劇場公開日 2021年8月27日

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「傑作とまでは言えないが、見応え充分!」オールド kazzさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0傑作とまでは言えないが、見応え充分!

2022年9月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

WOWOWの放送にて。

物語の説得力が今一つではあるが、先が読めない展開は凄い。
…と、思ったら原作(グラフィックノベル)があるらしい。どこまで原作に基づいた筋なのだろうか。

予告編で見せられたビーチがテレビドラマ「LOST」を連想させたので、孤島なのだと勝手に思い込んでいた。ところが、リゾートホテルのプライベートビーチだという。あれ?じゃあ逃げ出せる?いやいや、そういう仕掛けだったか!

恐ろしい早さで人が老化いていく奇妙なビーチ。
子供があっという間に大人になってしまうのだが、知識まで大人にはならないでしょうに…。
製薬会社がこれを治験の短縮化に利用したとしても、申請用の臨床試験データはどうするのか…。
、、、素朴な疑問は多々あるのだが、シャマランの独創性が発揮されていて、全体的には面白かったと思う。

ビーチの秘密はサラリと説明され、大人になってしまった子供たちが脱出法方に気づく。
大事な箇所を観客ではなく登場人物たちが納得することで押し切ってしまうのは、ファンタジー映画の常套手段だが、観てる側は腑に落ちない。

イントロダクション部分が冗長で難点ではある。この際、夫婦間のイザコザなどどうでも良いと思うのだが、終盤に老化した夫婦が最期の言葉を交わすところでこれが効いてくる。
人生の終焉が間近な老夫婦の愛切が漂ういいシーンだ。
最後の大逆転も、この長いイントロが伏線になっている。

医師のセクシーな妻の末路は、ちょっとやり過ぎではなかろうか。これが作品全体の品位を落としているようで残念だ。

ジョーダン・ピールが怒濤の勢いでこのジャンルを席巻している今、シャマランには先駆者として踏ん張ってほしいと、切に願う。

kazz