劇場公開日 2021年8月20日

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「漫画的であり、そして青春映画ではない。」うみべの女の子 caduceusさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0漫画的であり、そして青春映画ではない。

2021年8月21日
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この映画の漫画の原作はまったく知らない。
映画の出来不出来に関しては、おそらく、よく出来ているのだろう。
描いているのは、中学生のセックスと暴力の世界だ。
実際に、今の中学生がこの映画で描かれているようなことをしているのかどうかは知らない。漫画なので、かなりデフォルメしたところはあるのだろう。
決して、青春映画とは言えない。愛されたいが、愛されない少年少女達の群像劇だ。
しかし、主人公の小梅の家庭は、ごく普通だ。普通の子が、とんでもないことをしてしまうことはあるかもしれないが、このあたりの描き方は、“なんとなく”な感じもする。普通ということを印象付けたいと言うことだろうか。
先に、描いているのは、中学生のセックスと暴力の世界と書いたが、実際には、セックス、ドラッグ、暴力、犯罪、自殺というものを描いている。
小梅の“付き合っていない彼氏”恵介が言ったセリフのように、まさに「神様はいない」世界だ。
この世は、愛されたら幸せ、愛されなかったら不幸というような単純な世界ではない。
中学生である彼ら彼女らが、そのことに気付くのは、もう少し後のことだろう。
撮り方もシナリオも悪くはないのかもしれないが、“描くもの”が特に感動を呼ぶものでもない。
犯罪を描いたのか、自殺により残された家族の葛藤を描いたのか、結局、この映画は中学生やまわりの大人の気持ちを描けなかったということになるだろう。
不幸を詰め込めば、映画になるというものでもない。もう少し、「神様のいる世界」を描いてみたらどうだろうか。

caduceus
琥珀糖さんのコメント
2023年9月5日

こんにちは
ご無沙汰してます。
共感ありがとうございます。

ドラマティックな学園生活に羨望しきりでした。
でもとても勉強する雰囲気ではないですね。
石川瑠華さんの「猿楽町で会いましょう」がとても
好きでしたので、彼女の出演作を観たのですが、別人でした。
色んな人格に変われるんですね。
ちょっと驚きました。

琥珀糖