劇場公開日 2021年10月8日

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ONODA 一万夜を越えてのレビュー・感想・評価

全96件中、21~40件目を表示

5.0言葉にならない・・

2023年6月14日
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鑑賞方法:VOD

余りに丁寧な描写に前半は見ているのが辛い程重い。しかしそのディティールの描写の凄さが最後の最後の究極的なエンディングのリアリズムへと結実する。史実に寄せた映画をあまり評価しない方だが、この作品、日本で作られたらこれほどの迫真性は持たなかったであろう。ひとりの人間の人生と戦争の関係がこれほどまでに凄味を持って描かれた映画を他に知らない。この上映時間の長さに押し潰されない映画製作の技術と執念に感服する。イッセー尾形がとにかく凄い。

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mark108hello

4.0淡々と描く

2022年2月11日
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美化もなく忠実に再現しようとしてるのがよかった 勿論それが全部真実か事実かは自分も知らないが その姿勢は感じられた。日本ではそれは無理なのか?とにかく、それを支える演技がよかった。当時 小野田氏が帰国をTVで見た自分は七歳 何も知らなかったが彼の姿は目に焼き付いている 直立不動で敬礼をした姿は正にタイムスリップして現れた兵士はどの日本人にも当てはまらなかった。これを演じれる俳優など今の日本人にいるだろうか‥と思ったが それを津田は見事に演じた。これは彼しかできない役ではないか 他の役者も見事であった。イッセー尾形も圧巻 そして、陸軍中野学校という場所がその是非は別として 「真剣」に考えている機関が日本にもあったのか‥小野田氏のインタビューでも 中野学校では自由に議論があり 天皇制の是非や敗戦は確実であり
その後のゲリラ戦を命ざれていたと語られていた。そして、そこには谷口中尉の洗脳いや教育も大きかったのだと感じられる尾形の演技であった。

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U-TA

4.0脚本の技巧に唸る

2022年2月9日
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しろくま

4.5フランス人監督の情熱に感謝

2022年1月22日
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鑑賞方法:映画館

 フランスのアルチュール・アラリ監督が小野田さんの特異な経験に惹かれ、映画化までこぎつけた。 観ていて、その情熱がひしひしと伝わってくる。 小野田さんの帰国をリアルタイムで見た人間としては、大変嬉しい。

 ただ、小野田さんの経験を感動のドラマとして見るには、少し完成度が不十分だったかなという印象が残る。 様々な状況下で出演者の感情的なシーンが積み重ねられて物語が進むのだが、 昔の日本人の感情表現として見るには、少々劇的過ぎるかも…と感じるのだ。 率直な感想を言えば、 むしろ思い切ってフィクションのエピソードを加えてでも、 サバイバルドラマの方に重点を置いた方が、メリハリが出来て面白かったかもしれない。

 文明生活から隔絶されたジャングル生活は、現代の我々からすれば異常なほどの非日常だ。 しかし、本質的には我々の人生と変わりはなく、近代的な生活のような複雑さは無くとも、多面的であるはずである。 30年間の毎日は、緊張と感情の交差する激しいものばかりではなく、当然ながら、淡々と過ぎる時間が多かったに違いない。

 ジャングルでの終わりなき戦闘という現実の中にいながら、目の前を矢のように過ぎて行く時間。 小野田さんと最後まで共闘した小塚氏は、郷愁と時間の重さに耐えきれず心身を消耗し尽くしてしまったようだが、生身の人間なら無理もないことだろう。

 作戦遂行の使命を負ったリーダーとして最後まで生き残り、毅然として闘い続けた小野田さんは、過行く時間に何を感じ、何を想ったのだろうか。 人間を老いさせる時間と真正面から対峙したことこそが、実は、小野田さんたちの極めて特異な経験だったのではないか。 などなど、色々な想像を巡らせてしまうのが小野田さんの物語の面白い所なのである。

 せっかく様々なエピソードを忠実に描いてくれた監督に対し、少々細か過ぎる評価だったかもしれない。 俳優たちの熱演と丁寧な演出には、大変好感が持てた。 魂も気合も入った、本当に良い演技だった。 天国の小野田さんたちは、この映画の公開をきっと喜んでいると思う。

 ちなみに、 「生きる」(PHP研究所刊)という小野田さん最後の書下ろしには、 題名の通り「生きるとは何か」が書かれており、戦争や軍隊について焦点が当てられている内容ではない。 この本の内容こそが、過酷な運命を見事に生き抜いた小野田寛郎という人間の本質と人生を物語っていると思う。 そんな小野田さんを映画で描いてくれたアラリ監督には、小野田さんを尊敬する一日本人として、心からの感謝を表したい。

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Garu

4.0一体、何と戦っていたのか

2022年1月11日
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鑑賞方法:映画館

フィリピン・ルパング島のジャングルで30年間も潜伏していた小野田少尉の物語を、フランス人監督が、日本人俳優と日本語で映画化。3時間近い作品だが、全く飽きさせない。
小野田少尉が発見されたニュースは、小学生の頃に見たが、そこに至る経緯などは知らなかった。その前にグアムで発見された横井さんに続いて、日本の敗戦を知らずに生き残っている兵士がまだいたのかと驚いたが、特にその時の軍服を着てこわばった表情で敬礼している姿が強く印象に残っている。
映画化にあたって、アラル監督は、史実をベースに物語を再構築したようだが、もし日本人が作ったら、もっとウエットで、大和魂や武士道精神といった色が付きそうなところを、極めて淡々と、冷酷に描いている。
陸軍中野学校での上官からの命令を守り、ゲリラ戦を遂行するためだけに、田畑や家畜を襲い、時には住民を殺害して、とにかく生き延びようとする。父親からの呼びかけも謀略とみなし、逆に、秘密の暗号伝達かと考えて解読しようとする。
彼らは、一体、何と戦っていたのだろうか。
戦争の悲惨さ、不条理さというより、一つのことを信じ切った人間の恐ろしさ、凄まじさ、そして虚しさが、この作品のテーマであるように思う。不寛容、断絶が広がる現代社会に共通するテーマとして、日本人ではなくとも、この稀有な題材に惹かれたのだろう。ラスト、日本人の記憶にある敬礼姿ではなく、茫然自失とした姿で描かれているのも、そのことを強く感じさせる。
小野田少尉役の遠藤雄弥、津田寛治をはじめ、役者陣はみな良い。特に、イッセー尾形、仲野太賀は、他の役者では考えられないほど。
2012年は、MINAMATAとこの作品が公開された年としても記憶されるだろう。

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山の手ロック

4.0小野田さんを知らない世代にも見て欲しい

2021年12月29日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

当時私は子供だったので、小野田さんと横井さんの区別が曖昧だった。ただ、敬礼姿をTVで見たのは覚えている。
スパイ作戦の重要な任務であると教育された日本兵達が、ひたすらジャングルを歩き回る、何のためか明確な答えを探しながら。戦争とは、勝手な思い込みと一方的な欲望を達成させるための暴力であることがわかる。
孤独な悲しみを乗り越えて生還した小野田さんの話を語り次ぐことで、時代は違えど、戦争を繰り返してはならないという想いは伝えていくべきだと痛感した。

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まっちゃまる

4.5狂気の世界

2021年12月9日
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戦争とは、こうも人を狂わせるか、と改めて痛感。当時、小野田さんのように終戦を知らず、帰還できなかった人達がたくさんいたのであろう。

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ちーきー

3.5何年か前、TVでドキュメンタリーかなんかを観ていておおよその内容は...

2021年12月8日
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鑑賞方法:映画館

何年か前、TVでドキュメンタリーかなんかを観ていておおよその内容はわかっていたので、それの細かいところが補完された感じ。

なんか日本映画にしては割とちゃんと日本兵を悪い感じに描いてるなーと思ったら、監督は外国人だったのか!納得。

些細なことだけど、ドキュメンタリーでは母親とのやりとりだったはずのところが父親とのやりとりに変わっていたけどこれ変更したのはなんか意味あったの??

戦争を知らないぬるい人生を生きられているありがたさを噛み締めると共に、限られた情報と環境下に置かれる怖さを思い知った。
信念を持つのは良いことだと思うけど、洗脳というか特定の事物に傾倒し過ぎたり忠誠を捧げてしまうのは危険ということも改めて再確認した感じ。

終戦後に命を落とす羽目になってしまった戦友二人が気の毒で仕方がない。

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👘

4.5何が正しいのか判らなくなる怖さ

2021年11月23日
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鑑賞方法:映画館

海外の監督で、合作で、それもメインは海外で…
なんやってんだ日本は…
MINAMATAもそうだけど、日本人が、きちんと知るべきこと、
忘れてはいけないことを、海外に教えてもらうなんて…

戦争って、本当にいろんな人を狂わせる。
でも、当時は、それが普通で、その時代に生まれなかったことが良かったと思ってしまう。
けど、それは、その時代を否定するようで嫌だし…
ただ、とにかく戦争がいけないことは言えるから、
この気持ちは、忘れてはいけなくて、
そのためにも、作品で残すことは大切だと思います。

津田さん、素晴らしかったです。

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hkr21

1.5なぜ最後の場面での小野田の敬礼がないのか??

2021年11月22日
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鑑賞方法:映画館

潜伏の過酷さばかりが強調されていたように思いました。現実の小野田少尉は命令解除の折も
立派な敬礼をして、帯剣のまま命令解除式ののぞみ、当時のマルコス大統領に対し、刀を渡すという日本人らしい名誉ある態度でした。
映画のラストでは、そのような名誉ある小野田の撤収は表現されずに、ただ過酷な潜伏から解放された安堵や虚無感のみが表現されているように思えました。
小野田少尉の発見当時を知っている自分からすれば、消化不良の映画でした。

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tom blue

4.0日本最後の兵士の衝撃の史実

2021年11月21日
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上官の谷口からの命令に従い、フィリピン・ルバング島に約30年間潜伏していた。
1945年の終戦から取り残された最後の兵士、小野田寛郎の話。胸を締め付けられた。

「私はいったいだれのために、何のために戦ってきたのか」

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ほんのり

4.0タイトルなし(ネタバレ)

2021年11月14日
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泣ける

悲しい

怖い

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LS

4.0長い

Nさん
2021年11月14日
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映画も長いが、これだけの期間潜伏し続けるとは、、本当に長い。とんでもないメンタルと忠誠心。戦争とはなんだったのか。すごい世界ですね。。

どちらの小野田さんも素敵でした。そして仲野太賀。最近大好きです。昨日舞台見に行ってきましたよ👏

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N

4.0見応えアリアリ

2021年11月10日
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津田さんが、私の記憶の小野田さんそのものでした

あの頃横田さんも島から出てきた記憶ありました。

小野田さんは、命令により潜んでいたのですね!

お一人で無くはじめは、4人いたとわかりました。

見応えアリアリの3時間でした。日比谷東宝ほぼ満席でした。

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Billy

4.0どれだけ時間がかかっても

2021年11月8日
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泣ける

悲しい

難しい

終戦の知らせを受けられず、戦後30年以上も救援部隊を待ち続けた小野田少尉と、彼を日本に戻そうと島に降り立った青年の物語。

こういう人が居たという事実は何となく知っていたけど、詳細はわからずに観賞。

戦争は終わっているとは言え、それを知らないわけだし、30年以上も限界を極める生活を送っていたなんて想像できませんね。どれ程の緊張感の中生きていたのだろう。

米兵は来なくとも、気候や病気等々、見えない敵はいくつも潜んでいましたからね。

序盤から粗終盤まで、ルバング島での少尉達の姿が描かれる。数多くの苦難や疑心、仲間内でも考えの対立で彼らは日々、心身ともに疲弊していたのでしょう。

そして仲間との別れの数々。本当は戦争は終わっているという事実がまた哀しい。。

また、玉砕は許されない、という考えもあったのですね。自分が抱くイメージとは逆だったので。まだまだ知らないことは多いなぁ。

紀夫青年の勇気も凄いですね。言うて相手は軍人ですから。彼こそが、小野田少尉達が待ち続けた人物なんじゃないかな。
小野田少尉の涙が意味するものは・・・?

全体を通し、改めて戦争犠牲は多種に渡るのだなぁと教えてくれた作品だった。

赤津氏が言っていた、「何の意味があるのか」。

答えは勿論わかりませんが、意味が無いと言うのなら、その意味が無かったという事こそが、大切な意味になるのではないでしょうか?

改めて、戦争は繰り返してほしくないと、強く願った作品だった。

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MAR

3.0何故、今ごろフランス人監督が小野田少尉の映画を撮るのだろう。

2021年10月24日
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いなかびと

4.5あ~佐渡~え〜の続きはおのれ次第

2021年10月24日
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やられた!
悔しいな。なんで日本人の監督はコミック原作やミステリー小説などの小説原作の映画化ばっかり作ってんだろ。
だからと言ってアメリカ人の監督が撮影したらこうは行かない。
フランス人の若手監督が撮ってくれたからこんなに素晴らしいものが出来上がったんだな。
日本人目線でどこに出しても恥ずかしくない仕上がり。
ひたすら感謝だ!
津田寛治の目の演技が良い。
テレビで見せるコミカルな演技とは全く違う。
小野田さんそのものに見えてくる。
そして、仲野太賀の旅行家は勘弁して下さい!
この映画どうやってキャスティングしたんですか?
知ってる人がいたら教えて。
もう彼にしかだせないよこの味は。
人懐っこく小野田さんの心を溶かすこの演技!津田寛治と仲野太賀のシーンは鳥肌が立ちました。
若き日の戦士たちの姿を描く大半の数々のエピソードは全てこの瞬間のためにあったのか!
ラジオを聞いた後の作戦会議のシーンとか海でおよぐシーンとか素晴らしいシーンもあったし、ちゃんとしてるよこの映画。
作ってくれてありがとうという感謝しかない。
戦争を知らない子供たちの私。
そして、戦争を知らない子供たちという歌さえ知らない平成生まれの人達、色んな人が知るべきことをなるべく毒がなく、素直に描いてくれたなと思いました。
佐渡~え〜の歌、上官の真似じゃダメなんだよな。
自分の頭で考えて行動してそして一万夜を超えて生き残る!
この映画を観た者も、佐渡~え〜の続きは自分で作って行って欲しい。

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momo

4.0小さい時のニュース

2021年10月24日
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子供のころ、ニュースでなんとなく覚えていたので、見てみた。

実際、部下がいたとか、住民を殺害していたり、刺激的な話だった。

ただ、日本人が作らないと駄目な映画だ。
史実を隠さず、自国で戦争の悲惨なことの一つとして。

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とね

4.0なかなかの力作

2021年10月24日
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予想以上によかった。
知っている役者が数人しか出演していないし、それほど話題にものぼっていない作品なので「どうかな?」という感じで観にいったけれど、結果、3時間という長さを感じさせない、なかなかの力作でした(僕が大東亜戦争や旧日本軍のことに、とくに関心があるせいかもしれませんが)。

「戦争の悲惨さ」などという言葉を聞いてもどうもピンと来ないけれど、この作品に描かれているような戦争のディテールに接すると、ぐっと戦争というものを身近に感じる。リアリティーを感じる。このような、戦争のディテールを知ること、想像することこそが戦争体験のない我々には必要だと僕は思うのです。

イッセイ尾形、やっぱりうまいですね。作品にアクセントがついて、厚みがでるような気がします。
それから、仲野太賀。彼は、これからの日本映画界を背負って立つ存在でしょう。

ただ、原作・監督ともに日本人でないことが、なんか残念だった。
このテーマは、日本人の手で映画にしてほしかった。

それにしても、それにしても……なんとも、やるせないなぁ。

日本の平和は、このような出来事の上に成り立っているということを、戦後の平和を享受している我々は忘れてはならないと思います。

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peke