流浪の月のレビュー・感想・評価
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役者の演技力と映像美で持たせる退屈な時間
全体構成が冗長でつぎはぎ感があります。
どこかで見たような表現の寄せ集めといった印象で、人物描写もステレオタイプです。
純愛を押したいのだとしたら、「大人になったさらさをふみが愛せるのか?」という点に葛藤を持たせた方が、際立ったのではないでしょうか。
小児性愛に対する偏見や生きづらさを描くのであっても同様に感じます。
彼にとってさらさが特別である理由がありません。
また、最終的にふみは病気を患っているために大人になれないというコンプレックスが明かされますが、
それと小児性愛はイコールにならないのでは?
なんかそれっぽく可哀想で切ない感じにまとめられて、
性に歪な2人が手を取り合って受容しながら生きていく…となっていますが、
それと互いを愛しているかは別の話ですよね?
主題のわからない中にそれぞれの人物が抱える苦悩が熱量高めな演技で詰め込まれ、
情緒不安定な作品といった印象。
泣いている人は一定数居たので、
ポイントで感情移入して楽しめる方なら切なくなれるはず。
繊細な演技
桃李くん、流星くん、すずちゃん、3人とも難しくて、パブリックイメージを損ねかねない役を、よく受けたなぁとおどろきつつ感心しました。
しかも、すごく繊細な演技は引き込まれてよかった。
カメラワークや色遣いと相まって、悲しみの深さがよく表現されておりました。
桃李くんがギスギスに痩せなきゃいけなかった理由は、観ても分かりにくいのですが、たまたま自分には知識があったので納得できました。
ネットに残った過去の事件……いわゆる「デジタルタトゥ」による、無関係な第三者の、元受刑者への差別と嫌がらせの描写は、フィクションとはいえ、なかなか嫌なものがありました。
ただ、後になって冷静になって考えると、現代の疑惑に対するいろいろな反応がおかしくないだろうかと。
週刊誌が本人への裏取りなく誹謗中傷記事を載せていることと、子どもの親の被害届もなく裁判所の逮捕状もなしに、警察が任意同行ではなく逮捕して連行しているあたりがどうにも違和感があり。
映画の表現だとそんなところが気になって、原作を読みたくなってしまいました。
たぶん、小説なら瑕疵はないんじゃないかorこのモヤモヤが解消されるんじゃないかと期待して。
引き込まれる
子役が広瀬すずに似てる
あらすじから非現実的で主演の2人になかなか共感できなかったけど、
松坂桃李の浮世離れしたキャラクターと減量したのか骨が浮き出た体がすごかった
広瀬すずの愛想笑い、無表情のギャップがすごいよかった
世間の反応の方はすごくリアルで、2人しか事情≠事実を把握してないので現実でも主に更紗の同僚と同じ反応してしまうかも
店長さんは最初から更紗のシフト伏せたり、心配しつつもプライベートに踏込んでこない理想の上司だった
反対に亮は演技とわかっていても横浜流星のことが嫌いになってしまうほどにヤダ味を濃縮したヤツだった
彼女をほぼ意図的に支配、コントロール
非正規の仕事を見下す
カフェでの態度や振舞い
何より気に入らないと暴力
本当にいい演技だし、良い反面教師だ
更紗が好きになろうと努力するのも良いけど、やはり関係を深める段階で更紗と亮はもっと会話しなければならなかったと思う(亮がちゃんと話を飲み込めるかは疑問だけど)
まあレイプ被害を被害者に語らせる二次被害が起きてしまうのがまた難しいところ
タイトルの「流浪の月」はエピローグの2人、セックスのない愛の逃避行って解釈した
キレイな月ですね
間もなく50歳になりますが、「愛」がどんなものなのかは分からずにいます。
が、更紗と文が終盤に至った感情や空気には、これが「愛」なのかと思わせる雰囲気がありました。それが愛だとしたら、やはり愛にはいろんなかたちがあるんだと改めて気付かされました。二人の関係もその一部に過ぎないんでしょう。
散々な悪態つかれた亮に対し「これまでありがとう」と言い、唯一の拠りどころである文に対し「迷惑かけてごめんなさい」と口にする更紗が印象的でした。
「親ガチャ」の影響を受けた二人が「社会ガチャ」とも言える環境に流されていく。最終的にそれを受け入れられた二人は羨ましくも見えました。そんな存在と出会えた二人、キレイな月を一緒に見上げられた二人はある意味幸せですよね。
「二人」の関係は他の誰が理解、評価するものではないし、自分の想いを大事にすることが何より大事であることを再確認しました。
最後に、この映画は難役をサラッと表現した広瀬すずさんの存在がなくてはありえない映画でした。
タイトルなし(ネタバレ)
【良かった点】
李監督らしい人間の心理描写を丁寧に魅せるつくりに酔いしれることができた。
2人が選んだ道は険しく、到底理解はできないが、応援はしたいと思わせる説得力があった。
【良くなかった点】
2人のパートナー役だった多部未華子さんと横浜流星さんが不憫すぎる。せめて2人のその先も少しは気にしてあげてほしかった。
人生に絶望し、あきらめてきた二人が見つけた選択
15年前の誘拐事件。当時の被害者と加害者は再会を果たす。
心に傷を抱え、人生をあきらめてきた更紗と文二人でいる時こそ、自分らしさを出せている。
しかし、世間が許さない。全く言うことを聞いてくれない警察、悪意に満ちたマスコミ、一般人の攻撃。
再会して本当によかったのか?
なんとも言えないが、人生に絶望し、諦めてきた二人の最後の選択にどうか救いがあればと思った。
心に傷を抱え、被害者として上辺の同情と可哀想のレッテルを貼られ生きる更紗の不憫さ。
他人とのやりとりで見せるぎこちなさが上手い。
それと横浜流星の新境地。
更紗を束縛・支配しようとする面と裏切ってほしくないという心の弱さを持つ二面性。
中盤、再登場するシーンの姿には少し鳥肌がたった。
あまり魅力を感じない2枚目俳優だと思っていが、見事にやられた。
2人にしか分からないこと
重そうな雰囲気に150分とまあまあの長尺に若干の不安を感じてはいたけれど良かった。
亮くんが激昂するところ以外は、ほぼ静かにゆっくり進んでいく。
男の子がいるか、女の子がいるかでも感じ方は違うだろう。更紗を家に帰りたくないと思わせた人は被害者家族で、文だけが悪いのか?
真相はどうであれ、法ではやはり誘拐になるし、世間(特にマスコミ)はよりセンセーショナルに捉えたがる。
ファミレス同僚のヒソヒソや、店前で文の写真を撮る中学生男子とか、被害者は一生被害者で加害者は一生加害者でいなければいけないという社会を見せられた。文と更紗が
一緒にいたら、それはそれで頭おかしいみたいな方向に持って行きたがる。
SNSをやってない自分にはイマイチ理解できない場面でもあった。
150分ながら、飽きる事も眠くなる事もなく引き込まれたのは作り手の力量か。
横浜流星くんが空手チャンピオンだったのは有名だけど、それだけにあの本意気のパンチ、怖い
タイトルなし(ネタバレ)
原作は本屋大賞に輝いた凪良ゆうの同名ベストセラー小説。
あ、本屋大賞受賞作だったのね・・・ というのを知っていれば、この展開も無べなるかなというところ。
突然の雨に濡れながら公園のベンチで本を読んでいた10歳の少女・更紗(さらさ)。
彼女の目の前に傘を差しだしたのは、大学生の文(ふみ。松坂桃李)。
行き場のない更紗に「家に来るか」と声をかけ、そのまま、何日もが経過してしてしまう。
孤独な文と更紗は他意のない共同生活を続けただけだったが、世間の目からは「幼女誘拐・拉致」と映ってしまった。
それから15年。
成人した更紗(広瀬すず)は、社会人の彼氏と共同生活を営んでいる。
しかし、ふたりの間はぎこちない。
彼女の過去だけでなく、彼氏の束縛にもよるものだった。
そんなある日、同僚の女性と田舎町には珍しい深夜営業のカフェを訪れた更紗。
その店の経営者は、文だった。
彼氏との共同生活の果てに行き場を失くした更紗は、そのカフェに名を告げることもなく、何度も訪れ、ただ静かにコーヒーを飲むだけだったが、いつしかその行動は束縛の強い彼氏の知るところとなり、文の現在がネットに晒されてしまうようになる・・・
といったところから物語で、ここまでで3分の1ぐらいか。
どこまでも落ち着く場所のない更紗と文の物語は、古くは近松門左衛門の道行きものに通じるところがある。
李相日がそれを意識したかどうかはわからないけれど、行き場のないふたりを作ったのは「世間」というものだった。
「世間」からみれば、
文は幼女誘拐拉致のロリコン少女愛好者という唾棄すべき人物であり、
更紗はそんな性愛者に洗脳された少女の成れの果て、罠にかかったままの悲しむべき人物
ということになる。
更紗がそんな人物ではなく、両親を亡くし、叔母のもとに引き取られたが、叔母の息子(従兄にあたる年長の少年)がいかがわしい行為をし、それを口に出来ないまま、居場所を失くした。
そして、文が彼女に居場所を与えた、つまり、希望を与えたということは前半すぐにわかる。
それを「世間」が観ていないだけ・・・という文脈のようなのだが、映画が進むにつれて、文側にもなにか秘密があるように描かれていきます。
この映画の核はそこなのだけれど、そこを書くのはさすがに気がひける。
けれども、文の行き場のなさを「それ」(という特殊事情)に着地させることで、映画のものがたりにおける普遍性を失ってしまい、とても残念に感じました。
つまり、特殊であるがゆえに納得できるという、これまた「世間」の論理が持ち込まれてしまい、非常に落ち着きが悪い。
そんな特殊事情がなければ、このものがたりは納得できないのか?
いや、そうではないだろう。
そう思えて仕方がない。
李相日監督はこの特殊事情をどう感じたのだろうか?
これだから仕方がない、とは描いていないが、この特殊事情だから多くの観客にも受け入れられると思ったのだろう、たぶん。
最終的に「衝撃作!」という印象が残ってしまうことが、この映画の問題なところで、受け手としての自分の気持ちはどうにも適切な着地点を見いだせないでいます。
とはいえこの映画を否定することでもなく、この評価です。
李相日×種田陽平作品
月はどっちに出ている
切なすぎる
最初から最後まで
どこも手抜きをしてない
切なすぎて、もどかしくて
最後は
あぁ、良かったなぁと少し救われました
諸手を挙げて良かったとは言えないですが
お互いが心の支えになれる関係になるなら
見守りたいです
俳優陣も凄かったです
松坂桃李は全般物静かでしたが
池でぎゅっと手を握り締めたところ
裸でうずくまったところの感情がたまらない
泣いちゃいましたね〜
横浜流星のクズっぷりも最高でした
まるっきり亮でした
救急車に乗る前に手を振りほどくところは
グッときてしまった
さらさのお二人にも感情移入しちゃって
映画の長さは全く感じなかった
心に残る場面は書ききれないくらい
たくさんすぎて困る
また、じっくりと見たい作品です
追記
先日、テレビ番組で
三浦友和が 流浪の月 良かったよ
と横浜流星に言ったとの事
同じ感想だったんだーとちょっと嬉しい
2人を取り巻く人々の微妙な機微と本音、徐々に露わになりぶつかり合う...
タイトルなし(ネタバレ)
実は原作を購入ているが未読である(笑)
どんな話なのだろうと思って鑑賞してきた。
流浪の月とは松坂桃李が演じる佐伯文のことと理解した。月は欠けている。それは、自身が完璧な人間ではない、ということを意味してると、私は捉えた。
文は男性器が成長しないという病気らしい。そんなことがあるのか、私は知らない。調べてみると類宦官症というものがあるが、どうだろうか。
文は男性器が成長しないことについてコンプレックスなのだろう、性格が暗い。暗い設定のはずなのに、子供と戯れるときは明るいし、彼女がいたりする。
文は川?湖?で仰向けになって月を眺めた時に泣いたのだが、その時は何故泣いたのか全く意味がわからなかった。だけど、最後に文が裸になった時に、自身が完璧でないから泣いていたと理解できた。
文は完璧でないこと、成長していないこと、にコンプレックスを抱いている。文は子供の頃に、母が庭の成長しない木を抜いてしまったところを目撃していて、この体験をいつまでも強く記憶している。成長しない木と自身を重ね、母に自分が外れかどうか問い質すこともあった。
文は恋人に15年前に少女誘拐したことがバレてしまう。恋人はショックを受けた。文は自身が少女が好きと嘘を言う。嘘をつくことが彼にとって楽な選択だったんだろう。悲しい。
松坂桃李は役のためか、ガリガリだった。体重を落としたと思われ、プロフェッショナルだ。
一方、ヒロイン更紗を演じるのは広瀬すずだ。名前は知ってるけども、というくらいで
彼女の演技、というか仕事ぶりを見るのは初めてだ。エッチなシーンを演じるなど気合が入っているように感じた。演技は何も問題はない。
更紗は少女の頃、文と出会い誘拐されている。事実は雨の中公園にいる更紗に文が声を掛け自宅に誘ったのだが、誘拐というより保護に近い。行方不明となっている更紗を通報するなどの当たり前の行動をしなかったことが良くないのか、何故か誘拐と片付けられてしまっている。そして文は少年院に入るのだが、更紗は自身が文を酷い目に合わせたと考えずっと後悔していた。
更紗もまた可愛そうな人だ。家庭環境が複雑で、少女の頃に同居する中2の男にイタズラされていたようだ。また、大人になっても事件の被害者としてネットで調べられればすぐに気付かれてしまう。何故か暴力的な彼氏を引いてしまう。
文と更紗が15年後に再会し、それが週刊誌に報じられる。とはいえ、今ならYouTubeなどのSNSでいくらでも自分たちのことを説明できるのにしない。何故だろう?
そういえば、後半で文が吐いたシーンがあった。何故なのか分からなかった。どういう意味があったのだろうか?
話としては結局最後に文と更紗は結ばれたと私は思った。きっとね。
ポップコーンを買わない方がいいです。
天晴!広瀬すず
そんなことって、、、
広瀬すずの体当たり演技が印象的
全530件中、301~320件目を表示













