靴ひものロンド

劇場公開日:

靴ひものロンド

解説

「ワン・モア・ライフ!」「ローマ法王になる日まで」などで知られるイタリアの名匠ダニエレ・ルケッティが、ドメニコ・スタルノーネの小説「靴ひも」を映画化した家族ドラマ。

1980年代の初頭。ナポリで暮らす4人家族の平穏な日々は、父アルドの浮気によって一変した。両親の激しい口論や父の魅力的な愛人、壊れていく母ヴァンダの姿を見つめながら、子どもたちはローマとナポリを行き来する。数年後、離散していた家族はふとしたきっかけで再び一緒に暮らすことに。それからさらに月日は流れ、アルドとヴァンダは夏のバカンスへ出かけるが、帰宅すると家は激しく荒らされており、飼い猫がいなくなっていた。

アルドとヴァンダの若き日を「幸福なラザロ」のアルバ・ロルバケルと「輝ける青春」のルイジ・ロ・カーショ、老年期を「息子の部屋」のラウラ・モランテと「ボローニャの夕暮れ」のシルビオ・オルランドがそれぞれ演じた。「イタリア映画祭2021」では「靴ひも」のタイトルで上映。

2020年製作/100分/G/イタリア・フランス合作
原題:Lacci
配給:樂舎
劇場公開日:2022年9月9日

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(C)Photo Glanini Fiorito/Design Benjamin Seznec/TROIKA

映画レビュー

3.5不倫する夫/父に対する妻のもやもや、子のもやもやを“エンタメ”として楽しむ余裕のある観客向き

2022年9月9日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

日本で劇場公開されるイタリア映画が決して多くないなか、ダニエレ・ルケッティ監督作が昨年の「ワン・モア・ライフ!」、そして本作と2年連続で新作が上映されるのは、何かしら日本人観客に好まれる傾向があるのだろうか。「ワン・モア・ライフ!」はルケッティ監督のオリジナル脚本だったが、今作はイタリア人作家ドメニコ・スタルノーネが著して国外でも高評価された小説を原作としており、脚本にはスタルノーネも参加した。

1980年代のナポリで暮らす4人家族。父アルドはローマのラジオ局で朗読の仕事をしているのだが、職場の魅力的な女性リディアと不倫し、家を出て行ってしまう。

場面が変わり、老夫婦が暮らす家に若い女性の配達人が訪れ、その後しばらく留守をした夫婦が帰宅すると、家の中がひどく荒らされている。

しばらくは別々の家族の群像劇的な作りかなと思ったが、じきに30年後のアルドとその妻ヴァンダのエピソードだとわかる(老夫婦を演じる2人が、80年代の夫婦を演じる2人と似ていないのが難点)。映画は80年代と2010年代を行ったり来たりしながら、家族4人それぞれの思いや、アルドと愛人との暮らしぶりなどを描いてみせる。

イタリア人なら自由恋愛にもっと寛容かと思っていたが、どうやら偏見のようで、少なくともヴァンダはずっともやもや、いやそれどころか整理のつかない感情を募らせ、極端な行動に走るようになる。幼かった姉と弟も、もやもやを抱えたまま成長し、大人になる。

そんなもやもやが映画の大半を薄暗く覆い、観る側もすっきりしないままストーリーを追うことになる。心に余裕があれば、こんな話もエンタメとして楽しめるだろうか。実体験として過去に大切な誰かの不倫や浮気でつらい思いをした人なら、どんな気持ちで鑑賞するのだろう。そんなことを想像して、またもやもやする。

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高森 郁哉

3.5【”倦怠期に有った妻ある夫の浮気が齎した事。”子供の成長の中で、親の不仲が与える影響は多い。だが、そんな中、子供達は父親の変わった靴紐の結び方を覚えていて・・。30年に亙る家族関係を描いた作品。】

2023年11月8日
PCから投稿

悲しい

知的

幸せ

■1980年初頭のナポリ。
 ラジオ朗読のホストを務めるアルド(ルイジ・ロ・カーショ)、妻・ヴァンダ(アルバ・ロルヴァケル)、姉弟のアンナとサンドロの4人家族の平穏な暮らしは、夫の若きリディア
(リンダ・カリーディ)との浮気で終わりを告げた。
 だが、ヴァンダの飛び降り自殺未遂により、家族関係はギリギリ続くのである。
 そして、アルドとヴァンダが老齢となった今でも冷え切った夫婦生活は続いていた。

◆感想

・フツーであれば、アルドの浮気が発覚(というか、自ら妻に告げている。文化の違いを感じる。)した時点で、アルド一家は崩壊するが、妻・ヴァンダの自殺未遂により家族4人は、再び一緒に住み始める。
ー 当たり前であるが、長女の父を見る眼差しは冷たい。-

◆アルドが、アンナとサンドロに靴紐の締め方を見せるシーン。二人は、”ちょっと変だけれども”そうやって、教えて貰ったよね”と確認するシーン。
 今作の胆であるシーンでもある。

・父が隠していたカラクリ細工の中の、浮気相手との写真を大人になった姉弟のアンナとサンドロが見つけるシーン。
ー 大人になった彼らは”しょうがねえなあ”と言う表情である。-

・そして、年を取ったアルドと妻・ヴァンダは、今でも一緒に暮らしている。
ー それは、アルドの妻・ヴァンダに対する贖罪で有ろう。-

<家族とは、人間とは複雑で難解で完璧な人などいないというメッセージが詰まった作品である。
 だが、私は家族の絆は複雑で難解で完璧でなくても、強く繋がれているのだと思った作品である。>

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NOBU

5.0これで家族の木綱がとけて 第2ラウンド

2023年10月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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共感した! 2件)
マサシ

3.0ラベス

2023年8月4日
iPhoneアプリから投稿

男最悪でしょ 自分が悪いのにまるで妻が悪以下の言いようなんじゃそりゃ。子供達にも責任感なさ過ぎでそれの片棒を担ぐ友人も最悪。勿論不倫相手も悪くってそんな男とならさっさと別れればいいのに何故?各人の年齢設定が過去と現在で分かりにくい。あんなに可愛いかった娘があんな風にに変貌を遂げるのか。子供の頃に負った傷故なのか。それにしても40過ぎての爆発はどうかな?

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GAB I