「胸を打つ150分の心の旅」流浪の月 humさんの映画レビュー(感想・評価)
胸を打つ150分の心の旅
「俺ははずれだから…」
文が裸になり振り返りながら更紗に苦悩を打ち明けるシーン。
ぽとぽとと落ち続ける文の涙の重さは
更紗には痛いほどだっただろう。
咄嗟に駆け寄り文を抱きしめようとする更紗。
更紗が近くにいるほど怖かったと打ち明け、払い除ける文。
長年、向き合ってもらうことができなかった肉親との関わりや身体へのコンプレックスは文のこころに高く険しい壁を築いていた。
しかし怯まず文に向かう更紗。
彼女自身も心にのしかかっていた過去からの闇を突き抜ける瞬間だった。
慟哭が吹き荒れたあとの静寂。
疲れ果て目を閉じ眠る文と
それをみつめる深くやわらかな更紗の眼差しは
かつて更紗を助けた時にみせた文のそれとおなじ温もりだった。
衝撃的な告白は、行き場を失うような切なさで
観るものの心までも切りつけてきたが
すべての過去を受け入れ成長した更紗がそこにいたことで地面にたたきつけられるぎりぎりのところでふわりと舞う一枚の羽に助けられたかのように展開した。
自分といればまた。。。と、
更紗を大切に思うからこそ臆病になる儚げな文に更紗は言う。
「その時はまた流れていけばいいよ。」
この覚悟ある更紗の言葉の力は
安らぎと強さをもって沁み渡る一筋の光。
文にも、私たちにも。
生きづらさを感じる魂はそこかしこにあることを胸に置く。
同時に、そこに手を添えられるのも私たちであることを伝える。
すこしの希望とたくさんの不安を纏いつつ歩み出した二人の強い絆。
これこそが 紺色の夜を彷徨うときにも淡くやさしく照らして包む流浪の月なのだろう。
原作を読んでからの鑑賞。
原作と映画ではすこし描き方はかわる部分もある。
すべての事象は偶然でなく、必然であることを改めておもう。
心ある人として生きるとき忘れてはいけないものを。
俳優陣の内面から湧き上がる感情の細やかな心の表現に見入る長くて短い150分でした。
ご丁寧に返信いただきましてありがとうございました😊
私も楽しく過ごさせていただきましてうれしく思っております。
再度本作を観る機会があれば、
今日のこと念頭に置いて味わいたいと思います。
返信結構でございます。☘️
コメントしていただきましてありがとうございます。
文の家裕福なのに息子をあんな小屋に入れ、文は、食事を用意してくれる事をありがたがる、
関係性はわかります。
病気?→事件でますます疎外される文、伯母の家で辛い生活だった更紗の二人が再会。
大変失礼いたしました。
不躾な質問しましてすみませんでした。
他の方のレビューで薄々わかりました。身体の病気。
文のお母さんがもっと上手く支えてあげれば色々違ったか、と思います。
humさん
みかずきです
フォローの件、事務局に確認メールを送信ところ、
その後、正常にフォローできるようになりました。
お騒がせして申し訳ありませんでした。
-以上-
humさん
みかずきです
すみません。
humさんのフォロー処理がうまくいきません。
単純なシステムエラーだと推察しますので、
システムエラーが治るまで、お待ちください。
-以上ー
humさん
みかずきです
コメント&フォローありがとうございます。
私の方からのフォローさせて頂きました。
10年近く前から、キネマ旬報、kinenote、yahoo映画レビューなどに映画レビューを投稿していますが、こちらのサイトには今年2月に登録したばかりの新参者です。
宜しくお願いします。
では、また共感作で交流させて下さい。
-以上-
みかずきさん はじめまして。
コメントいただきありがとうございます。そうですね。きっと逃避ではなく『生き続けること』だと共感いたします。
経験を乗り越えてきた者に宿るたくましい絆の強さを信じたいです。
はじめまして、humさん
みかずきです
共感ありがとうございます。
humさんのレビュー、
しっかりと作品に向き合って考察された深いレビューですね。
終盤の更紗の流れるという台詞。
私は現実逃避ではなく生き続けるという意味だと感じました。
強い絆で結ばれた二人ならば、生き続ければ、いつの日が希望の光が差す時は必ず来ると思います。
-以上-