ジャズ・ロフト

劇場公開日:

ジャズ・ロフト

解説

1950年代半ば、マンハッタンのとあるロフトで気鋭のジャズミュージシャンたちが繰り広げた伝説のセッションを、写真家ユージン・スミスが記録した録音テープと写真をもとに構成したドキュメンタリー。戦場カメラマンとして活動後、雑誌「ライフ」などで意欲的な作品を多数発表、70年代には水俣病患者を捉えた写真集で世界に衝撃を与えたユージン・スミス。彼が50年代半ばから住んでいたマンハッタンのロフトには、当時絶頂期にあったセロニアス・モンクやまだ名を馳せる前のカーラ・ブレイら多くのジャズミュージシャンが出入りし、連日連夜ジャムセッションを繰り広げていた。スミスは彼らの自由奔放な演奏をつぶさに録音し、何千枚もの写真を撮影。約8年間にわたって続いたというユニークなコラボの様子を余すことなく伝え、ミュージシャンたちの圧倒的存在感と刹那的な生き様を浮き彫りにする。さらに、ユーモアと気難しさを併せ持つスミスの複雑なパーソナリティが多くの証言者によって明かされる。

2015年製作/87分/G/アメリカ
原題:The Jazz Loft According to W. Eugene Smith
配給:マーメイドフィルム、コピアポア・フィルム
劇場公開日:2021年10月15日

スタッフ・キャスト

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(C)1999,2015 The Heirs of W. Eugene Smith.

映画レビュー

4.0ドキュメンタリーとしての構成が面白い

2024年2月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

ニューヨーク6番街のとあるロフトに居を構えた報道写真家のユージン・スミスの生涯について掘り下げつつ、同時に、そのロフトに集ったミュージシャンたちによってジャズの新たな潮流が生み出されていった様子を、彼が残した膨大な記録を元に、劇中劇のように描き出す2本柱の構成が面白い。
ユージン・スミスの被写体への迫り方、撮影したフィルムの現像時のテクニックと試行錯誤の様子など、表現者としての真摯さに敬意を払いつつ、かなり具体的に細かな点まで突っ込んで描かれているところも感動した。
また、ロフトに集ったセロニアス・モンクをはじめとするジャズミュージシャンたちが、コンサートに向けてリハーサルを重ねていくパートは、ある意味、とってもスリリングで、胸が躍った。
ユージンが、自分の周囲の日常を大量の録音と撮影で記録し続けていたのは、彼の報道写真家気質のなせる技だったのだろうか。
その素材の質の高さを生かして、関わった人々へのインタビューと、冒頭に述べたような2本柱の構成で、何かが生まれ出る瞬間の普遍性と、時代の熱量とをものの見事に描き出した監督の力量にも敬意を表したい。

個人的には、スティーブ・ライヒが出てきて胸熱だった。彼の生み出したミニマルミュージックには、このロフトでの経験がどんな風に影響していたのかなと想像するのもワクワクした。

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sow_miya

4.0白人社会にもJAZZが!

2023年10月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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マサシ

3.0チョットした盗聴!?

2023年9月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

難しい

ジョニー・デップがユージン・スミスを演じた『MINAMATA-ミナマタ-』よりも本作でのジャズをメインにしたり戦場カメラマンとして等、ユージン・スミスの波乱に思える人生を描いた伝記映画を観たくなってしまった。

やはりジャズは興味がありながらも敷居が高い、ラリー・クラークの小話にサルバドール・ダリやフレディ・レッドにセロニアス・モンク位しか知らないながらも興味深く楽しめる内容ではある。

シャーリー・クラークが監督した『ザ・コネクション』は"ジャズ・ロフト"をセミドキュメンタリーとしてリアルに描いてみた作品なんだなぁ、と?

ジャズやユージン・スミスを中心にしながら主に登場する多数の人物に少しだけ混乱してしまう!?

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万年 東一

3.0LUNACY

2022年1月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

水俣病を世界に知らしめた写真家ユージン・スミスと彼が愛したジャズアーティスト達との痕跡を巡る作品
なお今作ではユージン・スミスが残した写真や音源を元に、当時ロフトでセッションして(あるいは住んで)いた人々による証言を元に構成されている

この映画、なかなか主題が分かりにくく、さっきまでユージン・スミスの写真の撮り方にスポットを当てていたと思ったら、彼の周囲にいたジャズアーティストの話を始めたりする
結局本題は何よ?と思ったが、恐らく最高の写真を撮るために戦場で負傷した(なお周囲は止めていた)スミスも、最高の音楽を作るために毎日薬漬けになっていたジャズアーティスト達もみんな一緒に狂人だった、ってことなんでしょうか
似た者同士が住んでいたロフトは、今も残っているそうです

ジャズのBGMを聴きながらスミスの写真が観られるという点では、贅沢な映画でした

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BONNA