シン・仮面ライダーのレビュー・感想・評価
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やっちまったね、『庵野』さん
〔仮面ライダー〕は小学生の頃
リアルタイムで見ていた世代。
とは言え、そこは田舎のこと
首都圏のように土曜の19:30~ではなく
日曜の朝10:00~の、しかもかなり日にちが遅れてからの放送。
ため、初回が丁度、小学校の運動会にぶち当たり、
全校生徒の誰もが(除く、病欠者)
第一話の〔怪奇蜘蛛男〕を見ていないとの
殆ど笑い話。
当然、
新聞やテレビ等でも取り上げられた
「仮面ライダースナック」にまつわる騒動も
良く記憶している。
なんでこんな
やくたいもないことをつらつらと書き連ねているかと言えば、
本作に対しては述べることが殆ど無いような状態。
正直、『庵野』さん、失速してしまったなぁ、と。
〔シン・ゴジラ〕〔シン・ウルトラマン〕の系譜上に在るものだと
てっきり思っていたのに。
いや勿論、古いお話に
最新の科学を取り入れ、リブートするとの姿勢は共通。
が、会話を始めとするギャグはダダ滑り、
唐突感もあり、何故入れたのかすら判然とせず。
トンネル内でのバイクでのチェイスシーンは
〔トロン(1982年)〕で観たかのよう。
パイプラインをぴょんぴょんと
蚤のように飛び跳ねる場面に至っては
〔スパイダーマン〕もかくやで
既視感がありまくり。
目新しさがまるっきり無い。
格闘シーンのカット割りはぎくしゃくでチープだし。
一方で、役者たちの棒読みに近い科白は
捻じれた方向性の原作リスペクトとは評価。
「立花」「滝」等の名前の転用、
バックミラーの形が古い乗用車車の使用、
闘いの場所がダムや荒野等、は
同様の思惑か。
『石森』作品へのオマージュとしては
〔ロボット刑事K〕を出演させてみたりと
それなりに感じはする。
とは言え、構成そのものがかなり陳腐なので、
さほどの補強にはなっていないのが残念。
ざくっと纏めてしまうと、
ザ・昭和の残滓を拾い上げ、新たな要素を付加し紡いだものの、
『石森章太郎』のダークな世界観の再現には押し潰されてしまった帰結とみる。
正義のりこうと併せた、全体を貫くテーマも
どうにも浅薄。
不完全な「良心回路」のせいで
善・悪の狭間で苦悩する〔人造人間キカイダー〕、
「ブラックゴースト」に囚われ(やはり)改造されてしまう
〔サイボーグ009〕と、『石森』作品には近似の設定が多々。
自分に力を与えや者への反逆や
主人公(たち)の孤独な闘いと葛藤。
それだけをきちんと引き継ぐだけでも
十分に面白い作品になったと思うのだが。
世界観と閉塞感
そういえば子供の頃は悪役の存在意義なんて考えもしなかったな、と耽りながら鑑賞してました。
仮面ライダーがどのようにうまれたのか?敵の目的は?味方の目的は?という庵野さん的世界観はゴジラ、ウルトラマンと同じ流れです
一方、ちょっとだけネタバレなのですが
一般人との絡みがほぼゼロなのです
そのためいわゆる内輪揉めに終始するような閉塞感があり、好き嫌いが別れるところになりそうです。
序盤のCGなどはあえて昔風のぎこちない動きを表現しているように見えるのも仮面ライダーの世界らしいと感じるか違和感になるか別れるかもですね。
主人公がやや棒読みに聞こえますがだんだんキャラとして馴染んできます。
キャストも豪華で面白いシーンもあるので興味がある方なら観て損はないと思います。
感情移入がしにくかった
幼少期に仮面ライダーは初代〜RXくらいまで好きで、かなり見ていた者です
その視点からの感想を書きます
庵野監督が手掛けるので、かなりリアル寄りの展開にしてくるだろうと予測してたら、その通りだった笑
これは原作あったのかな?
脚本が庵野秀明と書いてあったから、かなり脚色されているように思う
ただ、それぞれのキャラクターの背景など説明不足の状態で身内が死んだり、急に泣き出したり、戸惑ってたり
なんでこいつはこんな感情になってるんだろう?と疑問が前半に多く出てくる
特に本郷猛への感情移入の出来なさには驚いた
まるでエヴァのシンジくんのように突然震え出したり、泣き出したりして、なんなんだこいつは?感を終始感じてしまった
本郷猛って、藤岡弘のゴッツイ奴をたくさん見てきたから...
なにこいつ?って思っちゃった
過去にも真仮面ライダーって作品で、グロ系の作品あったけど、主人公がこんなにメソメソしてなかったしなぁ
そして、それぞれのキャラが死んだ時に泡になって綺麗に消滅してしまうため、これまた感情移入できない
ルリ子が死んだ時も泡になって綺麗さっぱり消滅してしまい、本郷猛は泣いていたが、こちらはポカーンとしてしまった
敵キャラが泡で死ぬのはいいけど、味方も泡で消えるのはちょっとなぁ
これも原作の設定だったのかな?
あと、シリアスなストーリーに対して、絶望的にBGMがマッチしていない
いや、初代ライダー作品の時の効果音やBGMを、そのまま利用してきたからすごい懐かしかったんだけど、とにかくマッチしてない
冒頭で説明した本郷猛のコレじゃない感がすごく、ストーリーはエヴァっぽいのにBGMだけライダー
仮面ライダーとエヴァ両方好きだけどちょっとこれは、、、
全体的にはストーリーも仕上がってて、アクションもそれなりに楽しめたから、よかったけど、最高!とまではいかなかったかな
原作知らないからこういう感想になってしまうんだろうか?
仮面ライダー原作はどこかで読めるのかな?
少し探してみようと思います
子供の頃の思い出が蘇る
自分はBLACK世代で、初代ライダーの内容とかストーリーはあまり知らない。それもあるからストーリーを新鮮な気持ちで楽しめました。
庵野監督のこだわりの特撮と最新さを交えたこだわりが感じられて、好き好みはハッキリする作品です。監督が好きな人は楽しめて、ニヤリとする部分あるけど、純粋なライダーファンは違うかも?て思いそう。
シンシリーズは作っていって欲しいですね。
残念です。シン、シリーズファンですが。
2回目の感想追記。
勝手な感想だけど、ブラックサンとかぶる
民衆と、ショッカー、ライダーの絡みは、意図的に描かなかったのかと思った。
1回目の。シン、シリーズは、現代社会の現実に、
ゴジラとか、ウルトラマンが実在していたら?
というシリーズだと勝手に思っていた。
このライダーは、それが何も描かれていない。
ただ、コンセプトは良かったと思う。
人類の幸福は、特権階級と、民衆という奴隷で成り立つ。
奴隷である民衆には、何も考えさせずに、
魂の入れ物として存在させておく。最終的には
救済という名の死をあたえる。
これは、マトリックスの世界で、
肉体を発電装置として利用し、
脳内は夢世界の幸せを見せておくと、同じだ。
まあ、中国共産党と人民の関係もそうだけど。
あと、観測者のロボット刑事も、もっと活躍してほしかった。最後覚醒して、出てくるのかと思っていた。
どうせなら、キカイダー出てくれば?
仮面ライダーブラックサンは、良かったよ。
あっちが、良すぎて、それ以上を期待してたのに!
親父さんとの絡みとか、やっぱりそういうのも見たかった。
人間関係の絆を端折りすぎ?共感が湧かない。
泣きすぎ。
本郷猛の本気の変身ポーズの迫力が見たいんだよー!
ブラックサンでは、西島の本気が伝わるぞ!
懐かしさ+
子供時代に夢中になって見ていた仮面ライダーなので、とても懐かしい+新しい要素が入っていて楽しめました。一番の新しい要素は、血がドバドバ出てることでしょうか?スピード感も増し増しでしたね。最後が人情話的に終わってしまったので、それが少し残念でした。庵野監督の「シン」シリーズの常連役者さんが沢山出てます。そうだ、「K」は「ドクター刑事K」ですよね。
仮面ライダー旧1号のファンへ
仮面ライダー旧1号の現代のファンへのプレゼントのような映画でした。緑川ルリ子と本郷の関係、なぜ2号が現れたのか?ショッカー首領の正体は?昭和の時にはあやふやだったところが見事に描かれていました。やはり庵野秀明監督は職人気質なんだと思います。とてもライダー愛に溢れた映画でした。ありがとうございました。
こういうのでいいんだよ
シンウルトラマンの時もそうでしたがアクションシーンがカッコいいので細かいことはいいかなと思い素直に楽しめました
冒頭20分と2号との共闘シーンは特に熱くて好きです。
別作品として…
設定や世界観を再構築している作品なので、原作とも違うしテレビシリーズとも違う作品だから、当然新たな仮面ライダー(別作品)として観るのが前提の作品だと思う。
その上での好き嫌いや賛否はあると思うけど、個人的には良かったし面白かった!
しっくりこない
舞台挨拶付きの最速公開を見てきた。
総じて、しっくりこなかった。の一言に尽きる。なぜなのか?見てる最中は漠然とした違和感しかなかったが、1日経って違和感の正体が具体的に見えてきた。
それは、「石ノ森のヒロイズムが感じられない。」の一点に尽きる。
私にとってライダーの醍醐味は、改造人間になった=人間でなくなってしまった悲哀にある。人として享受するはずだった幸せを理不尽に奪われ、それでも人(他者)のために、「正義」のために滅私奉公戦う、それが石ノ森のヒロイズムなのだと思ってきた。
[1.悲哀が無い]
「幸せを理不尽に奪われる」これを表現する対比が悉くこの作品では廃されてしまっている。
まずは改造前と後との対比が無い。
この作品では冒頭で、もう本郷はバッタオーグになっており、回想等でも改造前の様子は出てこない。「頭脳明晰、スポーツ万能、コミュ障…」とルリ子の短いセリフで語られるだけ。どんな青年で、何に幸せを感じ、どんな未来が奪われたのか全く想像がつかない。本郷猛の改造人間になってしまった苦悩があまり感じられなかった。
さらに、幸せな他者との対比も無い。
TV版に有った日常パートは、子供番組のお約束という側面だけでなく、幸せを謳歌する人々とその中に入れているようで入れていない改造人間との対比が、人でなくなった哀愁を強調していたように思う。翻って本作には日常パートと言えるものがほとんどない。人としての幸せを享受できない哀愁が漂ってこないのだ。
苦悩も哀愁もない、それはもはや仮面ライダーとして私には受け入れられない。童貞と揶揄されながらも教師として社会に溶け込もうと努力し、教え子を救うために素手でトラックを止めて居場所を失ったNEXTの方が、まだ、この辺の悲哀に関しては描けていた。
[2.何のために戦っているのかが見えない]
同じ戦うでも、私欲のために戦うのか、流されて戦うのか、正義のために戦うのか、平和のために戦うのか、何のために戦うのかでヒーローの格は決まるのだと思う。
だが、私には本郷猛が戦う目的が良くわからなかった。そもそも本郷猛がどういう人物なのか、今一つキャラが掴めない。1.でも述べたが、改造前の情報が無さすぎる。
父親が警官で刺された件は、序盤から匂わせていたが、種明かしは終盤近く。この種明かしが遅れたのがキャラを掴みきれない最大の要因だったと思う。父親の一件で力に対してどういう思いを持っているか、分かったうえで見るのと見ないのではだいぶ見方が違ってくる。それを後ろまで引っ張ったのはどういう演出意図なのか甚だ疑問だ。伏線は物語のスパイスだが、観客が主人公のキャラを掴んで見れるか見れないかはもっと重要だと思う。周回前提なのかもしれないが、それで初回がつまらなくなっては元の木阿弥だろう。
最序盤は、緑川博士に娘を頼むと言われたから戦っているのだが、緑川博士とどういう関係だったのか?も描かれず。恩師だったのだろうが、恩師と一言で言ってもピンキリだ。改造されたことに恨み言ひとつ言わず、初対面の娘を託され応じるのは、「優しすぎる」からなのか、恩があるからかこれも判然としない。
判然としないと言えば、ショッカーもだ。
オーグたちが各自好き勝手やっていて、組織として統制が取れているように見えない。Kが何をしたいのかもよくわからない。Kとオーグ達との上下関係や、松尾スズキ(が演じた創始者)と緑川との関係も?(そのあたりはヤングジャンプ連載のショッカーサイド漫画で詳らかになるのかもしれないが…)
蝶オーグ(ドクガンダーとイナズマンとV3の混合かな?)は、仮面の中の妹に説得されたくらいで改心する程度の覚悟なら最初からやるなよ。
敵が明確であればこそヒーローが輝くものなのに、これでは輝く物も輝けない。
結局、昔の恩師に頼まれてるうちに娘に惚れて、惚れたヨワミで言われるがままに兄妹喧嘩に介入していく、流され男にしか本郷が見えず、正義も平和も本郷の頭にあるのか懐疑的なまま泡へと消えてしまった。
逆に言うと、ルリ子への情はこれでもかというほど描かれていたので、ルリ子との別れのシーンだけは観客(私だけ?)と本郷の感情が一致して名シーンとなっていたように思う。
3.画が無い
上記全てに関わることだが、大事な部分を説明台詞で済ませすぎだと思う。説明だけで楽しめると思うのであれば、2時間、監督が出てきてあらすじを詳しく説明する映画を作ればいい。それでは楽しめないから、画が必要なのだろう。だが、主人公の人間性も、ショッカーの非道も肝心なところはルリ子が喋っているだけで画は1秒も出てこない。
私が、このリメイクに期待していたのは、ビッグマシンの容姿をロボット刑事に寄せることでも、ハチオーグの旧名をTV版・萬画版共通でルリ子の友人の「ひろみ」にすることでも、「13人の仮面ライダー」をこすり倒すことでもなく、哀愁漂う正義のヒーローの活躍だったのだが、それを見ることは叶わなくて残念だった。
とはいえ、良かったところが一つもないわけでは無いので、箇条書きで良かったところを書き出してみる。
・まさか、この作品でコンフィデンスマンシリーズよりはっちゃけた長澤まさみ氏を見られるとは思わなかった。
・各オーグのデザインが秀逸。原典要素0かと思ったハチオーグもおっぱい装甲がきちんと元ネタ準拠だったり、蜘蛛も六角形×3でありつつ生物としての8目もあるデザインだったり素晴らしい。
・きれいな風景が多い。
・戦闘シーン…賛否が割れているようだが、個人的には凄く良かった。下級戦闘員への血飛沫溢れる一方的虐殺、クモオーグ戦、サイクロン号による空中戦、ハチオーグの高速移動、1号VS2号の肉弾戦、2号VSカマ・カメ戦、ショッカーライダーとのカーチェイス、最終決戦どれも「おおっ!」となった。確かに何をしているかわかりづらい構成も多かったが、それも味と楽しめた。
・各役者の演技…これも賛否あるみたいだが、私は全体的に良かったと思う。
・緑川ルリ子がショッカー製の人造人間。一長一短だがこの設定変更によりルリ子を女サイドキックとして明確に位置付けたのは良い試みだったと思う。何より目が光る浜辺美波がかわいい(笑)
Cyclone
仮面ライダー歴が生きてる年の半分を超えて、仮面ライダーと共に成長してきたと言っても過言ではありません。1番好きなライダーはフォーゼです。グッズはコンプリートしてるくらいには好きです。
「シン・ウルトラマン」は庵野さんが全てに関わったわけではないので、その分見たかった欲しかったシーンが少ないように思いましたが、今作は庵野さんがほぼほぼ携わっているので期待値もかなり高めでした。特典はカードでハチオーグ(変身前)と一文字隼人でした。
初っ端からいきなりの戦闘で、PG12である理由を速攻で画面に映していきます。ひたすらパンチをするんですが、その際に力の制御ができなくなったパンチで血飛沫が飛びまくります。しかも結構な量飛び交ってしっかりと殺したと明言するあたり、本郷の暴力嫌いな性格をマスク装着によって改善するというのは中々良かったです。
ストーリーはシンプルかつシリアスで、ひたすら怪人と戦い、その中での出会いと別れ、そして自分の在り方を見つけていく成長譚になっています。シリアスっちゃシリアスですが、闇堕ち的な展開は無いので安心して観れます。庵野さんなのでヤバイのが控えてるのではと思っていたのでかなり真っ当だったことに少し驚いています。
アクションはとても良くて、ゲーム的な高速アクションやバイクを用いての躍動するアクション、なんといってもライダーキックが最高にカッコいい。シンプルなライダーキックをここまでカッコよく魅せるとは…!これだけでも満足感がMAXになりました。暗いシーンでの戦闘シーンが見づらかったのは残念でしたが、Dolby?Atmosとの相性良さそうだなと思いました。
役者陣も秀逸で、池松壮亮さんは良くも悪くも昭和ライダーっぽい無骨な感じがひしひしと伝わってきました。若干棒読みくさいところはありましたが、これは池松さんの作品をそこまで観ていないというのがあって慣れてないだけなんでしょうか。後半は順応していきました。
浜辺美波さんはやはり最高でした。お堅いところもあるけれど、その中にユーモアのあふれる役割で、ライダーの片腕として魅力が存分に発揮されていました。用意周到を一つの作品でここまで聞いたことは無いので、今年の映画の流行ワードに入りそうな気がしています。
柄本佑さんも素晴らしい…!1号よりも強い能力を持ち合わせながら、組織下に付くことなくフリーで活動している人間ながら、一度正義に目覚めたらとことん筋を通す、カッコいい役柄でした。トークがひょうきんなところもまた良く、外見は大きく変われど一文字隼人という男に変わりはありませんでした。決め台詞がいちいちカッコいいのも良かったです。
ショッカーたちの怪人たちもまた良くて、クモオーグ、ハチオーグ、サソリオーグ、コウモリオーグ、カメレオンオーグ、そして0号、差はあれど強力な怪人たち、抜けて良かったのはカメレオンで、本郷さんの狂気じみたトーンの喋り方がとても良かったです。クモオーグの冷徹な感じもエリート感が漂ってましたし、ハチオーグは容姿端麗で尚且つ攻撃は超高速斬撃というのも魅力的でした。コウモリオーグはここだけ謎の雑CGが目立っていてあんまりでしたし、サソリオーグは一体なんで出てきたんだ?というくらい(のちハチオーグを殺すための毒のを作るため殺された)の出番の薄さだったので、そこはもったいなかったなという印象です。
今作の萌えポイント&ベスト変形賞はサイクロン号です。初代では出来なかったエンジンの噴射口を増やしての爆速や空へと飛び立ったり、とにかく1人の役者として素晴らしかったです。本郷の後ろをついてくるあたりがベスト萌えポイントでした。
年間ベスト、とまではいきませんが強く残る作品でした。仮面ライダーとの関係性がより深まった1本でした。庵野さんのシンシリーズ、やはり楽しいです。
鑑賞日 3/17
鑑賞時間 18:00〜20:40
座席 E-3
カッケー!これを毎週観たい。
子供の頃に感じていたいわゆる子供騙し部分に対して、設定と説明を加えてくれて大助かり。
シン・ウルトラマンの時も同様で助かりました。
設定が整理されていたので、すんなり没入できました。久々に時間を忘れて楽しめた映画になりました。
オマージュであろう特徴的なセリフ回し、言葉のチョイスも、没入して、積極的に思考停止して楽しんでいた私にとって、この状況でそう言うことを言う人なのだろうと、スルーしそうになってしまった。
1つ、わがままを言わせてもらうと。
「これを毎週観たい。」
想定外の展開だったけど面白かったです
いい意味で思ってた感じの映画ではなかったですが、面白かったです。
あと、2人の仮面ライダーは若者仮面ライダーとは違う良さがありました。
賛否両論にショック……
シン仮面ライダーの世界観とは、改造人間の開発と運用実験による疫病対策だった。
だから一般人の絡まない閉じられたセカイ系での物語になった。
果たしてそれは疫病に耐えられる改造人間の社会構築か、はたまたノアの箱舟計画としての地球脱出か。
人類の半数が死滅した世界での社会実験。そこで叛乱が起きたというお話。
そのように捉えられるから面白く観てました。
政府と謎のロボットKに観測されている閉じられた世界で起きた対立。例えばイチローのようなバグと緑川の叛乱……そのバグとしての脅威をどう始末していくかが、ずっと繰り返し訓練されている。実際にはショッカーも叛乱組織もないのかもしれない。
そんな中で、自立した仮面ライダーという存在が現れた。脅威というよりユニークな存在である。友情をはぐくみ戦い続ける事を誓う自由な戦士の登場に、政府の男たちは目を細め、行く末を見守ろうとしたところで物語は終わる……。
これが隠されていたプロットだと妄想して、独り楽しんでます。
何だか後半の庵野監督の作家性が、観客を置いてけぼりにしたとか言われてますが、そもそもエヴァンゲリオンやアニメのセカイ系で見慣れた展開なのに今さら付いていけないとか、あり得ない。
この否定的な意見があふれるのは、ジョーカーのときと似たような感覚。
ダークナイトのような悪役としてわかりやすい空想キャラクターを求めていたのに、現実に近いリアルキャラクターが出てきて拒絶反応であふれたときの状況を思い返すほど。
そのフィクションの世界観や設定は、自分が把握できないと楽しめないものなのか?
謎は謎のままとして、余白を楽しむ余裕はないのか?
描かれなかったところを自分の想像力で埋められないのだろうか?
シン仮面ライダーは充分にエンタメしていたし、ライダーやサイクロンのカッコ良さもあり、そしてバットマンのような孤高のヒーロー感もあった。
独りでありながら独りではない、友情を得て、共に旅立つライダーの去る姿は、日本の孤高なヒーローとして認められても良いのではないか……。
思い入れでしかないと言われればそれまでかもしれないが、しかし映画は観客個人の思い入れがないと心の歴史には残らないのも、また確かなのだ……。
緻密な編集と絵作り×昭和特撮のおとぼけ
はて、何が賛否両論なのかさっぱり。
そんな真顔で腕組んで向き合うような作品じゃない。楽しくて、熱くて、とぼけてて。キャッキャしながら見る映画です。
編集と構成の見事さは、さすがの庵野秀明。キレキレなカット割りに、印象強い絵作りと音楽。テンポよく進むストーリー。印象的な風景が多すぎてたまに絵葉書に見えたりもしますがw、にしても寄りも引きもレイアウトがよくて美しい。人物を真ん中に置く、堂々たる絵作りなども感嘆ですね。無二の個性を感じます。
昭和のヒーロー特撮らしいどこか間の抜けた感じも、作品全体をとてもチャーミングに仕上げてます。この辺はそもそも社会派の作品を原点とする『シン・ゴジラ』とは違う感じですね。根っこがエンタメ。
昔の特撮を見た時の「フフフ」な感じが、ちゃんと残ってます。けれど映画としての完成度がしっかりしてるから、作品がグダッとしない。技術があるから許される遊び。
池松壮亮のヒーロー然とした演技はたまに笑えたりしますが、それはそれでよし。その他役者陣の芝居も、ちゃんと演技方針が当てられているのがわかる。中でも柄本佑の芝居が見事。森山未來も相変わらず素晴らしいですが、今回は柄本佑が特筆すべき存在感でした。
興奮して、ニヤニヤ笑えて、熱くなれる。
個人的には仮面ライダーが表情で語る、細やかな芝居が面白かった。まぁ表情変わんないんすけどね。
庵野秀明が間違いないことを再確認できました。
想像より度直球に仮面ライダーでした。
世界設定などには、一応納得できる設定が追加されていますが、ストレートに仮面ライダーでした。美術や撮影チームなども全面協力なのでしょうか?期待を裏切ることなく仮面ライダーです。
基本的に映画としての面白さはありますが、熱心なファンでない限りはおすすめしません。
庵野監督の悲しみを忘れると怪人、悲しみを乗り越えるとヒーローの定義は面白いと思いました。
原作と初代への愛が・・・
庵野監督の原作(石ノ森章太郎)と初代仮面ライダー(TV1作目)への愛がこもった、こもりすぎた作品だと思った。
制作発表時の庵野監督のコメントからある程度は予測してたが、ここまでとは⁉️
私は好きです。
最近(平成、令和シリーズ)の仮面ライダー好きには受け入れられないかも。
マイナス点は、主人公 本郷の冒頭のシーンで、意図しない改造だったはずなのに受け入れるの早っ⁉️と思ったのは私だけだろうか。
あと、劇中音楽が物足りない。シンゴジ、シンウルトラにしても、もともとの音楽を使用しつつ、シンの新しい音楽を入れていた(エヴァ除く)が、今回は新しい劇中音楽で心に残ったのが予告に使われた音楽ぐらいで、その他は、全て初代TVシリーズの音楽に持っていかれたと思う。
もしかしたら、庵野監督の望む音楽があまり無くて、初代の音楽ばかり使用したのでは?と勘繰ってしまった。
正直なところ完成度は低い。原作愛は0
ストーリーは物足りない。どこが盛り上がるシーンなのか一切わからず仕舞い。
映像面では、昭和レトロ感を出そうとしているのかもしれないが、かえって違和感を感じた。
見せ場のアクション面では、全てにおいて迫力に欠ける。
映画とは関係ないかもしれないが鑑賞回数に応じ特典を配布する売り方はやめて欲しい。
映画の価値が下がる。
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