劇場公開日 2022年2月25日

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「(事実上)2部作と考えると、猫が出てくるところの意味は分かりづらいかも…。」愛なのに yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5(事実上)2部作と考えると、猫が出てくるところの意味は分かりづらいかも…。

2022年3月14日
PCから投稿

今年73本目(合計346本目/今月(2022年3月度)15本目)。
大阪市では1週間遅れのミニシアターにて。

本編自体は、「猫は逃げた」とはリンクはしていませんが、セット扱いで扱われることが多く(公式サイトでも相互にリンクされている)、こちらの作品にも猫は出ます(主人公を誰に取るかは難しいにせよ、古本屋の方が飼っている猫)。ただ、出るだけで何らかの意味があるのか…というと、こちらの作品にはおそらくなさそうです(「猫は逃げた」のほうはあるのでしょうね)。

もともとR15という扱いで、それも「大人の営みの描写がPG12を超える」という趣旨ですが、R18まではないという扱いです(なお、誰を主人公に取るかは微妙にせよ、主人公の子との行為自体は明確な描写なし。さすがにそれまで描写するとR18扱い?)。

趣旨的にどう取るかは…。単純な恋愛ストーリーに「ちょっとしたエロティック」という見方も可能ですが、(正しい意味での)フェミニスト思想(男女同権思想)が背景にあるように思われます。この手の映画(特に、さらにPG12以上つくような映画)は概して、「男性が主で女性が従」という「伝統的な」とらえ方で描かれるものが多いですが、本映画は「明確に」そうなっていないからです。
その意味では、そのような思想が背景にあって作られたのではないか…という見方も可能ではないか…と思います(いくつかの解釈はありそう。恋愛の在り方がどうとか、途中に出るキリスト教がどうこうといったお話など)。

下記、気になったところです。

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 (減点0.3) 当然に、「親は子供に宛てられた手紙を理由なく開封できる」のではありません(そのような明文規定はありません)。あるのは「成年後見人が、成年被後見人にあてられた郵便物の開封」(860の3)で、さらにその場合でも「後見行為に関係しないものは被後見人に速やかに交付する」扱いです(860条の3の2)。

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 ※ この規定は、成年被後見人というのは、「精神上の障害により判断能力を欠くとし、家裁から後見開始の審判を受けた人」であるところ、そうした人が、勝手に高額な契約を結んだりすることをあらかじめ回避する、という「予防的な意味合い」がかなり強いです(そうした人にも、憲法が要請する通信の自由は当然あるので、「関係ないものは本人に返せ」と民法でも但し書きで書いているのです)。
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 もちろん、親権一般の考え方や常識論で考えれば、3~9歳くらいの子の手紙を親があけるのは、どこの国でも当たり前だし(そもそも2~3歳では読めないし、逆に親が開けないほうが親権を行使していないといえる)、民法上なくても、当然に存在する親権一般の考え方です。ただ、主人公(誰にとるかは難しいですが、女子高生の子)は高校生であり、何度も届いているという事情が「描写されない」のに、「たまたま開けたらなんだこりゃ」って「本人にも確認せずに」「突然当事者に」おしかけるのは、これはどうなのか…というところです。親権にも自ずと限界があるからです(3~5歳、8~10歳の子に対するそれと、16~17歳に対する親権の取れうる行為は、常識論的にも社会通念上も全て当然違う)。

もっとも、これを理由に家族同士でもめることはあっても裁判になることは「理論上」あっても、日本では「家族同士で裁判・調停をする」というのは事実上タブー扱いで(戦後でも数えるほどしか存在しない。離婚などは別)、それをもって「親は17歳(令和4年4月から、18歳で成人になります)の手紙まで好き勝手何でも開けていいんだね」というように取られれかねず、配慮不足かなぁという気がします。

 ※ 要は程度問題で、「明確に何度も意味不明の手紙が子に届く」ような場合、親が開封してしかるべき対応を取るべきものであり(未成年誘拐などが想定できるため)、「高校生程度の子と成人の子の「数回の文通まで」いちいち、「本人に一応の確認もせず」関与されるいわれはない」というものです。
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yukispica