「"わかりあえる" この絶望的な言葉」流浪の月 いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
"わかりあえる" この絶望的な言葉
始終、涙目で鑑賞してしまった。これだけの悲しみを何故に人間は背負わなければならないのか。
そんな虚無感に苛まれる作品である。
本屋さん大賞受賞の原作(未読)であるので小説レビューも拝読したが、その中でも評価が二分されている、
好き嫌いのハッキリするストーリーであろう。それは今日の数多あるニュースサイトのコメント欄のそれと同様だ。
偏見、差別、嫉妬と蔑み・・・
興味本位とコマーシャリズム・・・
それはフィクションであるストーリー内容でさえも歯牙に懸ける。
矛盾点を必要に突くことで人は優越感に浸る。そこに上下関係が生まれ上と下は互いに憎悪の対象となる。
この二人に出来ることは"逃避"しかない。受容れる余裕のないこの社会で、それでも生きていくにはこの選択肢しかないのだ。
心ない人間はこういう。曰わく「努力しろ」「がんばれ」と・・・
それは誰の為の言葉なのだ。それは自分が単に楽になりたいだけなのだろう。
ラスト前のクライマックスでの裸での告白は、あのシーンだけではしっかり理解は困難である。それは観客自ら
考え、調べて欲しいという監督のメッセージだと思う。
でも、もう少しシルエット的な演出、若しくは大胆に文字や医学書等挿絵的な差込で演出しても良かったのではと・・・蛇足である。
コメントそして共感ありがとうございます。
文と更紗。
ほんとうにじきょうさんが書かれている
「わかりあえる」関係性。
一緒に過ごすことが「幸せ」なのでしょうね。
ラストのシーンは、映像では見えませんし、解りませんものね。
》大胆に文字や医学書的等挿絵を差し込むなどの演出をして・・・
確かにそう思います。
敢えて触れないこと、言葉にしない、そういった演出でしたね。
私ももう少しリアリティがあってもと、思いました。