「新しい横浜流星くんに出会えました」流浪の月 ねねこさんの映画レビュー(感想・評価)
新しい横浜流星くんに出会えました
本読んでまずひしひしと私が感じたのは、教育は洗脳だった。
登場人物たちは、とにかく実母の残像に縛られていて、そこから抜け出せないまま大人になってしまっているのだけど、そこに彼らが疑問も怒りもない所が私はとても苦しかった。ただただそれでも母さんに認められたい、母さんが好きなのがしんどい。いっそ嫌いになってしまえば多分違う物語になったと思う。
文と更紗はとても対照的な母に育てられてて、全然違う二人なのにお互いの欠けた部分を奇跡的に埋めあってしまった。二人の友情とも恋愛とも違う愛を、映画では一体どう表現するのかなと思っていたけど、とにかく皆さんの演技力がすごかったよ。
すずちゃん!
可愛いだけじゃなかったわ。
原作の自由な更紗はすずちゃんのサラッとした天真爛漫な感じとピッタリでリアル更紗だったし、文は監督が桃李くん以外にあの世代であの透明感だせるの誰が他にいると思います?言うの納得のまんま文だったし。そして推しですが、亮の流星くんはめっっちゃ怖かった。
怖かった、けどね。
流星君の亮はとても可哀想にみえた。亮もまた身勝手な大人の事情に振り回された可哀想な子どもなのを思い出されたよ。
原作の亮はもっとそれでも許せないし怒りが込み上げたけど、流星君の亮は彼の目を見てたら可哀想になってきてヨシヨシしてあげたくなった。
亮の弱さを流星君は絶妙に演じてたと思う。
以下、トークショーの備忘録です。
流星君は原作にすごく惚れ込んでたらしいのだけど、監督は本当は流星くんは亮じゃなくて文をやりたかったんじゃないのかな、けど話してみればみるほど、あの昭和な感じが亮にしか見えなくなってきて、と昨日話しておられたの笑。思わず吹き出してしまった。昭和。笑。わかる🤣
監督はイケメン俳優からの脱却という点で、私のこれまた大好きなまあきゅん(岡田将生)もかつて同じように悩んでてた時期に、悪人でこれまでの王子キャラとは違う役を演じて、という話をされていました。流星くんの今回の役も同じように、これまでの彼の役柄のイメージを覆す新しい彼が見られることを期待してください。