MINAMATA ミナマタのレビュー・感想・評価
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環境問題について考えよう
ジョニー・デップが伝説の写真家の遺志を継ぎ、水俣病を題材にして製作した伝記ドラマ。現在も絶えず発生し続けている環境問題を鋭い切り口で表現している。一人でも多くの方に環境問題について考えるきっかけになれば嬉しいと感じます。但し一本の映画として観た場合は物足りない印象を受けた。
2021-141
魔力
舐められていますね
ジョニー・デップと美波の熱演に、不覚にも涙を流しながら見てしまったが、真田広之が演じる住民運動のリーダーの子供が白人だったのに少し興ざめ。事情によるのだろうけど、ロケ地も日本じゃなくて、違和感だらけ。
「史実に基づく」とはあったけど、日本の「水俣病」とはあんまり関係ないお話だな。
映画に出来ること。
なんかタイムリー
すごく良い映画でジョニーの出てた作品でもトップクラスの出来です
とても良い作品で感動しました。ジョニーや真田さんの演技も素晴らしかったです。どうしてジョニーがこの映画を作りたかったのかこの映画を観ると彼のこの作品への情熱が伝わります。
内容が内容だけに彼しか作れなかったと思いますが彼は水俣で起った悲劇が今でも似たような事が世界中で起こってると言ってます。それが問題だと。。。
映像もすごく綺麗で良かったですが子供が純日本人でなかったりと少し違和感もありますがそこはあまり重要でないと思いました。方言もちゃんと熊本弁?になってました。
これは若い世代の日本人に見てもらいたいと思いました。
水俣ではなくてMINAMATAという別の町
映画の最初に「史実にもとづいたフィクション」と断られてしまっているので仕方ないのかも知れないが、日本の描写がおかしい。
写真家ユージン・スミス氏の物語とすれば優れた作品だと思うけど、いったいMINAMATAとはどこのことなのだろうかと思ってしまいます。
水俣市でロケすることは難しいだろとは思います。それは理解できますが、ロケ地は最初の鉄道のシーン(これも突っ込みどころ満載ですが、止めておきます)以外は日本ではありませんよね。「水俣」は記録映画の画面の中だけですよね。
建物も中はセットで日本風にしても、外観は日本的ではないし、せっかく古い車を用意して日本のナンバー風に取り替えても左ハンドル。警察官があんなに威圧的であることは、あの時代でもなかったはずです。「史実に基づいた」とありますが、病院の資料を盗むところは本当に「史実」でしょうか。他にも挙げればいくらでも出てきますが、ネタバレになるので止めておきます。
アメリカ映画です。アメリカのMINAMATAと言う町での企業による公害事件を、カメラマンを通して描いたと言うことであれば、なかなか良い作品です。
アメリカでは評価が高いかも知れませんが、私は評価しません。
水俣病の歴史を学べる良い映画
4日連続映画館
秀作でもなければ凡作でもない。せいぜい佳作といったところか?
仕事にも家庭にも行き詰まった有名な写真家ユージン・スミスが再び再生する物語だ。アルコールが手放せない主人公が、再び写真に情熱を取り戻す肝心な場面が良く描かれていない。水俣病患者の若者に写真の手ほどきをすることで意欲を取り戻すみたいだが、そこをもっと描がいて欲しかった。
チッソ会社の社長を演ずる國村隼が、口には出せない苦悩を出して、好感が持てた。
スミス渾身の1枚の写真は、イエス・キリストを抱く聖母マリアのアングルを使っている。
キリスト教徒にとっては、衝撃の写真だ。
あまりに重い現実
色々不自然な点は確かに目につく。ヨーロッパでロケしたので水俣の漁師の家が石造りになってるとか、出てくる子役が明らかに日本人の顔ではない、とか。
しかしそういう欠点は水俣病という、おそらく世界の公害病の中でも最も悲惨な病、の前ではほとんど問題にはならない。ユージンスミスの最も有名な水俣の写真、胎児性水俣病の娘を風呂に入れる母親、が冒頭と最後に出てくる。圧倒的なシーン。
僕は胎児性水俣病の人達と同年代で、家も裕福ではない漁師の家に生まれた。生まれ場所が水俣だったら僕も病気になっていたかもしれない。
この映画が日本「水俣)で撮影出来なかった現実は水俣病が未だに終わっていないということをはっきりと表しているように思う。この映画を作ってくれたジョニーデップには感謝しかない。
世界中の人に観て欲しいと心の底から思う。
リタイヤ寸前のカメラマンをジョニー・デップ、被害者の代表を真田広之。普通の人を演じるの久しぶりに観れた。
1971年、通訳のアイリーンに教えられて、日本の水俣病に興味を持ち、半ば強引に日本に取材に出向くジジイ。そこで実際に触れ合う事になった被害者家族達。とにかく悲惨、可哀想すぎる被害者達。プロのカメラマンは感情に流されてはいけない。と、分かっていても目の前の人達に感情移入してしまうジジイ。
この映画、悪人はいません。問題の元凶のチッソの社長さんの考え方も理解できる。自分の会社が科学や法律的に悪い事をしていると証明されてないし、まさかウチが原因だなんて信じたくないもん。お金あげるから、もう抗議運動やめてよ〜ってね。社長以外にも、チッソに味方して放火した奴も、最後は主人公に謝罪。日本人の性善説を見せられているようだった。
エンドロールで見せられる世界の環境汚染被害。多分こんなもんじゃないんだろうな。福島の汚染水放出も心配。自然と科学物資、相性悪いもんね。
なんか、オープニングからジジイに共感しちゃって、最初から最後までウルウルしっぱなしでした。
あ、最後に1つ。熊本弁を聴き取るのが、ちょっと厄介だった。わし、岡山出身じゃけん熊本弁は、よう分からんけん、微妙なニュアンスを聴き逃しとると思う。日本語字幕つけて欲しかったわ。
企業の社会的責任
水俣の外面と写真家の心理
ジョニー・デップ、真田広之さん、浅野忠信さん等の実力派俳優出演に惹...
ジョニー・デップ、真田広之さん、浅野忠信さん等の実力派俳優出演に惹かれて見に行こうと思い、どうせ社会派ドキュメンタリーだと高をくくっていました。
先ずは挿入されているアメリカンテイストの音楽のカッコよさに引き込まれ、ジョニー・デップ演じるユージン・スミスの人柄、俳優人たちの迫力ある演技に引き込まれて行きました。
エンドロールの作りも素晴らしく、音楽に坂本龍一さんの名前が出てきたことにも驚きました。
後半は涙が自然と流れ落ち、公害問題の悲惨さを全面に押し出す環境映画ではなく、人の営みも丁寧に描き出し、見終わったあとは家族愛を見た感が強く残りました。
久しぶりに映画らしい映画を見ました。
ジョニー・デップと連帯する
本作の監督、脚本者共に私と同世代の40代の米国人。プロデューサーは、ジョニー・デップ。何故彼らは沢山あるテーマの中で、水俣に興味を持ち本作を撮ったのか?何故に今水俣なのか?私の最大の関心は、ここにありました。
アンドリュー・レビタス監督はインタビューで、水俣をテーマにした理由の一つに、『権力に真実を語る勇気』と語っています。水俣病患者団が団結し世界を変える為に闘っていること。その闘いに触れるうちに、スミス氏やライフ社のヘイズ氏も自らの仕事の責任を果たしていくこと。単なる弱者と権力の対決ではなく、社会を変えるには草の根レベルから企業のトップレベルまでの連帯が必要であること。
2013年安倍首相は水俣病は克服したと発言。2015年原発再稼働。現在は9基を稼働中。河野太郎氏、前鹿児島県知事の三田園氏、脱原発派から再稼働容認派へ。
こういった事象は、国民の力よりも資本家や利権団体の力が大きすぎることを端的に表しています。ひとりの政治家ひとりのヒーローに、社会を変えることはできません。報道や芸術分野はスポンサーの力が大きく、取り上げるテーマに限りがあります。
つまり、私達はあらゆる階層が断絶されている社会に生きています。環境汚染、疫病、貧困、皆で生き残る為には水俣の連帯をモデルにしよう、痛みを持つ全ての人達と連帯しよう、連帯する為に自分の仕事をしよう。そういった監督の声やプロデューサーの声が聞こえてくるようでした。
今や人類は、電気やスマホといったテクノロジーの恩恵を享受しないと生活が成り立ちません。だけど、テクノロジーの発展は沢山の人の痛みの上にあります。彼らの痛みについて、見て見ぬ振り聞こえぬ振りをしていれば、快適には過ごせるでしょう。でも私は劇中の患者になり得たかもしれないし、今後患者になり得る可能性もあります。
いつのまにか、私達は人の痛みを感じる感性を1000倍に薄める方法を身につけてしまったのではないかと思いました。人の痛みを感じる感性を薄める方法を身につける事によって、現代の様な間違いを正せない社会にしてきてしまったのではないか?と。
だけど、写真や映画をはじめとする芸術は、この薄められた痛みを感じる感性を1000倍に濃縮して、私の元に届けてくれます。人の痛みを感じる事ができるから、人は人の気持ちが想像できて、連帯ができるのだと思います。
抑えた演出、抑えた演技、抑えた音楽が静かに胸を打つ
当時すでに落ちぶれていたとはいえ米国の一流の写真家が日本で水俣の写真を撮り世界へ伝えた、それを半世紀のちの今、ジョニー・デップが制作主演して映画化した。
それだけで観る価値がある。必見。
敢えて情報入れずに鑑賞。
音楽素晴らしいと思ったら坂本龍一さんでした。
美波さん、とても魅力的な女優さんでした。
國村さんが演じたチッソの社長を単なる憎まれ役として描いておらず作品を奥深いものとしていたと思います。
「写真は撮る方も魂を取られてしまう、覚悟して撮れ」
観る方も覚悟が要る映画のひとつでしょう。
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