ラスト・パーティー LAST PARTY
2018年製作/92分/オーストリア
原題または英題:Die letzte Party deines Lebens
スタッフ・キャスト
- 監督
- ドミニク・ハートル
-
エリザベス・ワビッチ
-
マイケル・グランチニグ
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アレクサンドラ・シュミット
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マーカス・フレイステッター
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バレリー・フーバー
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アントニア・モレッティ
2018年製作/92分/オーストリア
原題または英題:Die letzte Party deines Lebens
エリザベス・ワビッチ
マイケル・グランチニグ
アレクサンドラ・シュミット
マーカス・フレイステッター
バレリー・フーバー
アントニア・モレッティ
卒業旅行で訪れたリゾート地でジュリア達が次々と姿を消していく、THEサスペンス映画。
真相が明らかになるにつれてストレスが溜まる系の展開なので、鑑賞後には全くすっきりできず、爽快な余韻とは程遠い作品でした。
中盤頃まではサスペンス自体は味わえるので、ストレスに強い方はお暇潰しにどうぞ。
(視覚的エグイシーンもほぼ無しなので、ゴアファンはスルーでOK。むしろギャグ寄り)
以下【ネタバレ】含む感想
「I Know What You Did Last Summer」っぽいと思ったら、そのまんまでした。違いは、真相が徐々に明かされるタイプという点。
そのせいか、主人公達の「すっとぼけ感」には耐えがたく、苛々が止まりません。
「Last Summer」では登場人物が大小あれど罪と向き合いますが、本作の奴らは罪を知らんぷり。その無責任さに呆れるばかりです
多くの人が感じると思いますが、レイプしたゲス野郎2人組が殺されない事実にまずストレス。
それでいて事件当時不在のレキシー、いたけど寝落ちで唯一「全く知らなかった」が通じるルキは殺されるという不条理。全4人の被害者の内、半数が優先度の低い相手で、犯人の動機が滅茶苦茶。もはやただの殺人狂です
個人的に最もイラついたのがジュリア。レイパー2人組に対して平然と「ゲス野郎」と言い放つ姿を見て、「お前が言うな」としか思えませんでした。
まるで「友人がレイプしてたなんて今初めて知りました〜だからワタクシは無関係ですのよ」的態度。ありえない!
被害者アナを「真実か挑戦か」で目隠しして隣室に待機させ、男子2人を送り込んだのはジュリア含む女子共(ジェシー&デニス)です。少なくとも10分は犯行が行われていたとして、その間何も確認せず放置。事後のアナの様子も一切気にしない。
どう考えてもジュリアは共犯です(見返したら、何なら一番囃し立ててたのジュリアじゃん!)
なのに親友ジェシーの行方がわからなくなると「ジェシーは処女だから心配」し出す始末。うるせーゲスビッチ!
作中少しでもアナへの贖罪シーンがあれば違った印象になったかもしれませんが、ジュリアは最後まで「私はヤってないから関係ない」スタンス。
結果、ビッチ2人は制裁されたけど、ジュリアは特に大きな外傷もなく犯人を殺し「は〜ヤバいのに巻き込まれたわ〜」で勝ち逃げエンド。
これがレイプ犯2人以上に腹立たしい
最後にルキの死体がコメディレリーフにされてましたが、苛立ちのせいで全く笑えず。そこはルキではなく、やはりゲス野郎にすべきでした。
犯人も殺されて完全終了ではなく逃走エンドにして、生き残ったジュリアやゲス共に不安を残す終わりにしておくべきでは?
罪と罰のバランスが尖りすぎてるよ…
総括
恐らく監督は意図的にジュリアをこんな設定にしたのかもしれません。
「本当に悪い奴は痛い目に遭わず逃げ切る」といった現実の不条理さがテーマなのでしょうか?
ですが犯人の殺害優先度の滅茶苦茶さもあり、たとえメッセージ性があったとしても散らかりすぎです。
少なくともレキシーを殺してはダメだったと思います
結果として、エンタメとしての復讐劇カタルシスは皆無で胸糞さだけが目立つ作品となっています。
しかし演出面は王道から学んだ感があり、雰囲気作りは割と良かったのではないでしょうか。でもお勧めはしません