劇場公開日 2021年9月23日

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「水俣ではなくてMINAMATAという別の町」MINAMATA ミナマタ PAK UNTIKさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5水俣ではなくてMINAMATAという別の町

2021年9月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

映画の最初に「史実にもとづいたフィクション」と断られてしまっているので仕方ないのかも知れないが、日本の描写がおかしい。

写真家ユージン・スミス氏の物語とすれば優れた作品だと思うけど、いったいMINAMATAとはどこのことなのだろうかと思ってしまいます。

水俣市でロケすることは難しいだろとは思います。それは理解できますが、ロケ地は最初の鉄道のシーン(これも突っ込みどころ満載ですが、止めておきます)以外は日本ではありませんよね。「水俣」は記録映画の画面の中だけですよね。

建物も中はセットで日本風にしても、外観は日本的ではないし、せっかく古い車を用意して日本のナンバー風に取り替えても左ハンドル。警察官があんなに威圧的であることは、あの時代でもなかったはずです。「史実に基づいた」とありますが、病院の資料を盗むところは本当に「史実」でしょうか。他にも挙げればいくらでも出てきますが、ネタバレになるので止めておきます。

アメリカ映画です。アメリカのMINAMATAと言う町での企業による公害事件を、カメラマンを通して描いたと言うことであれば、なかなか良い作品です。

アメリカでは評価が高いかも知れませんが、私は評価しません。

PAK UNTIK