シン・仮面ライダーのレビュー・感想・評価
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何回宙返りすんねん
『シン』シリーズの題材はすべて朧気に記憶がある程度だったので、観てきませんでした。
今回鑑賞した決め手は、初めて見る浜辺美波の表情。
凛々しさの中に憂いと空虚さを湛え、茶色の革コートを靡かせる様は新鮮だった。
(お風呂に入りたがるのが意外なくらい)
ただ、内容としては駆け足で、感情にフォーカスする割にサクサク進みすぎて深みがない。
怪人の数を減らしてじっくりやった方がよかったし、(意図的だとは思うが)全体的な棒読み感も手伝って、特に本郷がロボみたいだった。
戦闘も、冒頭の血飛沫こそよかったものの、CGを多様しすぎたり暗すぎてよく分からなかったりと今ひとつ。
「なぜ」とか「どうやって」などとツッコむのは野暮な作品なのだろうが、反面妙に理屈っぽい設定説明台詞が多くて、バランスの悪さも感じてしまった。
「人類のため」のような台詞も、回想以外で一般市民が出てこないので現実感がなく、不要。
ライダー好きならもっと楽しめる部分もあったのでしょうか。
ノスタルジーを感じる部分はあったし、アニメ的な演出や画角は面白さを感じた。
とりあえず、浜辺美波のVR映像付きヘルメットは羨ましいです。
特に迫ってはこないショッカー
自分の仮面ライダー原体験は「ブラック」で、いわゆる「平成」「令和」ライダーもちょいちょいつまみ食い。
1号2号あたりは知識としてはそれなりにあるものの、さすがに細かい小ネタとかは分からないです。
そんな立場から見た本作ですが…
すっげぇ微妙……
昭和レトロなノリと、監督のお約束といえる厨二臭い専門用語羅列がとにかく食い合わせ悪い。
ダサくいきたいの?オサレに行きたいの?非常にどっちつかず。
時代が明示されない上に、一般大衆の日常が出てくるシーンも皆無なので、世界設定がよく分からないのも難。ショッカーがどういう組織で、世界の中でどういう立ち位置なのかもなんだかよく分からない。そこが弱いから、必然的に仮面ライダーが戦う理由も弱くなる。だから戦いにも感情移入出来ず、勝ったとしてもカタルシスもない。
それでもアクションがよく出来てればまだ見た目的なカタルシスは得られるはずが、そのアクションがまた致命的なまでにひどい。
プロのスーツアクターを使ってないから生身アクションは全く迫力ないし、CGの質は壊滅的なデキ。本当にシンゴジ撮った人なのか疑ってしまうほど。樋口監督が偉大だったのか…?
血飛沫描写のある仮面ライダー、ならアマゾンズの方が本格的で、世界観もしっかりしてますしね…
一応、話がポンポン進むのでテンポは良かったのと、クモオーグ・ハチオーグのデザインやキャラはなかなかだったり、なんだかんだ嫌いじゃないポイントもあるにはありますが…
んー、ちょっとやっぱり、個人的には受け入れられませんでした。
賛否両論分かれる名作
新・浜辺美波
怪人は爆発しないで溶ける
大人の仮面ライダーでした。
ショッカーが血しぶきたっぷりにやられるとは、これはPG12ですよね。これだと怪人はどういう風に死ぬのか(血だらけの惨殺死体になる?)と思っていたら、溶けてました。
最初の仮面ライダーを小学1年生の時に見たど真ん中世代なんですが、なかなか面白かったです。コスチュームとかテーマ曲とかBGMとか涙ものです。さすがに「へんしん!」はないかと思っていたら、2号がやってくれたし。サイクロン号は現代的なテイストですごくカッコいい。
オーグは出てくる度に、あ、クモ男!コウモリ男!ハチ女!と心の中で叫んでました。(サソリ女、チョウ男はいなかった気が…) V3での電化製品/道具と動物/昆虫を掛け合わせた機械合成怪人が子供心に妙に好きだった私は、カマキリとカメレオンを合成したというオーグには感動しました(笑)。
俳優はこれでもかと贅沢に使っていましたね。(シン·ゴジラとかシン·ウルトラマンで見た方がいっぱい) ただ、イケてないのはCG。予算がなかったのか、時間がなかったのか。コウモリ男はもう少し何とかならなかったのかな。
ああ、ライダースナックが食べたい。
冒頭30分と、ラスト30分は良かった。
等身大実写ヒーロー作品の壁
子供の頃に観た仮面ライダーに
庵野監督はどんなシン解釈を与えてくれるのか?
本作もシンウルトラマンと同様、
従来のご都合主義的な“変身”に
ロジカルな世界観を加えてリアリティを与えたり
迫力を追求したアニメのような激しい演出、
俳優陣の繊細とコミカルの両極に振り切った演技、
実に見所は多彩であった。
ただ仮面ライダーという作品は
これまでも幾度となく大人向け作品へと
アップデートの試みがなされて来た。
その全ての作品を観ている訳では無いが
この文脈の中で、
果たして庵野監督がどれほどの
シンを生み出せたのかは疑問である。
また今回は全体的に等身大実写ヒーロー作品の限界が
見え隠れしたような印象を覚えてしまった。
個人的には願わくば
次回作は第二次世界大戦のような
近代史にトライして頂いて
まだ観ぬ、シン国産戦争映画を生み出して欲しい。
或いはシン•ナウシカか。。。
俺のとは違う、、
ライダーの皮をかぶった別の映画
最速公開で鑑賞しました。
浜辺美波さんの可愛さにやられてしまったのと、一文字絡みのエピソードは非常に昂ぶるものでしたが、全体を通して、ストーリーがどうにも腑に落ちませんでした。
矢継ぎ早に怪人が出て来て掘り下げが浅かったのは、上映時間どの兼ね合いもあり、ある程度許容するとしても、大問題は倒すべき対象を見失ったうえ、別コンテンツのお話をそのまま持って来ちゃってること。こういうの庵野ユニバースとか言うわけ?違うだろ。
戦いに苦悩する本郷と人工的な生物兵器のルリ子は、碇シンジ君と綾波を見るかのよう。
(よく考えたら予告編の浜辺さんの髪型で綾波説は類推出来てたかもな。。)
お兄ちゃんのハビタットは人類補完計画そのもの。
庵野さんに任せた時点でこうなることは、制作陣はもしかしたら折込済みだったのかも知れないが、流石に発想が貧困過ぎる。
観てる観客サイドとしては、別にライダーでエヴァをやって欲しかった訳じゃないし、エヴァに特に強い思い入れも無い。そもそも両者に関連性もファン層の被りも特に見い出せないと思っていた。
オリジナルに忠実に、勧善懲悪な【ライダーとショッカーの戦い】で良かったのに、ショッカーは一体どこ行っちゃったの?劇中でまるで存在感がなかった。
あと、ショッカーライダーどの決戦部分がオールCGなうえ、薄暗く、何をしてるのかよく解らないうちにいつの間にか全員やっつけられてるのも大きなマイナスポイント。
キャストが中に入って人間同士で戦いを演じるのが“売り“ではなかったの?
ショッカーライダーは原作ではダブルライダーのハイライトのエピソードのはずなのに中途半端に片付けられたのも非常に残念でした。
もう一回は観に行くと思います。
ただ、何度も観たいか?と言われたら違いますよね。コレジャナイ感が強いです。
マニア向け、ライト層は注意
新であり、進であり、真の仮面ライダー
前提としてシン・シリーズは全て視聴済み、また仮面ライダーは平成ライダーを齧った程度で昭和ライダーは全く知りません。
・悪い点
粗探ししないと出てこない程度にはない。
強いて言えばCGのクオリティだが、あれは予算の都合やあえて"あの程度"にしている可能性があるので酷評する点にはならないと考えている。チープだとの批判も度々見受けられるが、日曜の仮面ライダーを見たことがあるのかと問いたい。間違いなく、テレビ版よりは良いし、マーベルやアバターのようなレベルのCGを期待したのだろうが、予算がまるで違う。ここを指摘するのはお門違いだと思う。
まず、悪い点はないと思う。
・良い点
【テンポの良さ】
まず、テンポが良い。前半もショッカーからの逃走の最中から描かれており、一息つくまもなく次の刺客がどんどん出てくる。作品を通して無駄と思うシーンはない、あっという間の2時間だと思う。
【庵野監督らしい設定】
作中、プラーナという概念が出てくるがこれが監督らしい。エヴァシリーズでも精神世界の概念は度々出てくるし、ある意味鬱的な要素もそこに盛り込まれている。製作中の段階で大人の仮面ライダーが想定されていると思うので、これくらいダークな設定は必要。昨今の仮面ライダーと違い変身して戦うことでのデメリットがあるのがコンプライアンスの低かった時代の昭和ライダーのようで、原作リスペクトを感じることができる。
【バトルシーンの演出】
これは上述したCGの話に被ってくるが、限られたCGの中で十分に迫力を感じる演出がされていると思う。特にハチオーグとの戦闘シーンは暗闇で虫が動いた時が容易に想像できるような演出だし、後半の量産型ライダーとの戦闘シーンも暗闇で戦っている割にはかなり見やすく、状況が理解しやすい。
総合してかなりの良作。私としてはシンゴジラと並ぶレベルで良かった。次回作があれば是非観に行きたいと思う。
また観たいと思うので星5。
俺はあと何人殺せばいい!教えてくれゼロ!
仮面ライダーのヘルメットにはゼロシステム(のようなもの)が仕込まれてますよ!(笑)
そしたらラスボスが…ゼロだのVス…(笑)
シン・ウルトラマン以上の急展開の連続てのもあって内容としては正直普通でした。しかしながら、各シーンの1つ1つは良いところがたくさんあってアマプラとかで数話に分けて掘り下げてくれたら凄い良かったのかな?と思います。
ブラックサンがションボリだったので、この雰囲気でアマプラで作ってほしかった…
星は3ですけど、良いところもたくさんあって何て評価してら良いか難しい映画でした。
仮面ライダーの歌が流れる時、観客の心がひとつになった・・・気がした(´△`)
そもそもショッカーの目標は意味のあるものなのか?
なぜ仮面ライダーが生まれたのか。
その後に続く戦いの行方とは
など、荒唐無稽さを突っ込んではいけない訳だが、庵野監督はその部分になんとしてでも理屈をくっつけたいんだなあと思った。
人類の行く末を按じるあまり、人間を管理することの必要性を思い立ち、高性能なAIを作ったら「じゃあ世界征服ってか人類みな奴隷」が良いんでね?となったというのがショッカーの創設らしい。つまりはターミネーターと同じか。
仮面ライダーはショッカーによって作られたが、緑川博士の計画で「良心回路」(これはキカイダーか)のようなものを仕込まれたんだよね。でも、原作通り強いだけでは無いキャラクターだ。悩みを抱え強さを誇示できない。
ライダー2号も自分の感情の行方を意識して行動している
さて、大ボスは森山未來(緑川一郎)演じる🦋.*˚オーグ
戦いの初めに白いマフラーをして「仮面ライダーゼロ」を名乗る!
ここは、オリジナル通りなのかは分からない。
ライダー同士の戦いの最中にルリ子はKKオーグに刺されて命落とすが、誰だろうと思ったらクレジットに本郷奏多の名を見つけて、この人しかないと思ったよ。多分正解。キモさがピッタリ。
でもなんだね。シンウルトラマンと同時に撮っていたのかな?役者のダブリやロケ地のダブリが多いと思ったね。
竹野内豊と斎藤工はゴジラとウルトラマンだし、サソリオーグは長澤まさみ、緑川博士の奥さんは市川実日子、どちらも科特隊(禍特隊)
工場での戦いはメフィラス星人とウルトラマンの戦いの場所だし。
やはり、一連の「シン」シリーズは同世代の人には嬉しい仕掛けが多い。
客層は平日ということもありおっちゃん達がわんさか(笑)湧いてて草
ライダー1号が左足を怪我する事実も踏まえ、2号に引き継ぐ流れも納得。こうなればシン・V3までが本来の流れだろうね。
最後に「悪いやつほどよく笑う!」ね(՞˶・֊・˶՞)ドヤッ.ᐟ.ᐟ
想いを紡いでいく
驚いた。ここまでエモーショナルに響いたのは作品を見る前は想像できなかった。本郷猛というキャラはやはりテレビ版の藤岡弘、さんの顔がまず浮かび、とても濃い顔立ちだ、ということは認識している。だからそのイメージのままで映画を鑑賞したのだが池松版はとても優しいキャラ作りとなっている。いや、優しすぎるというべきか。それは作中にも十二分に説明がある。しかしその『やさしさ』が彼の強みでありその優しさがあるからこそ作中最強の敵に勝てたのだとも思う。やさしさが人を結び付け、やさしさが人を強くし、絆を強固なものとし、人の思いをまた人へ伝える。それはまるでリレーのバトンのように手から手へと渡り歩く。
主要なキャラが亡くなっていく熾烈さを見せているのと同時に誰かが亡くなったとしても、メットの中にメモリが入っていて映像で亡くなった人の思いが感じ取れるシーンは持っているものに魂が宿っているというメッセージと解釈できる。それは古くから日本にあったアニミズム的なエッセンスでもあるし庵野作品でいうところの「新世紀エヴァンゲリオン」でエヴァそのものに亡くなった人の魂が宿っているのと同じように思えた。本作ではそれは時にマフラーであったり、メットであったりと身近なものばかりだ。人は死んだらいなくなるが、存在自体はちゃんと残っている。ものにもちゃんとぬくもりがあり、死んでも記憶が宿っているのだ。本郷は残念なことに亡くなってしまうがその彼が持っていたマフラーとメットにはルリ子の思いも詰まっているし本郷の意思も刻まれている。そしてそんな彼らを間近で見ていた一文字にそのすべてが継承される。それが背中に宿りバイクを走らせるというラストは爽快感もあり、そんな彼の成長も感じ、見ている俺も前を向いて生きようというように思えて本当にすっきりとした読後感だった。
一文字は群れるのが嫌いだと最初は言っていたがそんな彼にも仲間ができて気を許していく姿はなんだか今までの庵野監督の過去から現在までの心境を表しているのかなと勝手に推測した。
SHOKERは絶望で構成され相手の怪人たちは絶望を感じ、その絶望を憎しみに変えて強くなった。あるものは愛するものを殺され、裏切られ、力に頼らざるを得ない人たちだ。それは昨今でいう無差別殺傷事件や恨みで人を刺したりする事件があるから人ごとではない。SHOKERの構成員である緑川イチローは人が悲しみを感じさせないように自らの考える幸福を追求した計画を進める。愛する人間を殺されたのも本作の主人公である本郷も同じ心境だ。しかしそんな彼らと本郷は紙一重でありながらも決定的に違うところがあって、それは最後まで相手に手を差し伸べようとする姿勢だと思う。イチローは絶対的な強さを誇り、正攻法ではとてもかなう相手ではない。しかしその戦いの最後はルリ子のメッセージをイチローに伝えることだった。それはやさしさを持っていないとできないことだし、絶望の淵にいる人に唯一できることは手を差し伸べることだ、と感じ取れた。それができる本郷は誰よりも強い。
人は絶望したり悲しみを背負ったり、それは本当につらいことでもその絶望から逃げると生きることへの拒否になる。感情委があるから生きているのであって、人の生き死にを見るから人は強くなるのだと思う。それを最後まで描き切った本作は庵野作品で一番好きな作品だと思った。
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