エンドロールのつづき

劇場公開日:2023年1月20日

エンドロールのつづき

解説・あらすじ

インドのチャイ売りの少年が映画監督の夢へ向かって走り出す姿を、同国出身のパン・ナリン監督自身の実話をもとに描いたヒューマンドラマ。

インドの田舎町で暮らす9歳の少年サマイは、学校に通いながら父のチャイ店を手伝っている。厳格な父は映画を低劣なものと考えているが、信仰するカーリー女神の映画だけは特別だと言い、家族で映画を見に行くことに。初めて経験する映画の世界にすっかり心を奪われたサマイは再び映画館に忍び込むが、チケット代を払えず追い出されてしまう。それを見た映写技師ファザルは、料理上手なサマイの母が作る弁当と引き換えに映写室から映画を見せると提案。サマイは映写窓から見る様々な映画に圧倒され、自分も映画を作りたいと思うようになる。

主人公サマイ役には、約3000人の中から選ばれた新人バビン・ラバリを抜てき。

2021年製作/112分/G/インド・フランス合作
原題または英題:Last Film Show
配給:松竹
劇場公開日:2023年1月20日

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映画レビュー

3.5 フィルムへの熱い愛と鎮魂歌

2023年1月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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ニコ

4.0 初めて映画に接するときの少年の純朴な表情が忘れられない

2023年1月30日
PCから投稿

映画への愛をふんだんに詰め込んだ本作だが、だからと言って決して『ニュー・シネマ・パラダイス』のような叙情的な作風ではない。インド映画ならではの感情をダイナミックに曝け出す演技と演出が無尽蔵に押し寄せてくることもなく、代わりにそこには少年の映画との出会いと純真な初期衝動が、ごくナチュラルに活写されている。印象的なのは初めての映画館での体験。誰もが食い入るようにスクリーンを見つめる中、少年は後方から照射される光の帯に手を伸ばし、その娯楽性だけでなく構造的な部分にも興味を持つのである。そうやって芽生えていく情熱に加え、少年の家庭環境、映写技師との絆、それから仲間同士の友情とを織り交ぜながら、徐々にストーリーはその照準を彼自身の”未来へ向けて伸びゆく道筋”へと合わせていく。時代や技術の移り変わりや映写用フィルムの行方に関するパン・ナリン監督のビジョンに、ふと”輪廻の哲学”を感じたの僕だけだろうか。

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牛津厚信

3.5 映画大好きサマイはパン・ナリン

2025年9月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

幸せ

癒される

 2010年のインド共和国グシャラート州を舞台に、9歳の少年サマイが映画に出会ってから、家族と離れて街の学校へ出発するまでの実話をもとにした物語。
 学校をさぼったり映画泥棒で(フィルムの無断で持ち出して)牢屋に入ったりするサマイと、サマイを愛する家族に焦点を当てながら、オマージュたっぷりに、ミュージカルではないストレートプレイで描いたインド映画らしからぬパン・ナリン監督の自伝的な作品。

 台詞が少なめで、BGMも控えめ。
 大自然に囲まれた素朴な雰囲氣、鮮やかに煌めく光、色とりどりの美しい映像。

 “線路を歩くやんちゃな少年達”は『スタンド・バイ・ミー』(1986年)、“映画館の映写技師と少年”の組合せは名作『ニュー・シネマ・パラダイス』(1988年)をそれぞれ彷彿とさせる。

 あの手作り弁当、どれだけ美味しいのか食べてみたい。

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Don-chan

4.5 映像美

2025年6月27日
PCから投稿

泣ける

笑える

知的

常に画面が美しい。
光の中少年が遊ぶ草地、父を助けて働く駅のチャイ売りの屋台(ケトルや耐熱グラスなどの雑器が全て可愛い)、家の台所兼食事室は屋根はあるものの半開放のポーチで、そこで作られる新鮮な野菜とスパイスたっぷりの料理(母は美しく料理上手)、日本では見かけない三日月形のキッチン刃物(足指で支えて、刃を立てた状態のところへ野菜を当ててカットする)、各種香辛料を小分けして納めた木の箱、弁当を包む布の深い色、子らを愛し真っ直ぐに指導する教師のいる小学校は植民地らしい西洋風建築、ペンキの禿げた映画館の壁や内部、暗闇を裂いて物語る映画館の光とその中を踊る埃、子供たちが根城にする隣村の廃屋…見どころがあり過ぎて上げ切れない。

口数少なく夫に従うばかりのように見える母の強さ、プライド高く威張ってばかりのだめパパが見せる頑張りにも泣けるが、愛する居場所を失っても打ちひしがれるどころか、そこから新しく生まれる色と光を喜ぶポジティブさが素晴らしかった。
なるほど後に映画を作る人になる訳だ。(最後の方は辛そうだから見るのやめようかな…と思ったのだけど、ちゃんと見て良かった)

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mysha