ビルド・ア・ガール
劇場公開日:2021年10月22日
解説
1990年代前半のUKロックシーンを舞台に、冴えない高校生から辛口音楽ライターに転身した少女の奮闘を描いた青春ドラマ。「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」のビーニー・フェルドスタインが主演を務め、作家・コラムニストのキャトリン・モランの自伝的小説を映画化した。1993年、イギリス郊外に家族7人で暮らす16歳のジョアンナは、底なしの想像力と文才を持て余し、悶々とした日々を過ごしていた。そんな日常を変えるべく、音楽情報誌「D&ME」のライターに応募した彼女は、単身ロンドンへ乗り込んで仕事を手に入れることに成功。しかし取材で出会ったロックスターのジョン・カイトに夢中になり、冷静な記事を書けず大失敗してしまう。編集部のアドバイスにより、過激な毒舌記事を書きまくる辛口批評家“ドリー・ワイルド”として注目を集めていくジョアンナだったが……。共演は「ジョジョ・ラビット」のアルフィー・アレン、「いつか晴れた日に」のエマ・トンプソン。
2019年製作/105分/R15+/イギリス
原題:How to Build a Girl
配給:ポニーキャニオン、フラッグ
スタッフ・キャスト
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「ブックスマート」でフェルドスタインの魅力に開眼した人にとって本作は、彼女が内へ外へと繰り出すパワフルかつダイナミックな表現性を享受できるまたとない機会となろう。冴えない高校生が一転して90年代の辛口音楽ライターというカルチャーの最前線に踊る出るシンデレラストーリーも型通りとはいえ安心して楽しめる。若さの特権とは試行錯誤してちょっと調子に乗って、それから壁にぶつかって、もう世界の終わりだ、絶望だと感じてもそこからまた這い上がることができること。自分一人の力で生きていると思いきや、そこに様々な大切なものが介在していることに気づくことで、ひとまわり成長することができる。その点、ライターや音楽業界うんぬんというより、むしろ「17歳の肖像」などに通じる少女の通過儀礼の物語と言えるのかも。もっと書くことや伝えること、はたまた音楽に対する根源的な情熱をじっくり浮かび上がらせて欲しかったとも思うのだが。
2022年11月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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音楽をケコナスのは良いが、主人公の設定はロックを知らない事になっていたはずだ。
だから、この子に『ボヘミアン・ラプソディ』をディスられたくないと思った。そして、色々な艱難辛苦乗り越えて、成長したように描いているが、最初のオタク少女が一番良かったと思う。
さて、所謂レビューの辛辣さを批判した内容だと思うが、その後一転して、彼女はまともな所で採用され、立派なコラム書きに成長したと締めくくる。それ以前にいた会社は、音楽を酷評する事を含めて、悪辣非道な事をする集団と描いている。だから、音楽を酷評する者に対する偏見を産んでいると僕は思った。
しかし、その実態は、
音楽に限った事ではなく、一般的にレビュー(若しくは口コミ)は、寧ろ、過大評価な場合が多い。なぜなら、市場経済が潜んでいるからだ。駄目なものを紹介しても、市場を狭めるだけだからだ。パフォーマンスを発信する人の利益が減るし、紹介する雑誌などの販売部数も減る事になる。
だから、パフォーマンスをする人をクライアントと考えて、クライアントに忖度して、過大評価するのが、現実だと思う。
また、賞レースも似た所があり、昨今の映画賞も出来レースが多いと感じる。
僕がこの映画をレビューすれば
『ビルド アンド スクラップ ア ガール』だ。
2022年7月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
地方都市でパッとしない日々を送るヒロインが、「文才」という自らの才能だけで冒険に乗り出していく成長譚。きっかけは、自分のやらかしで家族を経済的苦境に陥らせてしまった、要は“お金”のためではあったが、16歳のジョアンナにとって出来ることは文章を書くことくらい。これでお金を稼ぐ!一旦こうと決めた後の猪突猛進ぶりはなかなか逞しい。たとえ、それが暴走気味で派手に壁にぶつかって傷だらけになっても、そんな失敗は若さゆえで、全部ひっくるめて眩しく見える。
ジョアンナが恋に落ちるシンガーを演じているのはアルフィー・アレン。この人、『ジョン・ウィック』でジョン・ウィックの愛車を奪ってボコボコにされるロシアン・マフィアのイメージが強かったので、こんな柔らかい雰囲気の演技も出来るんだなあと新鮮でした。
半自伝的小説の映画化でほぼ事実に基づいているらしいがどこまでかは本人のみぞ知る。基本主人公が好きになれない。駄目でいる時も成功している時も。ずっと他人を見下している。確かに文才があったのだろうがこういう人に何度失敗しても大丈夫と言われたくは無いかな。ジョン・カイトは聖人みたいな人だ。
珍しく主人公が失敗しても可哀想にならなかったのでそこはそれなりにいいのだが、結局成功した人生という事。