ジェノサイド004
2020年製作/132分/オーストラリア
原題または英題:Monsters of Man
スタッフ・キャスト
- 監督
- マーク・トイア
- 製作
- カロリン・トイア
- 脚本
- ジェフ・ハンド
- マーク・トイア
- 撮影
- マーク・トイア
- 音楽
- クリストファー・エルベス
2020年製作/132分/オーストラリア
原題または英題:Monsters of Man
アマプラの作品紹介を読んで「これはターミネーターのNGのやつや…あかんやつや…」と思いながらも、吹き替え版ということで、サクッとながら観するにはもってこいと思い視聴スタートしました。なーんにも期待せずに。ところがぎっちょん、これが結構面白かったです。
製作者サイド自身が、端からB級と割り切って作っている確信犯だと思います。
でもまぁすごいですよね。そんな作品にこれほどまでのCG描写できる技術を駆使できる時代になったのですから驚きです。
この映画やたらと痛覚に訴えかけてくるグロ描写が多いです。
ターミネーターのNGが、心臓や脳髄をナイフで抉り出したり、骸の顔の皮をはぎ取ったり。
掌や眼球が銃弾で射抜かれるとか。弁慶の泣き所を骨折して骨が肉を突き破って露出するとか。膝の皿にガラス片がざっくりと突き刺さるとか。地雷を踏んで片足の大腿部から先が吹き飛ぶとか、もうやりたい放題です((((;゚Д゚))))ヒィー
グロ耐性がそこそこある私でも、思わずPCのモニタから目を背けるシーンが多かったです。
ところがね、こいつやっぱりターミネーターのNGなんですわ。
現在の技術を持ってしても赤外線センサーやCO2センサーやマイクロ波・ミリ波、熱画像カメラ…etcで生体感知が十分可能らしいんですわ。
数千億円単位で開発されているジェット戦闘機以上の超ハイテクロボのはずなのにですわw
200万円未満の軽四にも搭載されている技術なんですわw
なのにカメラからの視覚とマイクからの音声のみでターゲットを認識するとか、ゾンビかよ。
転倒して岩の隙間に挟まってジタバタと身動きとれなくなるとか、かなりお茶目な一面もありましたし。
まぁね、最重要モジュールが旧態依然の5インチHDDってところで全て推して知るべしのターミネーターのNGなんですが。
性根の腐っている私が評価したのは、本当の“ワル”は何の断罪もされないまま終わる後味の悪さなんですよね。
終わってみれば犬死に累々で何の救いもない映画。こういうの結構好き。
冒頭からジャングルで逃げる女性をロボットが殺害、字幕で「現在、200社以上の企業がAI搭載ロボットを開発している。多くは軍事目的で作られたものである」と表示。映画もそのとおりCIAとロボット企業の面々が試作ロボットのテストにベトナムとカンボジア国境の麻薬密売組織が潜む村を襲撃する話、武装集団だけならともかく、車の故障でたまたま村を訪れた医師団や罪もない村人、子供たち迄、殺しにかかる、まさに皆殺しの非道映画だから観ていて辛い・・。
004というのは送り込まれた4体のロボットのことでしょう、その内BR4号は着陸時にモジュールが外れて業者の遠隔操作不能、自我に目覚め、終盤で命とは何か、命の大切さについてメイソン大尉と村の子供と対話します。
SF作家アイザック・アシモフが提唱したロボット3原則のひとつ「「人間に危害を加えてはならない」をロボット開発企業は肝に銘じて欲しいと言う科学倫理への警鐘も裏テーマということでしょうかね。
監督・脚本のマーク・トイアさんはオーストラリアでコマーシャルの監督として成功、当時56歳だったトイアは、ベトナムでネスカフェのコマーシャルを撮影しているときにこの映画のアイデアが浮かびコマーシャルの監督でも長編映画を監督できるという証明をしたかったようです。製作は奥さんのカロリン・トイアさん、不動産投資で稼いだ自己資金 160万豪ドル(約1億5,601万円)やクラウドファンディングで集めた資金で製作、インディーズ映画にしてはCGは割と良く出来ていましたね。