すべてが変わった日のレビュー・感想・評価
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へんてこ西部劇スリラー(ほんのりジム・トンプスン風味)。狙いは良識派保守VSホワイトトラッシュ?
「西部劇テイストのサイコ・スリラー」との映画会社の触れこみ。 「なんじゃそりゃ?」とつい気になって視聴。 たしかに、なんだかまあまあ得体の知れない映画だったなあ(笑)。 西部の牧場主夫婦を主人公にとる、馬と銃に彩られた物語という意味では、西部劇風。 再婚家庭で起きる孫の連れ去り事件という意味では、ドメスティック・サスペンス風。 追跡の過程で、美しい風景と夫婦の心の旅が重なる点では、ロード・ムーヴィー風。 荒地の一軒家に恐ろしい家族が待ち受けるという意味では、サイコ・スリラー風。 『悪魔のいけにえ』や『サランドラ』のようなホラー寄りの側面も漂ってくる。 ジャンル感のよくわからないまま、成り行きで映画のテイストまでがくるくると変わっていくので若干とまどうが、突き詰めて考えてみると、やはり本作の本質は「ノワーリッシュなサイコ・テイストを宿した現代版の西部劇」ということなのだろう。 信念と生き方を異にするふたつの家族が、荒野のただなかでぶつかり合う。 結局は、そういう話だ。 最終盤の一種異様な展開もふくめて、「老保安官の出てくるウェスタン」だと思えば、あれもこれも、いろいろと得心がいく。原題の『Let Him Go』というのも、いろいろ意味がかぶせてあるんだろうけど、いかにも西部劇っぽいし。 ただ映画としては、出来自体にしっくりこない部分も多い。 ダイアン・レインの言動に全編を通じていまひとつ共感できないのは、それこそ作り手の「狙い通りの仕様」だから、そこはべつだん構わない。 問題は、もっと根本的な部分だ。 まず、ケヴィン・コスナーとダイアン・レインが小ぎれいすぎて、あんまり牧場で細々と暮らしている老カップルに見えない(なんかこいつらハリウッドの香りがするんだよw)。あまりにふたりの息子の死にざまがくだらなすぎるうえ、そこのシーンの作りこみが弱い。あと、孫がちっとも可愛くない……これは結構重大なマイナス点だ。 時系列のつながりや回想シーンの挿入が、わざとというよりナチュラルにわかりにくい。シーン間のテイストの均しがうまくいってないので、展開がどうにもちぐはぐだ。いかにも出しときゃいいんだろ、みたいなインディアンの青年との交流も上滑りだし、夫婦で急に盛り上がっていちゃつくシーンもかなり前後から浮いている気がする。馬の出てくる某シーンは個人的に全く受け付けないうえ、ラストでそんなつなげ方しちゃあさすがにダメだろうと思う。総じて、力を入れて書かれたセリフにかぎって、外してる(サムい)感じがする。 悪党一家が街であれだけ治外法権扱いされている理由も、映画だけからはイマイチよくわからないし、だからこそ地元警察の対応がありえなさすぎて現実味を欠く。奥さんがわざわざ町から移動してあそこに夫を連れて行かねばならない理由も僕にはつかめなかったし(町だと見つかるから?でも旦那あの状態だよ?)、あれだけのことをされたらもっと司法上できることがいっぱいあるんじゃないのか、と普通に思う。 あと、総じて見通しのいい風景にしか見えないんで「ちゃんとついてこないとたどり着けない迷路のような土地」に全然見えない。最終盤の展開でも、ビッグママがなんであんなことやっちゃったのかは本当に理解に苦しむ。 とはいえ、モーテルで起きる「あの衝撃的展開」以降は、しょうじき十分に、嘘偽りなく楽しかったし、「そういう映画」としてはまあまあぶっ飛んでいて、個人的に嫌いじゃない。どこか歪み方に、ジム・トンプスンの香りがするんだよね……そういう意味で、最初に「ノワーリッシュ」と言ってみました。 でも、コスナーにせよ、監督にせよ、この原作の何がそんなに「ぐぐっと刺さって」、映画化までしようって話になったんだろう? 原作も、こんなヌエみたいな妙ちきりんなノリの話なんだろうか。伝えたいことの「核」がとらえにくいストーリーであるぶん、そこはちょっと気になる。 意外と、トランプ政権下で鬱屈した人たちの、政治的な意図とかあるんじゃないのか? 「同じ共和党支持者でも、古き良き保守派の良識的な白人と、どうしようもない無知で傲慢で犯罪的なホワイトトラッシュの双方がいて、後者にはみんなだってほとほと困り果ててるんですよ、くれぐれも一緒にしないでくださいね」みたいな(笑)。 コスナー自身は、気に入れば民主・共和どちらも応援する人だけど、たしかブッシュ親子とも懇意だったもんね。
各々のキャラに感情移入しにくい部分はあるが…
ユーロライブにて試写会鑑賞。
K.コスナー演じるジョージとD.レイン演じるマーガレットの夫婦は息子夫婦と共に暮らす所から始まる。息子は事故で亡くし、未亡人となった息子の嫁をしばらくは一緒に生活するものの新しい夫ができた事により息子の嫁そして孫と別れることになる。
ただそんな新しい夫が息子の嫁と孫に対し暴力をするところを目撃し、また所在も伝えず遠くに引っ越した事から危険を感じ夫婦で救出に行くストーリーである。
息子の嫁の新しい夫がまた厄介な家族の持ち主であり母が絶対な存在でありいい歳した息子連中もそれに従順となる。暴力に支配された家庭でもあり息子の嫁も孫もまた暴力に支配されている。田舎に住んでいる事もあってその支配がより際立つ。
ただでさえ血縁関係が複雑なジョージ夫妻が救出するにはもちろん大変な事。
一度は救出に失敗し腕を斧で切り落とされる。
警察に通報するもジョージが最初に銃を向けた事や、孫を誘拐しようとした為に起きた正当防衛だと相手は主張し警察も相手方に付き相手にすらしてもらえず。
最後はジョージが自分の命と引き換えに息子の嫁の新しい夫の家族を全員殺してなんとか息子の嫁と孫を救出成功するところで作品は終わる。
いわゆるサイコスリラーと評していい作品だと思うんだが、不気味だったり気味の悪い緊張感が冒頭から終盤まで漂っておりこちらも緊張感を味わいながら楽しむ事ができる。
特に息子の嫁の新しい夫の家族と関わってから決着をつけるまではドキドキする展開も多くスリラー要素を楽しめる。
ただ作品を通して一人一人のキャラに中々感情移入しづらくどうも没入できない部分も否めず。
孫の為に必死になるマーガレットの気持ちは十分共感できるが気持ちとは裏腹に行動言動が薄くまた息子の嫁の存在も支配に怯えてる様子が薄くイマイチ魅力に欠ける。
新しい夫の家族の描写や警察が取り合ってくれない展開もそうだが全体的にその辺りが駆け足気味なのがジョージ夫妻が感じる恐怖を没入する事まではできなかったか。
あの家族の不気味感は楽しめるのだがもう少し支配による恐怖を感じたかったようにも思えた。
物足りなさは少々感じる部分あったが全体的には十分楽しめた。モーテルのシーンをはじめ中盤の不気味の悪さによる緊張感はエキサイトした。
たまらない夫婦愛とバイオレンスとスリラーの作品!
#すべてが変わった日 を見ました❗️ たまらない夫婦愛とバイオレンスとスリラーの組み合わせに驚かされる映画です。 老夫婦は、事故で息子をなくします。 その後、息子の妻がDV男と再婚し、それを見かねた老夫婦が、彼女と孫を救う? 義理の娘の新しい夫の姑が、サイコパス! 主人公は、それをなんとかしようとする妻を守るために、自分がサイコパスファミリー家に乗り込みます。 年輪を重ねても、お互いを支え合う夫婦の大人の姿に心が痺れました。 全体的に暗い雰囲気なのですが、それが、恐ろしさをバージョンアップさせてくれます。 重たい内容ですが、夫婦愛とサスペンスが楽しめる作品です! #映画好きと繋がりたい
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