かば

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かば

解説

差別と偏見、貧困などさまざまな問題を抱えた環境の中で生徒たちに正面から向き合った、実在した中学生教師たちの生き方を描いたドラマ。1985年夏、被差別部落が隣接する大阪市西成区北部の中学校。荒んだ学校生活を送っている生徒たちに、蒲先生ら教師たちは手を焼いていた。臨時教員として赴任してきた加藤先生が生徒に受け入れてもらえず自信喪失する姿に、蒲先生は得意の野球で生徒と向き合うことを提案する。登校拒否になった転校生、家庭を顧みない母親、酒浸りで在日朝鮮人の父と暮らす女生徒、出身地を恋人に告白することができない卒業生、服役中の父親に代わって家庭を支える野球部主将など、さまざまな事情を抱えた生徒たち。蒲先生ら教師たちは、彼らと向き合い、時には生徒の家庭へ強引に入り込んでまで、彼らの生き方を模索する。主人公・蒲先生役を大阪出身の山中アラタが演じる。監督は「秋桜残香」「傘の下」の川本貴弘。

2021年製作/135分/日本
配給:「かば」製作委員会
劇場公開日:2021年7月24日

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(C)「かば」製作委員会

映画レビュー

5.0取材3年、制作7年間の持つ迫力

2024年2月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:その他

とにかく、浮いたセリフが一つもない。出てくるエピソードは、すべて、川本監督が取材の中で聞き取った事実ということがその理由だろう。
借り物の設定で、安易な感動を与えようなどといった姿勢は微塵もなく、その場所で全力で生きている人たちに正面から向き合って作られた映画だということが伝わってくる。
登場する先生たち、教え子たち、すべてが光っていた。いわゆる、名の通った俳優は出てこないが、全員素晴らしい。
映像的にもとても練り上げられていて、そういった足腰の部分がしっかりしているからこそ、観客にテーマが届いてくる。
とても力のある監督だと思った。
配信やDVD化をせず、きちんと届けられる場へ丁寧に届けるという川本監督の誠実さにも打たれた。
近くで上映の機会があったら、ぜひ鑑賞を勧めたい作品。

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sow_miya

3.5人間へのあたたかい眼差し

2022年6月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

あったかい、あつい映画です。

他者への、人間への、あたたかい眼差しによって作られた作品。
いくつかのシーンでは涙がにじみました。

今の自分に欠けているもの、いつの間にか失ってしまったものがこの映画の中にある、とそんなことを考えさせられました。

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peke

5.0いい映画

2022年5月10日
PCから投稿

いい映画でした。

蒲先生たちに,もしも家庭があるなら
パートナーの理解がだいぶんないと
大変なことだろうなあとか,
自分を顧みない生活で体調崩さないでとか
いろいろ思ってしまいましたが
温かい先生たちと生徒の
人と人との魂のふれあいのお話でした。

川本監督から借金がたくさんあると
お聞きしました。
こんないい映画を撮ったのに
映画監督も大変なんだなあと思います。
「かば」がいろんなところで上映されて
またいい映画をつくって見せてほしいと思います。

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アツコ

4.5知っているようで知らないこと。

2022年4月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

1985年。大阪西成のとある中学校。荒れる子供達と真っ正面から向き合う教師達。実在した蒲先生をモデルにあの時代のリアルを描いた力作。

新任女性教師に啖呵を切る不良少年。「ここには部落、在日、沖縄しかいない。お前は何だ」と。それはきっと魂の叫び。彼らこそ自分が何者なのかを知りたかったに違いない。差別の本質を知らぬ者に平等を語る資格などないと思い知らされる。私達はちゃんと知らなければならない。

重苦しいテーマのはずなのに先生達はいつも明るく決して焦らず本当の意味で子供達を見守っている。それでも要所要所に発せられる言葉の重みや沁みるエピソードに何度も涙が出た。教え子の未来の為に振り下ろした拳はいつからただの暴力にすげ変わってしまったのか。ありがとうと声を詰まらせた母親の想いはいつからただの時代錯誤になってしまったのか。

ジャージに身を包んだチャー子が倒れこんだ生徒に立ち上がれ!と檄を飛ばす。立ち上がってこの差別にまみれた世界に自分の足で踏み出せと。

私は生まれてからずっと大阪で生きています。残念ながら今でも西成地区にはマイナスイメージを持っている人が多いです。正直私もそうです。ここには私の知ってる西成がありました。そしてそれ以上に私の知らない西成がありました。

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はるたろう
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