「大人になったら見えるもの、大人になったら見えなくなるもの…その先に見えるもの」オールド バフィーさんの映画レビュー(感想・評価)
大人になったら見えるもの、大人になったら見えなくなるもの…その先に見えるもの
『シックスセンス』『サイン』などで注目され、逆にその注目がプレッシャーとなってスランプに陥った時期もあったM・ナイト・シャマランの新作。
実は今作、ネタバレしてほしくないということで、マスコミ試写が行われていないことからも、評論においては非常に困った作品ではあるだけに、ぼんやりとした表現になっていること、ご了承いただきたい。
シャマランが父の日に子供から貰ったグラフィックノベル「サンド・キャッスル」からインスピレーションを受けて、資金が足らない部分は、自分の自己資金を投入して製作された作品である。
シャマランと子供の関係性は映画作りにおいて、大切なものとなっていて、『レディ・イン・ザ・ウォーター』は、子供達に読み聞かせる物語を想像して制作されたほど。
親ばかと言うべきか…
今作においても、親と子の絆というのが、ひとつのキーワードともなっているし、大人になってしまったからそ、見えなくなってしまう、複雑化させてしまうけど、実は純粋さの中に答えがあるという皮肉的な要素も強い。
登場する大人は医者だったり、精神科医、学者、元水泳選手など教養のあるキャラクターが多い。
しかし、時の流れが通常とは違う、謎のビーチにおいては、それぞれの知識や能力は無力でしかない。
年老いていく焦りや現象への戸惑いから、より冷静さは失われていくが、その中で歳をとること、成長することでの身体の変化、心の変化をグラデーションのように描いていて、ファミリードラマの10シーズンが凝縮された内容のようでもあるし、少し『ファンタジーアイランド』や『LOST』の要素も含まれているように思える。
ケン・レオンのキャスティングは『LOST』繋がりだろうか…偶然かな?
シャマランは今までにも、ヒッチコックやスタン・リーのように、自身の作品にサプライズ出演してきたわれだが、今作においては、かなり重要な人物として登場するが、これも子供たちから貰ったプレゼントから制作されたことも影響しているのかもしれない。
シャマランは一時期、ティム・バートンに監督が決定する前に『チャーリーとチョコレート工場』のオファーを受けていたことからも、原作者のロアルド・ダールのテイストを今までにも、作品のスパイスとして使用することもあって、今作は特にラストに、それが感じられた。
というか原作がそうなのかもしれないが…