流浪の月のレビュー・感想・評価
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実は原作を購入ているが未読である(笑) どんな話なのだろうと思って...
実は原作を購入ているが未読である(笑)
どんな話なのだろうと思って鑑賞してきた。
流浪の月とは松坂桃李が演じる佐伯文のことと理解した。月は欠けている。それは、自身が完璧な人間ではない、ということを意味してると、私は捉えた。
文は男性器が成長しないという病気らしい。そんなことがあるのか、私は知らない。調べてみると類宦官症というものがあるが、どうだろうか。
文は男性器が成長しないことについてコンプレックスなのだろう、性格が暗い。暗い設定のはずなのに、子供と戯れるときは明るいし、彼女がいたりする。
文は川?湖?で仰向けになって月を眺めた時に泣いたのだが、その時は何故泣いたのか全く意味がわからなかった。だけど、最後に文が裸になった時に、自身が完璧でないから泣いていたと理解できた。
文は完璧でないこと、成長していないこと、にコンプレックスを抱いている。文は子供の頃に、母が庭の成長しない木を抜いてしまったところを目撃していて、この体験をいつまでも強く記憶している。成長しない木と自身を重ね、母に自分が外れかどうか問い質すこともあった。
文は恋人に15年前に少女誘拐したことがバレてしまう。恋人はショックを受けた。文は自身が少女が好きと嘘を言う。嘘をつくことが彼にとって楽な選択だったんだろう。悲しい。
松坂桃李は役のためか、ガリガリだった。体重を落としたと思われ、プロフェッショナルだ。
一方、ヒロイン更紗を演じるのは広瀬すずだ。名前は知ってるけども、というくらいで
彼女の演技、というか仕事ぶりを見るのは初めてだ。エッチなシーンを演じるなど気合が入っているように感じた。演技は何も問題はない。
更紗は少女の頃、文と出会い誘拐されている。事実は雨の中公園にいる更紗に文が声を掛け自宅に誘ったのだが、誘拐というより保護に近い。行方不明となっている更紗を通報するなどの当たり前の行動をしなかったことが良くないのか、何故か誘拐と片付けられてしまっている。そして文は少年院に入るのだが、更紗は自身が文を酷い目に合わせたと考えずっと後悔していた。
更紗もまた可愛そうな人だ。家庭環境が複雑で、少女の頃に同居する中2の男にイタズラされていたようだ。また、大人になっても事件の被害者としてネットで調べられればすぐに気付かれてしまう。何故か暴力的な彼氏を引いてしまう。
文と更紗が15年後に再会し、それが週刊誌に報じられる。とはいえ、今ならYouTubeなどのSNSでいくらでも自分たちのことを説明できるのにしない。何故だろう?
そういえば、後半で文が吐いたシーンがあった。何故なのか分からなかった。どういう意味があったのだろうか?
話としては結局最後に文と更紗は結ばれたと私は思った。きっとね。
ポップコーンを買わない方がいいです。
未だにラストの衝撃が頭から消えない。
汚れも裸も関係ない女優魂 広瀬すず
芝居を超えた眼の表現 松坂桃李
一分一秒全てに意味と価値がある名作。
実景ひとつ取っても無駄がない。
李相日 監督 × ホンギョンピョ 撮影監督は
邦画の垣根を越えアジア映画となった。
重く苦しい世界観のまま行く事に
血の気をひきながらも
それを楽しんでたのですが、
ラストの衝撃は
このジャンルとしては異例で
一歩間違うとコメディになる。
これをこの演出した
李監督の凄さがたまらない。
本当の真実なんて本人しか知らない。
これだけ苦しいのにまた観ます。
あ、静を楽しむ映画でもあるので
ポップコーンすら
「あれ?食べてていい?」
って気になります(^_^;)
天晴!広瀬すず
役者の演技が最高。
特筆すべきは広瀬すずと横浜流星の演技が鬼気迫る迫真の演技でスクリーンに釘付けだった。
今年の映画賞では主演、助演は固いのでは。
広瀬すずは少し影のある女性を演じると光ものがあるとつくづく思う。
ラストの方は世間体関係なく2人をそっとして欲しいと胸が締め付けられる気持ちになる。それくらい役者と作品がマッチしていたと思う。
そんなことって、、、
とても繊細な描写の映画でした。それぞれの俳優さんたちがまた新しい境地を切り拓いたのではないでしょうか。
原作を知らないが、原作の小説の面白さを十分に想像させる作品に仕上がっているのではないだろうか。
得体の知れないものや自分の想像を超えるものを世の中は受け入れてくれない。
こうあるべき、こういうものであるはずである。思い込みとは時に怖いものである。
広瀬すずの体当たり演技が印象的
広瀬すずの体当たり演技がとても印象的。
よく、事務所がここまで許したなと。
事務所の売り方も変わって、ただのアイドルとかではなく、もっともっと背筋が凍るような演技を見せてくれる人が増えると嬉しいな。
スクリプトはまあまあかな。
悪くはないと思うんだけど登場人物に共感しきれなかった。なんとなく登場人物のおかれた不幸な境遇が、王道すぎると言うか、少し安っぽかった気もしないではない…
役者の熱演は良いのだが、肝心の内容は薄い。リアリティ皆無の失敗作。
舞台挨拶中継付きの初日上映を鑑賞。
広瀬すずの久々の主演映画という事で楽しみにしていました。しかし、余りの酷い出来に驚愕。現実にはありえない、突っ込み所の多いエピソードが多過ぎて、感情移入も出来ません。役者陣は良かったのですが、監督と脚本がダメ過ぎて、肝心の内容が台無しになっています。原作自体がボーイズラブ小説が売りの女性作家が描いた妄想ファンタジーに近いのですが、それを監督が更に作り変えて、原作に無かった改悪場面が多く、更に混乱を招いています。
暗くて気分が悪くなるようなシーンがやたらと多く、2時間半と長いわりに説明不足。それぞれの人物描写や過去や背景などが深掘りされてないため、内容が薄く感じます。広瀬すずのベッドシーンも酷いもので、気持ち悪く不快な描写がやたらと長くてウンザリ。ストーリー上の設定や意図があったにしても、もう少し綺麗に撮ってあげる余地はあったはず。前半も疑問だったが、後半は更に「このシーン、必要か?」と疑問に思う所が多く、違和感が増してくるし、あそこで警察が介入してくる事自体が、リアリティが無さ過ぎて、お粗末な展開に呆れるばかり。ラストの展開も蛇足感があり、結局は彼らの愛がどこまで本物なのかも伝わってこないまま、尻切れトンボみたいに終わってしまいます。
俳優さん達は本当に素晴らしい人ばかりでしたが、制作サイドが駄目な印象です。若手人気女優でトップクラスの広瀬すずも、ようやく久々に主演映画が出来たと思ったら、こんなダメな映画に出演させられて、無駄に汚れ役をさせられて、酷い目に遭わされてる・・・という痛々しい気しかしません。この監督自身、心から伝えたいものなんて、それほど持っていない人なのだと感じました。そうでなければ、こんなに薄っぺらく意味不明なダメ映画にはならなかった。何よりも脚本をこの監督に書かせたのが、大失敗だったと言えるでしょう。別の腕の立つ脚本家に任せれば、もっとマシな映画に仕上がったに違いありません。
終演後に舞台挨拶中継があったのが救いで、それだけ楽しめたという感じでした。日本には良い俳優が沢山いる事実を改めて認識しました。それだけに今回のこの映画の内容の中身の無さや、出来の悪い脚本には、本当に残念。とても人にオススメなんて出来ない、気分が悪くなるだけの映画です。ひたすら暗くて不快で、本当の愛すら描けていません。その代わりに、心を病み過ぎてる?変な人物ばかりが、それぞれ異常な行動に走る。そんな場面を増やして、余り物事を深く考えないタイプの観客を引き付ける。そんな安っぽい技法や演出で、内容の薄さが誤魔化されてる感じがあります。広瀬すずの無駄使いみたいな映画でした。次回はもうちょっとマシな監督の作品に出てほしいですね。あと、多部未華子が結構重要な役で出ているのに、何故か出番が思ったよりも少ない。これも別の意味で多部未華子の無駄使い、と感じてしまいました。
これだけ酷い内容なのに、絶賛してるレビューが異常に多いのが不思議。
関係者やサクラが多いのかもしれませんが、それだけではないような気もします。「内容がよく理解出来ない」と言いながら、「俳優の演技が上手いから」とか言って、高得点をつけてる人が多く見られます。「自分の好きな俳優が頑張ってるから、悪い評価はつけたくない」みたいな感じでしょうか。
この映画では広瀬と松阪、メインの2人が何度も酷い目に遭わされる場面が繰り返されて、重苦しくて救いようのない不幸のどん底みたいなパターンを執拗に見せつけられます。冷静に見ていれば、本当は好きでも愛してもいないダメ男と同棲して、婚約までしてしまう時点で、主人公自身に大きな問題があると分かるし、わざわざ自分からトラブルを招くような異常行動をしてる事が分かるので、全く共感が出来ません。
更に冷静に考えていくと、こういう現実性の無い妄想ファンタジーの物語自体も問題だと分かるし、更にその原作を作り変えて改悪している監督も、問題だと分かります。こういう明らかにおかしな映画を見て「可哀そう!(涙)」「素晴らしい!迫真の名演技だ!」とか「何かよくわかんないけど、深いかも」「何かわかんないけど、考えさせられる」とか言って、ひたすら号泣して大感動してしまう人達。そんなパターンがツボの思考停止した日本人が、実は思った以上に多いのかもしれません。「今年の映画でベスト1位だ!」なんて言ってる人までいて、実に恐ろしい限りです。
人に勧める感じ、じゃ無いけど面白い
原作は、読んでいませんが本屋大賞だけ
あってストーリーは良かったです。
特に演技が良く松坂桃李の激痩せした
サイコっぽさ広瀬すずの清純さや脇役の
横浜流星、多部未華子も良かったです。
また白鳥玉季(子役)と広瀬すずが割と
似ている所も凄く良かった。
150分が長く感じず、これだけの役者が
出ていて、むしろ得した感じ。
衝撃のラストも含め、人に勧める感じの
映画ではありませんが、私的には面白い
映画だったと・・" (原作読もっ)
ワンランク上の作品
原作を読んでいたから、場面の切り替わりにもついていけた
原作をうまく再現出来ていたと思う
その場面だけで無く、後にも繋がる台詞のうまさ。セリフだけで語りすぎず演技でどんな人物を伝えるうまさ。ワンランク上の作品
カフェだけで働いて生活できるのかを始め、細かく気にすれば問題は色々あるが、それにも負けない力がある
人は見たいようにしか見てくれない。その通りだからこそ、横浜流星の役もも映画の場面だけで無く背景まで見て考えてあげたい
長い長い旅へ
原作は読んでいません。
幾度も出てきた街の夕暮れの空が、本当に息を呑むほど美しかったです。青インクが滲んだような空と雲が、知らない国の地図に見えたりしました。
◉雨と夜空の物語
雨に惹き寄せられるように、青年佐伯文(松坂桃李)と少女更紗は出遭い、何年か後に、夜空に引き込まれて文と更紗(広瀬すず)は再会する。青年と少女が身を委ねたものは事件ではなく、心の安らぎだったと言うのが話の核になっている。
更紗の少女役を演じた白鳥玉季の、幼い逃亡者の雰囲気が絶妙。観ている者も文の取った行動に共感してしまうほどでした。文は戸惑いつつ更紗に惹かれていく。
◉壊れた人 壊れていく人
文の表情は母親との関わりにおいて既に壊れてしまった人のもので、更紗の表情は堪えてきたけれど、間もなく崩壊する人のものだった。
作品によって怒号を上げたり、無言だったりするけれど、松坂桃李の凍てついたような表情は、いつも何かを予感させてくれていいです。無言がもどかしい時もあるけれど、後で、その訳が柔らかく分かったりする。
広瀬すずの方は、ちはやぶる以来、しばらく作品の中で晴れ晴れと笑う顔を見たことがないような気がします。一度死んでくれのラストシーンで笑いましたかね。
常に翳りと対になったような役が多い。美しいけれど、例えば抱きしめて救うことの出来ない儚さが、こちらももどかしい。
◉やや急進的な破局へ
文は過去の事件を更紗の恋人に暴露されて、彼女(多部未華子)と破局を迎え、更紗も結婚寸前で別れてしまう。骨董屋で、細かな細工の施されたグラスにじっと見入った更紗は、壊れることへの危機を予見していたとか。
ところでDV夫(横浜流星)は、こんな言い方は失礼かも知れませんが、私が予想した倍以上、狂気の瞳を見せてくれたと思います。思えば、この夫も何とも子供っぽくて、もどかしかった。血塗れで担架で運ばれて行きながら、もういいと呟いて更紗の手を離すシーンは切なかった。
制作陣と俳優陣の力が、凄い勢いで作品に昇華してくれたことを、観客として素直に喜びたいと今、改めて思います。
ただし過去の事件が、異様に呆気なく周囲やマスコミに拡散された筋書きは、観ていて少し肩の力が抜けたのは事実です。長尺を生かして、もっと自然にして欲しかった。何なら3時間越えでも 笑
文が自らの身体の異常を告白する、ちょっとホラーめいたシーンから一転して、気持ちを決めた二人を照らす月のシーンの、諦めも滲ませた透明感の素晴らしさ。文と更紗は天空の地図を辿って、長い旅に出る。
「文」は綴る言葉を、「更紗」は織り上げる布を表象していて、しかし、その言葉と布は、誰にも読めない見えない…だったりするんでしょうか。
原作を読んでみます。
疲れた夜の上質体験
原作未読で、お疲れ気味の平日の夜に鑑賞。
150分もの作品を観るのは久々のため、少し心配もありましたが、最後まで引き込まれてしまいました!
テンポは早くないし、セリフもあまり多くない。
でも表情や間合いなど、シーンごとに沢山のメッセージが発せられていたのだろうと思います。
まず冒頭から映像が美しい。。
他の方もレビューされていましたが、全体を通して、光や風、水、月といった不定形なものの描写が印象的でした。
昼間の自然光(文の部屋)や、夜の灯り(カフェ店内)も見所。暗闇の大画面で観られて良かった。
また主演のお二人は言わずもがな、どの俳優さんも見ごたえがありました。
キャスティングの経緯が気になります。
横浜流星さんを初めてきちんと観ましたが、とても演技派だったのですね。
白鳥玉季さんも難しい役どころを自然体で演じていて、これからの活躍が楽しみです。
(広瀬すずさんの子ども時代がぴったりすぎて、驚きました)
ストーリーについては、一般的な恋愛関係ではないということで(ソウルメイト…?)、表現の度合いが難しかったのではと思います。
外野からすると「本人たちが良いならそれで良いじゃん」となりますが、果たして実生活で、見知った人が同じ境遇だったら、、?
自分はそんな境地でいられるのか、邪推をしないでいられるのか、考えさせられました。
しいていえば、終わり方が少し唐突に感じました。「あれ、エンドロールになった!」と。
原作とどう違うのか気になります。
個人的には、更紗と文が仲良く「パプリカ」を観ていたのが一番のツボでした!
2つの笑顔
さてさて、やって参りました。化け物俳優・松坂桃李の新作でございます。本作も非常に楽しみにしてました。ただ、やはり重いのは勇気がいる。150分という邦画にしてはかなりの長尺のため、気合を入れて鑑賞。結果、素晴らしい作品でした...こりゃ日本だけに上映するのは勿体ないよ。
どうやら本作の撮影監督は「パラサイト 半地下の家族」の方らしい。お見事だった。光陰や焦点などのこだわりがすごく、映像だけで孤立感や閉塞感が感じられるようになっていた。登場人物がどのようなことを思っているのかがひしひしと伝わる、映画ならでは・映像化したからこそできる技法を多く採り入れていた。また、原作を読んでいない私からすると、どのような言葉遣いでこの繊細さを表現したのかが気になり、原作を読んでみたいなと思った。これほど実写化成功の作品はそうない。既読未読両者どちらでも楽しめると思われる傑作です。
そんな映像も相まってか、重厚感がとてつもなく、なのに時間を感じさせない作品で、最初から最後まで心持ってかれっぱなしでした。映像だけでなく、音楽の質もかなり高い。不意に流れる陽気な音楽でさえ少し怖さを感じさせてしまうほど、鋭く悲しい曲調の連続。おそらくこの映画、無声映画でも胸が締め付けられると思う。そのくらい、映像・音楽・編集・演出が今年の邦画、いや、全ての映画の中でも頭1つ抜けています。今年の映画を語る上で、この映画は欠かせないかなと。
広瀬すず主演の映画で面白いなと思ったのは「一度死んでみた」のみ。「三度目の殺人」も「ちはやふる」も全くハマらなかった少数派です。演技が上手い、っていうイメージも正直ないですし、松坂桃李も出演しているといえど少し不安でした。が、この映画でその印象は完全に覆りました。たった一つの「笑顔」という表情で、2つの想いを物語る。こんなにも孤独な愛想笑いを見たのは初めて。心の中に潜む事件を知る全ての人に対する「諦め」、文(松坂桃李)に対する愛ではない「好き」を強く繊細に表現。こんなにも上手い女優だったのか...。間違いなく、彼女の代表作となるだろうし、アカデミー賞も主演女優賞取るでしょうね。
松坂桃李もまた、怪演です。
この役のためにかなり痩せたらしく、おかげで変態色が強くなっている。傍から見たら変態ロリコン野郎だけど、中身は一緒にいると何故か癒される物静かなお兄さん。これを演技で見せれる彼は何者ですか?ラスト30分なんてもうなんと言ったらいいか...。胸が苦しくて苦しくて、一粒涙を流してしまった。改めて、天才俳優だということを実感させられました。
この2人以上に強烈なのが、カメレオン俳優・横浜流星。めちゃくちゃカッコよくて大好きな俳優なんですけど、今回はもうやばかった、!!目が怖い...。自分が更紗(広瀬すず)を守らなきゃと言って、次第に彼女をコントロールしていく。行動を制限し、暴力を行い、暴言を吐くのにも関わらず、傷ついた彼女を見て抱きしめ、致そうとする。いやもう、ゾッとするどころか、吐きそうになりました。ネタバレになっちゃうのであまり言えませんけど、横浜流星の映画と言っても過言じゃないくらいインパクト大でした。
拭いきれない違和感というのは残ったままで、世間と警察の描写がどうも納得出来ずじまいって感じはあったのですが、役者の怪演・映像美・脚本・構成・音楽などなど、世界に誇れるものが沢山詰まった秀作でございました。カンヌ国際映画祭に出品して欲しいな。見る際は覚悟を決めて、ご覧下さい。
頭から離れない
大学生が女児を誘拐する事件が起こった。そして15年が経ち、当人達が再び出会ってしまったことで第三者からの非難、当事者の生活が音を立てて崩れていく様を印象的に描いた本作。
本作における主要人物のそれぞれの演技に圧倒された。
事件の被害少女を演じた広瀬すずの場面ごとの性格、雰囲気の変わりようは凄まじく、子供時代を演じた子役ともリンクしており、環境や人で真の自分を隠すことで自分を守る成長過程も想像できるほど繊細だった。
一見、無機質で人間味のない雰囲気の中に葛藤や脆さ、激しい絶望感を併せ持つ文を演じた松坂桃李は間違いなく本作の核となっていた。更紗と接する時の安心感に満ち溢れた大人である文、自分を蝕み、隠し続けた秘密を更紗に明かす子供に戻り、取り乱したシーンのギャップには目が離せなかった。
そして本作で最も強烈なインパクトを残した横浜流星の演技も圧巻だった。
更紗への愛が大きすぎるが自分に自信がなく、更紗を縛ることでしか自分を見てもらえない弱さ、脆さを十分に表現しており、その不安を拭うために振るう暴力でさえもどこか哀しさがあり、見ていて辛くなった。
本作では映画ということもあり、文と更紗に感情移入することができ、第三者の2人に対しての仕打ちや態度に疑問を抱くことができる。しかし、いざ現実で誘拐事件の犯人と被害者という情報だけを与えられたら劇中の第三者と同じ行動を取ってしまうのではという問題提起をされたと感じた。
物事を一面だけで判断する危うさに警鐘を鳴らす作品だと思う。
ただただ涙しました
多分原作の譲れないところを映画にした
と言った感じで150分とは思えないほど
あっという間にでした。
そして、足りない部分を補いたいので
原作を読んでみようと思ういます。
日々を少し違う目線で見てみようと思わせてくれた作新です。
出会えて良かったです。
役者の葛藤・・・地上波での広瀬すずさんのインタビューで・・・
役者・監督・原作・撮影すべてが期待値高め。公開楽しみにしてました。最近のインタビューで語った役者としてのバックボーンとなる人生経験の希薄さ・・・苦悩している広瀬さんを観ました。思わず応援したくなり、どんな演技になったのか?違う期待で、すずさん中心に鑑賞してきました。
主人公の家内更紗・文の経験なんて人生では皆無。事件をとりまく社会の状況・反応は、リアルな現実社会の事件や犯罪で、誰もが吐き気を伴うほど日々感じることができる経験・・・引き算的な人生経験では、作品の主人公の感情をどう演じていいのか分からないって、役者の広瀬さんは思ったのでしょうか?トラウマ・自己肯定感・誤認逮捕・DV・ネット社会・・・辟易する世界観と、分かり合える二人しか理解できない幸せな時間。最後に明かされる真実。美しい映像と突き抜けた今まででは見たこともない演技のハイブリッド、自身の仕事の最高峰を求める映画作りの気迫が伝わり、とっても好きな映画でした。(希薄と気迫:駄洒落じゃないですが・・・マジ思いました)リアルな脚本が好きな方には不向きかも?リアルな演技好きの方にはお勧めです。今まで見れなかった俳優陣の演技が見れますよー
また、広瀬さん作品期待してます!
年明けの賞レース独占確実でしょう!
auマンデー『流浪の月』
広瀬すず&松坂桃李W主演・・・・
ここ数年の松坂さんは、作品のチョイスが絶妙なので楽しみにしてた作品
すずちゃんが、TVで子役からやってるので、実体験より役柄経験の方が多くリアルが分からないのでって・・・
そりゃバイト経験も同棲経験もないよね。
逆に松坂さんは、ビックリする程バイト経験あるって言ってたし既に既婚者だしアカデミー賞でも最優秀主演&助演受賞者
今回も役作り含めて所作も凄すぎて・・・・脱帽です。
闇堕ちする横浜流星さんは、実体験なければ出来ない動きしてたね^^;;
多部ちゃんの使い方も贅沢でした。
物語は、10歳の少女の気持を察し青年が、ロリコン誘拐犯として逮捕され・・・
加害者の少女も真実を警察に伝えきれてない葛藤に悩み続けて、15年後に再会するってお話
ラストで、全裸になり全てを曝け出す松坂桃李演じる文の姿に愕然としました。
TVサイズでも劇場で観ないといけない邦画って年に1〜2本ありますが、これがまさにそんな作品です。
年明けの賞レース独占確実でしょう!
演技力と演出で魅せられた映画
原作未読鑑賞
実力のあるメインキャストが集まった中でも松坂桃李が飛び抜けすぎてて・・・
奥底にある絶望感というのを非常によく描いていた
例えばさらった少女との一見楽し気な食事をしているシーンでも
恋人と一緒のシーンでも、どこか心から楽しんで無い様な感情の表現をしていた
あと文の母親役で出演していた内田也哉子さんも、登場シーンとセリフは少なかったが
圧倒的な演技力で観たものへ爪痕を残すような存在感でした
李監督の演出も人間の表と裏を月になぞらえて表現するという素晴らしいものになっていた
「私の何を知っているの」
この一言がこの映画の主題となってる言っても過言ではない
文の絶望
更紗のトラウマ
亮の暴力性
誰しもが持っている人間の裏側・暗部・知られたくない真実は誰も暴くことはできない
月の裏側は誰も覗けない
物語のほうは、映画中退屈になる場面はなかったのだけれども
テンポが一定すぎている感がありました
抑揚を言いたいところだけど、題材が題材なだけに難しいところではありますが
評価は敢えて厳しく言うと4に届かない・・・何か足りないが何かは分からない
評価 3.98
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