劇場公開日 2023年3月17日

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「ちゃんと仮面ライダーでした、凄い好きです。」シン・仮面ライダー koさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ちゃんと仮面ライダーでした、凄い好きです。

2023年4月15日
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もう感謝の言葉しかありません、有難うございます観たかったモノを観せてもらいました。賛否両論激しい中で私もこの映画を手放しで称賛はしません。普通の2時間1分の映画を期待して起承転結と登場人物それぞれの掘り下げを求めるならば他の映画を観て下さい。この作品は仮面ライダー1号と2号の物語を昭和/平成/令和の「仮面ライダー」の書式を用いずにアップデートさせたモノだと私は感じました。NHKのドキュメンタリーを視聴した方からパワハラとか今の時代にはそぐわない手法だとか騒がれていますが、作劇におけるインプロビゼーションやアドリブはそれこそ芸能の世界ではあるある話です。この映画を作る事に参加した人、特に画/演技に関わる人達に「あなたの仮面ライダーをギリギリまで見せてくれ。」と監督は要求し続けました。「相手を殺したいと思いながらの格闘は殺陣の様な様式美では無い筈。」妥協しなかった/出来なかった部分なのだろうと私は解釈します。東映のヤクザ映画へのオマージュまで盛り込んで庵野氏のサービス精神にはもう脱帽しかない。個人的に拭えない気持ちは『「シン・ウルトラマン」よりも前に公開されていたら違う評価だったろうな。』です。巨大で絶対的な強者を思わせながらも人としての弱さ/生き方を肯定してくれた異星人も尊いけれど、理不尽に力を持つことを強制され苦悩しながらも自分しか受け継げない思い/自分しか止める事の出来ない危機に立ち向かう等身大の人間・・・駄目だなぁ、仮面ライダーが大好きだ。20230417追記、熱が冷めないというのかレビューを書いてもまだおさまらない。庵野氏が「シン・ゴジラ」では総監督で「シン・ウルトラマン」では脚本/編集であったのに、何故「シン・仮面ライダー」では監督なのか?極論、統括責任者やスタッフのポジションでは無く現場に密着して自分が全てに関わることを望んだとしか思えない。NHKのドキュメンタリーも「シン・エヴァ」と「シン・仮面ライダー」しか無い。東宝が宣伝としての庵野氏の露出を許可しなかった可能性は大いにあるとしても。「シン・エヴァ」のドキュメンタリーの時に庵野氏は言った「宣伝ですよ。」、「シン・仮面ライダー」はあのドキュメンタリーも重要な要素なのだ。イチ観客でしか無い私が泣きたくなるくらい「仮面ライダー」が好きで、そして庵野氏は遥かな差を持ってこの比では無いのだ。半世紀以上も続くIPの解体/再構築などという試練を誰が面白半分なだけで引き受けられるものか?!庵野氏の作家人生?として今後何に取り組んで下さるのかをものすごく期待はするものの、情熱を注げるものがまだ残っているのだろうか?余計な事だとは思うが心配になってしまう。自分の熱が沈静化することを願いながら最後に、東映は今後の仮面ライダーシリーズにおいて「シン・仮面ライダー」を汚すなよと書き残す。変な客演とか趣旨を曲げた続編を作ったら生涯恨んでやる。私にとって池松壮亮氏と柄本佑氏は仮面ライダー第1号と第2号として刻まれたから。拙いレビューに共感をして下さった方々に感謝を。

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