劇場公開日 2021年9月23日

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「是非観てください。」MINAMATA ミナマタ T Aさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0是非観てください。

2021年10月3日
iPhoneアプリから投稿

史実を基に製作された胸に響く社会派映画。
プロデューサーを務めたジョニーディップと監督のアンドリュー・レヴィタスには、日本人として「素晴らしい映画をありがとう。」と伝えたくなった。
様々な理不尽が起きている世の中で、それを正すには1人でも多くの人には問題を知ってもらう必要がある。
それを伝えるには、文字や音声という手段はもちろんだが、たった一枚の写真の存在が、多くの人の心を揺さぶり、社会を動かすことがある。
しかし見る側からすれば「たった一枚の写真」だが、撮影した側のにとっては、多くの人々の協力の賜物であり、力を持つ側の暴力を含めた圧力や嫌がらせを乗り越えてようやくたどり着いた、正に命をかけて撮影した1枚であることが、この映画を通じてよく理解できた。
水俣病という有名過ぎる公害事件についても、今更ながらにそのおぞましき悲惨さを認識させられた。
ジョニーとアンドリューには感謝するが、しかし一方で、この映画は日本人が製作すべきだったんじゃないのか?とも思う。もちろん、外国人が作ったからこその評価もできるが、日本の映画に携わる方々には「日本人が作ることが何故できなかったのか?日本人が発信すべきだったのではないか?」と自問して欲しいと思った。
また、社長に被害者が水俣病に侵された家族のことを訴えるシーンには思わず涙腺が緩み、社長だって本心では補償をしてあげたいに決まってると思うのたが…それでもNOと言わざるを得なかったわけで…そこにあるのは「資本の論理」であり、企業という組織のみが利益を享受して人間は誰も喜ばないという、何ともやるせない事実を見せつけられ、思わずため息が出た。

T A