが樹木希林さんのそれに見えて驚きました。
映画館で時間をかけてじっくりと観るべき映画な気がします。
この生き辛い世界の中に私たちの居場所と自由に流れ着くまで、生き続けていく
これぞ李相日の真骨頂。
そう思わせてくれる新たな力作!
あらすじだけでも答えの無い答えを投げ掛けているようだ。
かつて世間を騒がした女児誘拐事件。その被害者と加害者が時を経て再会する…。
我々は“映画”として観ているからであって、これが現実だったら我々も“吐き気を催す”側だろう。
誘拐事件の被害者と加害者が…。いわゆる“ストックホルム症候群”。
普通に考えたら、ありえない。ヘン。異常。ビョーキ。
でも我々は事件の“上っ面”しか知らず、当事者だけの“何か”がそこにある…。
夕刻の公園。一人ベンチに座って本を読んでる女の子。
突然雨が降ってきても帰ろうとしない。
心配になって、傘を差して聞いてみる。
「お家に帰らないの?」
すると、女の子は言う。「帰りたくない」
もしこんな場に遭遇したら、あなたならどうするか…?
それでも「帰った方がいい」と言ってしまうだろうか。
言ってしまうだろう。それが普通。当たり前。一般常識。
でもその時、一抹でも考えた事あるだろうか。女の子が帰りたくない理由を。そこまで言わせるよほどの理由がある。口にもしたくないような…。
「良かったら、家に来る?」なんて言ってはいけない。ましてや、相手は女の子。その時点で世間一般的にアウトだ。
しかし、そう言葉を掛けた。別に“助ける”なんて綺麗事ではない。何かを背負い、悩み苦しんでる女の子に、手を差し伸べて上げたかった。
そして、その女の子は拒まなかった。
二人にとって、悲劇か、救済か。
この物語の主人公、更紗と文の運命の始まり…。
世間は思う。
女の子が何者かに連れ去られ、何か“されている”に違いない。
実際更紗は…
文の自宅アパートで悠々自適に過ごす。
アイスもアニメDVD(今敏監督作品!)もゴロ寝も好きなだけ。
どんなに自由に好き勝手しても、ありのままでいさせてくれる。大量のケチャップかけは少々ドン引き顔されたけど。
本来居るべき場所=自分の家では感じた事の無い解放感。
何故なら、家では…。
父が亡くなり、母は恋人と暮らし、伯母の家に預けられるも、息苦しい。何より彼女を苦しめるのは、毎夜自分の身体に触ってくる伯母の息子…。
更紗が家に帰りたくない理由はこれだった。あの家に私の居場所は無い…。
事件が連日ニュースで報道され、更紗は文に聞く。
「私、帰った方がいい…?」
「帰りたかったら帰ってもいい」
女の子を自分の家に連れ帰った自覚はある。
が、悪質な誘拐の意思はない。
帰りたければいつでも帰り、留まりたければ好きなだけ留まればいい。更紗のしたいように。
更紗が選んだのは…。
「誘拐犯にされて怖くない?」
「怖いのは、人に知られたくない事を知られる事」
この言葉が何を意味するのか、それは最後になって明らかになるが…
文は更紗をどうこうしようとする卑猥な行為は一切無かった。それどころか、指一本すら触れず…。
世の中には性行為には及ばなくても、女の子の姿をただ眺めてるだけでいいという輩もいるらしいが、
文の場合は違う。ただ優しく静かに傍にいてくれるだけ。
居る居場所が無い私に、唯一の居場所と自由をくれた人。
そんな時間は永くは続かない。
湖に遊びに行った時、警察が現れ、文は逮捕。
世間はこう思っただろう。遂に変態ロリコン野郎が捕まった。
更紗は激しく抵抗。
世間はこう思っただろう。誘拐犯に洗脳された可哀想な女の子。
事件は解決。が、考えた事あるだろうか。被害者のその後、加害者のその後。再びこの事件が槍玉に挙げられた時…。
15年。
更紗は成人し、ファミレスでウェイトレスのバイト。
過去の事件と言っても実名報道で残り、時々周囲から話の話題になる。
慣れるしかない。そうやって生きてきた。
一流企業に勤める恋人もいて、婚約中。
新たな人生、幸せを手に入れた。
…一見は。
ある夜、同僚と夜しか開いてない隠れ家的なカフェへ。
「いらっしゃいませ」
このたった一言で、かつての記憶がまじまじと蘇るような、絶妙なシークエンス。
カフェの経営者は、文。
更紗は激しく動揺。が、あっちは気付いていないようだ。
その後どうしても気になって、度々一人で来店。それでもやはりあっちは気付いていないようだ。
ある夜仕事帰りの彼をこっそり尾行。彼は今恋人もいて、穏やかに静かに暮らしてる。
その姿を見て思わず言葉が漏れる。
「良かった…」
私が文の人生を壊したと思っていた。私だけ幸せに暮らしていたら…?
でも、そうじゃない。心からの、良かった。
またこの社会で彼も生きられるなら…。
しかし…。
恋人・亮が更紗の“異変”に気付く。
カフェに突然現れ、ある時は更紗の手首を痣が残るほど強く握る。
彼の実家に挨拶に行った時、親族から“悪い癖”を聞く…。
その亮がSNSに今現在の文の写真と経営しているカフェを投稿。
それまで控え目で従順な彼女でいたが、初めて反発。
カッとなった亮から激しい暴力。さらに無理矢理…。
亮は更紗に自分だけへの愛情を求めると共に、執拗に性欲を貪る。
それを見て思った。どっちがゲスなのだろう。
女の子を連れ帰り、指一本も触れず、居場所や自由を与えてくれた誘拐犯か。
“可哀想な女の子”の目で見て、過剰な愛情と性欲を求め、遂には暴力を振るう恋人か。
同居していたマンションを飛び出した更紗。
向かった先は、やはり“あそこ”しか無かった。
これじゃあ昔のまんま。同じ事の繰り返し。
成長し、新たな人生を踏み出したかと思ったのに、私はあの時から時が止まったまま。
それは分かっているのに、また彼の人生を壊してしまうかもしれないのに、それでもやはり…。
こんな私にまた手を差し伸べてくれた文。
どうやら更紗の事を気付いてはいたようだが、敢えて声を掛けなかった。何故なら、また更紗の迷惑になるかもしれないから。
かつての誘拐事件の被害者と加害者が時を経て再会した時…。
そこから何が始まるのか…?
更紗は文の隣の部屋で暮らし始める。
端から見れば奇妙な光景だ。異常な光景だ。
隣同士とは言え、かつての誘拐事件の被害者と加害者が“一緒に”暮らしている。
が、この平穏、温かさ、居ていい居場所は何なんだろう…。
この二人の再会の行く末は…?
かつてと同じなら、行く末も同じだろう。
更紗が同僚の娘を預かった時から、私の心にどんよりとした何かが落ちた。
一時は幸せでも、また…。
李相日とこの実力派キャストの組み合わせを見た時から、確信。
広瀬すずと言えばスポ根的な王道青春ムービーの奮闘女子が鉄板だが、名匠と組めばそれとは違う面を魅せる。何か暗い過去や重いものを抱え、その苦悩を体現。複雑な内面、抑えた感情、本格的な濃密な濡れ場も…。
ベストに挙げてもいいくらいの熱演。改めて広瀬すずという女優に魅せられ、圧倒され、頼もしさすら感じた。
今何をやっても巧い松坂桃李。彼もまた複雑な内面、抑えた感情、影を込めた演技…絶品! この繊細さ、危うさ、哀しみは、同世代で表せる事が出来るのは限られる。松坂桃李はその一人だ。
共演に横浜流星と聞いた時、力量不足と思った。彼の映画やドラマを全て見てる訳でもなく、その実力のほどをよく知らない。極真空手の世界一に輝いた経歴を持つ、ステレオタイプなイケメン…。
が、本作の彼には本当に驚いた!
前半は“理想的なイケメン恋人”。それが中盤~後半は、目付きも表情も演技も豹変。歪んだ愛情から暴力や狂気に堕ちていく。
その様に本当に怖くなった。ファン離れていくんじゃね?…と心配にすらなったほど。複雑な役柄だったら広瀬や松坂以上かも。
間違いなく本作は、彼にとって大飛躍の一本になるだろう。もしこれが認めなければ、日本映画界はどうかしている。
たった一本で印象を変えてしまう私もミーハーだが、それくらいの存在感!
ご贔屓多部ちゃんが出番が少なかったのは残念。
更紗の少女時代に、天才子役の白鳥玉季。その実力に圧倒された『ステップ』からまた成長。過去パートで非常に大きな役回りと印象を残す。
文の母親役で、内田也哉子。初登場シーンに驚いた。樹木希林と見間違えた。
6年ぶりの監督作となる李相日。
重厚で、複雑で、繊細で。
見る者の心を抉るほどのテーマを投げ付け、単純に割り切れない善悪や感情を揺さぶる。
厳しい演出で知られるも、そこから役者から名演を引き出す。
重たい題材で2時間半は身構えさせるが、見始めたらあっという間。終始緊張感を維持し、今にも壊れそうな感情やテーマを掬い取っていく。
話題の『パラサイト 半地下の家族』のカメラマン、ホン・ギョンピョによる映像美。
部屋や屋外に差す陽光、木漏れ日のような美しさ、街の夜の明暗…どれも魅せられるほど。
美しくあると同時に哀しみも滲み、それがまた本作にマッチ。
原摩利彦による音楽も胸に染み入る。
アパートを突き止め、郵便ポストを漁る亮。
それだけでもヤベー奴だが、我が耳を疑ったのは、「戻れば許してやる」。
自分のやってる事は理解し難いかもしれないが、何故許しを乞わなければならないのか…?
作品的に憎まれ役の亮だが、彼もまた哀れでもある。
更紗の心が自分に戻らないと知った時、自殺を図る。
歪んだ愛情かもしれないが、彼は彼で心から更紗を愛していたのだ。
救急車に乗せられる亮から思わぬ一言。
「もう、いいから」
更紗を解放し、亮の中の良心を垣間見た。
SNS社会の恐ろしさ。
瞬く間に拡散する。
週刊誌にあれこれ、野次馬の茶化し、悪質な嫌がらせ書き…。
さらに問題になっているのは、かつての変態ロリコン野郎がまた小さな女の子(同僚の娘)と一緒にいる事。
ヘンな奴がいた時だけ、世の中は誹謗中傷という正義で一致団結して叩く。
更紗はバイト先を辞職。(この時の店長の言葉に人格を見た)
でも何より更紗を苦しめたのは…
同僚の娘は警察に保護され、文は今回は逮捕されなかったものの、また私のせいで文の人生を壊してしまった。
文がどんな思いで人生を持ち直したか…。
あの事件の後、少年院を出てから実家へ。文は離れに住まわされ、両親の監視下に。
母親との関係が複雑。
ある時文は、母親が育ちの悪い苗木を抜くのを目撃する。
それを自分に当てはめ…。
「僕はお母さんにとって外れなの…?」
それに対し母は、
「外れを産んだ私が悪いの?」
更紗以上にこの世界に居場所が無い文。
恋人に知られ、責められる。
それに対し文が返した言葉。ただ聞けば酷い言葉だが、本心からじゃないだろう。
こんな自分との別れを決心させる為。彼女のこれからの出会いや幸せを思って。
だが一つ、本当の気持ちがあった。
自分は小さな女の子が好き。
衝撃の告白に聞こえた。
やはり彼は、ロリコンだったのか…?
いや、本当の意味なのだ。
ここで明かされる文の“人に知られたくない事を知られる事”。
文は大人になれない。
成長する上で身体…性的部分に成長が表れない病気。
男としてそれがどんなに恥ずかしく、哀しい事か。
好きな人が出来ても身体でそれを示す事が出来ない。
故に小さな女の子しか…。
更紗も性に対して抵抗意識が。少女時代のトラウマ、亮の過剰な性欲…。嫌で嫌で仕方なかった。
愛し合う男女が身体を求め合う行為はごく自然な事。
しかし、絶対的にそれが必要なんて事はない。
自分にとって本当に大切な存在だから…。
更紗だから。
自分に通じるものを感じたから。境遇、孤独、今尚抱えるもの…。
二人の関係を単に“愛”とは呼べない。
成人男性が未成年の少女を愛す。
誘拐された被害者が加害者を愛す。
それは偏見かもしれないし、正しい見方かもしれない。
何とも生きにくいこの世界。
二人の関係は、互いを受け入れ、心に寄り添ってくれる“居場所”。
それは愛という形より崇高で純粋で、穢れなき形に見えた。
あの湖で手を握ってくれたその日から。
だから今までこうして生きてこられた。
これからどんな社会の荒波に呑まれても、もうこの手を離さない。
生き続けていく限り、自分たちの居場所や自由に辿り着くまで。
流れ流れゆくあの月のように。
展開や映像の綺麗さでひきこまれる物語でした、重たいテーマなんだけど。
一番はキャスティングが豪華ということで、テーマは重たそうだなとわかりつつ鑑賞しました(小説は未読)。
まず思ったことは登場人物の濃さがすごい。
いや松坂桃李さんの役は「薄さ」かもしれませんが、というか描写がうまいんだろうな、なので演技の良さがさらにひきたつという。
一番驚いた?のは、子供時代の子役、ええと白鳥玉季ちゃん(さん?)。
演技のうまさもだけど、声質が広瀬すずに似てる?(似せてる?)
よく探してきたなぁと思った。
それにしても悪人にしても、色々と考えさせられるなあと思った。
世間の目
自分もそうだけど、世間の目ってどうしても青年が少女を2ケ月も2人でいると少女を誘拐したロリコン男のレッテルを貼ってしまいますよね。反省すべき点ですが、色眼鏡は外せないと思います。でも、サラサが必要以上に文に接しなければ良かったとは思いますが、サラサにとっての文の存在がそうさせなかったのでしょうね。二人が静かに暮らせて行ける事を願うばかりです。
映像の力
希望はある。晴れ晴れした希望ではないかもしれないが、曇天の下でささやかな希望を紡ぐことはできる。
そんなことを感じた映画だった。
タイトルからは、曇天というより月下とも言えるのだろう。
そして、自分はどちら側にいるのか、どの側にいるのかということも突きつけられた作品だった。
とはいえ、やはり映画の「映像の力」を強く意識させられた。冒頭のシーンから「ああ、これは映画だな」と思わせるカメラ。
そうしたシーンは随処にあって、ストーリーの説明ではない映像そのものの力を感じられる。
そういう意味でも映画館で見られてよかった映画だった。
映画がはねてから、映画館を出て歩き出す時に、映画館に入る前とは姿勢が少し変わる。
いい映画はそういう気がする。
役者は子役を含め、皆、緩みのない演技。李相日監督の作品である。
なんとなくCMで惹かれて
CM見て気になっていたので鑑賞。
暗いです。でもそういうの嫌いじゃない。
あらすじとか原作知らず、CMみて勝手に恋愛ものなのかと思ってたけど、そうではなかった。深かった。
松坂桃李の昔の時は…10代には見えないけど笑
これは本当に松坂桃李?横浜流星?と思うくらい自分の中の2人の印象が変わりました。
なんとなく考えさせられ、号泣というほどではないけどなんか泣け、ものすごくスッキリするわけではないけど後味悪くもない。そんな映画でした。
原作未読なので、原作読んだらなんとなくピースが繋がったりするのかな?と思い鑑賞後電子書籍購入しました。
どう消化したらいいのか戸惑っている
原作未読。
覚悟はしていたがずっしり重い話。
しかしながらどうしてこうも引き込まれるのだろう。
松坂桃李さん、広瀬すずさん、横浜流星さん、多部未華子さんと、いままで見たことのない姿を見せられた。
文のしたことを正しいか間違っているかと言うのなら間違っているのだろう。大人として、他にするべきことはあった。
個人的には、子供を危険に晒す大人や、ましてや性犯罪者は問答無用で滅してくれ、と思っているため、非常に揺さぶりをかけられた。
彼らが間違っているのだとして、間違っているのだが、間違っているのだが…………と葛藤させられてしまう。
どう消化したらいいのか戸惑っている。
(これは決して、つまらなかったということではない)
映画俳優陣安泰
いやあ、良かった良かった。バツグンのキャスティングで。ひとりひとりの芝居がまた上手い皆さん。思ってた以上に脚本 面白かった。長い時間の割に全く眠くなく最初から最後まで観いってしまった。いったい最後はどぅなるんだろうと思わせられるお話だった。是非みるべし。
日本アカデミー賞期待!
とにかく余韻のすごい映画でした。自分の感情の置き場が分からなくなった。辛く、苦しく、美しく。なんと言っても役者さん達が素晴らしかったです。特に広瀬すずさんと横浜流星さん。広瀬すずさんの文と亮に見せる表情の違いがとても印象深かったです。何か切なく、儚さを感じました。横浜流星さんは完全に亮でした。こんな演技も出来るのかとビックリしました。この作品は作品賞をはじめ、俳優陣のアカデミー賞ノミネートの可能性が高いなと思いました。とにかく素晴らしい映画でした。
つっら!!!!!
刹那くて、重たくて、めちゃめちゃ辛いとこたくさんあるけど、あ、何か好きだなーって思いました。
松坂桃李さん、広瀬すずさんの存在感に圧倒されます。エンドロールの最後にピアノの音と共に心に刻まれた一作です。
ぼくはハズレですか。。。
世間でいうロリコンではなく、身体的病気に加えて、
母親からの愛に飢えた青年の孤独を松坂桃李が
見事に演じていた。
横浜流星も嫌なヤツを演じていて、新たな一面を見た。
子役も上手かった!
終始重い空気の中150分の長さは感じなかった。
手と手を繋ぐだけの愛
李監督の映画は「怒り」を鑑賞したことがある。
その時もある刑事事件が巻き起こす人間ドラマが描かれていた。
そういえばその時も広瀬すずさんが出てたなぁ。
そして今作。
凄まじい没入感で主人公達が行き当たる困難にむずむずじりじりやるせない気持ちになっていた。
更紗と文の誘拐事件の真相を知らずに、洗脳だなんだと騒ぎ立てる世間に腹が立つものの、じゃあ自分が同じような報道を目にしたらやっぱり同じように「洗脳されてる」と思うだろうなともやもやした。
役者さんも皆さん素晴らしい演技で、特に松坂桃李さんが陰がどことなく見えるけど悪い人ではないそんな雰囲気を見事に体現されててハマり役。
特に今まで色んな人の色んな思いを黙って受け止めてきた文が真っ裸になって更紗に自分のコンプレックスを吐露するシーンは心が震えた。
SEXにコンプレックスがある2人。
手を繋ぐだけでも満たされる愛もあるんだろうなとそれも一つの愛の形かもなと思った。
結局のところ当人同士にしかわからない事情もあるのだから他人の事に首を突っ込んでおせっかいをしないほうがいいんだろうか?
2人の周囲の人はどうすれば良かったんだろうか?
どうにかしようと思うことがもう既に余計なことなんだろうか?
深く考えようとすればするほどモヤモヤする。
広瀬すずの成長と今後の可能性に畏れを抱く
150分の長丁場、全く長いと感じなかったけど、精神的に体力が必要でした。
セリフはかなり少なく、行間に緊張を持たせた感じ。雑音も少ないので、スクリーンに集中してゆく。
役者は、ハズレが誰一人いない…松坂桃李は見た目からして松坂桃李じゃない。終始表情が無いというのは、相当難しかったろうなぁ。
横浜流星は熱演、多部ちゃんは短い時間で強い存在感をよく出した。子役も素晴らしい演技だった。
そして、広瀬すず…「怒り」「三度目の殺人」でも、助演とは言え難しい役をこなしたところから、今回主役も心配ないさと思っていたら、大変失礼しました。更に大きく成長しているではありませんか。末恐ろしい子です。
撮影監督に、「パラサイト」「哭声」の撮影監督を招聘したのも良かった。それぞれのアングルや切り替え…スクリーンに惹き込まれる。
難しい問題を扱っていたけど、観て良かったです。
なお、原作も読みました。
原作も良いですが、文章だと必死に説明している感じの強いところを、セリフの行間の表情や、背景・風景の切り替えで見事に表現しており、これぞ”映像芸術”と納得できるところに昇華させているように感じました。
苦しみを抱えながら必死に生きる人間たち
めちゃくちゃいい作品でした。
登場人物がそれぞれ苦しみを抱えており、良い面も悪い面も抱えて必死に生きている様が印象的でした。見ていて胸がつらいシーンや自分と重ね合わせる部分も多かったです。
亮は一見ただのやばいやつでしたが、彼の持つ愛情は本物で彼なりにもがいていたんだろうなと思います。
亮にしろ谷さんにしろ報われない恋をしてしまった側の葛藤が痛いほど伝わってきました。
とちゅう更紗がバイト先の店長に自分のことを大切にしてくれる人の声を聞いて欲しいと言われるシーンがありましたが、理解しつつもそこに苦しんでいたのが文、更紗をはじめとする登場人物だったのかなと勝手に思いました。
パラサイトに続いて楽しめました!
あと松坂桃李さんはほんとにいい役者さんだと思います
重たい話でした
人は異質なものや自分に理解できないものを排除しようとする。
またストレスと名付けて正当化して他人に捌け口を求めたり、自分より弱そうな人間につけこんだり依存したりする。
人間の汚いところのオンパレードだった。共依存の二人しか救われない話。
でも二人でアパート暮らしをしている様子は楽園にいるような心地良さを感じた。
更紗を自由に出来るのは更紗だけ、にはちょっとグッときた。
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