「娯楽大作映画としての驚くべき完成度」ドラゴンボール超(スーパー) スーパーヒーロー 今日は休館日。さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5娯楽大作映画としての驚くべき完成度

2022年7月4日
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例えばマーベルのような娯楽超大作が生まれる土壌は、日本にはないと思っていた。『るろうに剣心』は野心も高く、いいところまで迫ったが、あれが限界点だと思っていた。

しかし、なんと。こんなところに感嘆すべき才能が眠っているとは。本当に驚きました。

ストーリーの内容はこの際置いておきます。好き嫌いもあるでしょうが、正直そんなことはどうでもいい。野沢雅子85歳なのにヤバいとか、ピッコロがデカくなれるの久々に思い出したわ!とかは、他の方も言及されているでしょう。きっと。

とにもかくにも、カメラワークと編集力。特にカメラワークが本当に素晴らしい。アクションシーンだけでなく、それ以外でも細やかな計算と遊び心が行き届いた絵作り。実写/アニメ関係なく、ここまで練り込まれたカメラワークに邦画で出会えることはそう多くない。カメラが自由自在によく動く。軽快に、気持ちよく。そして引きの絵もしっかり上手い。カメラワークを見てるだけで、ご飯三杯いけます。

編集の見事さは、軽快なカット割にある。テンポが良い。リズムが良い。冒頭のあらすじ説明も、くどくどとなりそうなところ本当に見事。カメラワークの良さとの相乗効果で、見ていて本当に気持ちがいい。

こうなると海外の実写娯楽大作との違いは、単に予算の違いでしかない。映画としてのクオリティは、海外娯楽大作の秀作に、全く見劣りしない。

鳥山明の相変わらずのデザイン性の高さ、シンプルかつメリハリのあるシナリオ構成、ギャグのセンスの良さもしっかりと映画の屋台骨になっています。見せ場の作り方もよきよき。骨組みががっちりしてるから、端々の小ネタがばちばち効いてくる。

この監督、そして製作陣はアニメ界のみならず、邦画界の宝でしかない。久々に心の底から面白い、邦画大作との出会いでした。

※映画としてきっっっちり仕上げた上に、遊びとしてネタを散りばめる。どこぞのウルトラマンは、この順序ができていないのよ。

今日は休館日