泣いたり笑ったりのレビュー・感想・評価
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珍しいイタリアのイケメンオジのゲイ映画。
こんなことはないだろう、という内容でしたが、素敵な観光地でのお話。
いい映画でした。
俳優がとてもかっこいいオジサマです。
実は普遍的な家族の物語。
男性同士のラブストーリーなのかと思いきや、どちらかというと2組の家族の物語だった。
ユニークで普遍的な家族の物語。
結婚の面白いところ(大変なところとも言う)って、愛し合う個人対個人の関係では完結できないところだと思う。
縁を切っていない限りは、パートナーの家族や親類と否が応でも向き合わなくてはならない。
しかも本作のカップル、カルロとトニに関してはまだマイノリティと言わざるを得ない同性同士の結婚な上に、彼らには娘や息子たちがいるのだ。
この設定がまず面白いなと思った。
同性同士の結婚に対してフラットに考える人でも、自分の親がそうなった時にはおそらく事情は複雑になるよね…。案の定カルロの長男サンドラとトニの長女ペネロペはなかなかその事実を祝福できない。
彼らは最終的に父親の結婚をどのように受け止めるのか(受け止められるのか)は、ハラハラしながら見ていた(私は他人目線なので「何がそんなにダメなんだ!祝福してあげなよ!」と歯痒くもあったが…)。
最初的に2人は父親の結婚を祝福するんだけど、ここの結末は良かったなと思う。
特にカルロがペネロペのもう一人の父親(しかも実の父親では叶わなかった彼女が望んでいた愛情深い父親)になっていき、それに彼女が救われていくところは良かった。
結婚相手との家族との関係は難しい。
異性と結婚した私にも身に覚えがたくさんある。
でも結婚したことで家族が増え、「家族」というものの尊さとままならなさを改めて見つめ直すきっかけになったのも事実。
その意味で、まだ設定に現実味が薄く感じるこの作品は普遍的なテーマを扱っていたんだと感じる。
私も彼らのままならなさが他人事には思えなくて、自分の体験を思い出しながら観ていた。
個人的には後半の人情家・カルロの悲哀が好き。
(前半はトニと比べてカルロは割と幼い印象だったのに、観終わってみると印象が変わってることに気づく。)
しかし、ペネロペ、結婚相手の息子(既婚、子ども有)にキスするのはだめよ!!
見終わった後さわやかな気分になれる映画
二人の小さい男の子が一人はカルロの次男で、一人はカルロの長男の息子であること、トニの娘2人の母親が違うこと、などが始めに説明されないまま進んでいくので、人間関係がわかりにくいな〜と思いながら見ていたが、登場人物ざみんな優しくて良い人だったので嫌な気分になることなく見れた。トニの娘ペネロペが結婚を邪魔していたのは振り向いてくれない父の気を引くためだった、というのは腑に落ちたし、カルロも二人の息子も超良い奴だし(次男が賛成してくれたのはカルロにとってすごく大きかったと思う)、一番悪者になりそうだったペネロペのお母さんが、途中からカルロの人柄を知って結婚に協力的になるのも良かった(こんな人だからトニと性格あったんだな〜)。カルロの長男はあんなに父親思いでいい人間なのになんで同性愛への理解はないのかな?と思ったけど、死んだ母親を否定された気持ちになったのなら無理ないのかもしれない。あと個人的にはプールに浮かびながら子供に人生観を説いているおじさんがいい味出してるなと思った。
バーベキュー場でのダンスシーンは最高だったし、そこから2つの家族が仲良くなっていくのも見ていて気持ちが良かった。そういう描写があったからこそ、娘に「普通のお父さんが欲しかった」と言われた時のトニの悲しそうな表情がより際立っていたと思う。エンドロールの結婚式もみんな幸せそうですごく良かった。
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